これがキッカケで入居しました
高齢でも、なんとか在宅生活を続けている方も多い。けれどそれはジェンガみたいに、一カ所でも欠けたら一気に崩れてしまう。独居なら尚更である。
老人ホームに入居するキッカケとなった事由を紹介したい。まだ入居したくない(させたくない)方は参考にどうぞ。
▪️独居の父親と連絡が取れず、近くの警察に連絡して訪問してもらったら家の中で倒れていた
▪️仲の良かった姪と同居するために家を建てたのに、同居を始めたら追い出されてしまった
▪️団地の5階までの階段昇降が辛くなり、買い物や外出が困難になったこと
▪️甲状腺の病気でせん妄状態となり、玄関で半裸で倒れていた自分が不安になって
▪️椅子に座り損ねて転倒、骨折で自立生活が出来なくなった
▪️二世帯で生活していた母親が、蕎麦だと言ってタコ糸を食べていたこと
▪️咽頭がんで口から食べられなくなり、胃瘻から栄養剤を入れる事になった
▪️脳梗塞で麻痺が残り、自宅での生活が難しくなった
▪️美容院を経営していて、高齢を理由に甥に自宅兼店舗の権利を譲ったら住む場所がなくなった
独居の父親と連絡が取れなくなった事例は、本人が倒れていた時間が長く、体重がかかっていた部分が褥瘡(床ずれ)になってしまい、数ヶ月経過した現在も治療を続けている。
キッカケの中では、脳梗塞で体が思うように動かなくなる、というのが一番多い印象。そこから誤嚥性肺炎を併発するパターンも多い。
在宅生活がギリギリのバランスで成り立っている事に気付いても、最早打つ手がなかったり、本人がサービスの利用を拒否したりする事もある。
親族の判断で入居させられたある男性は、どうしても帰りたくて、入居当日からハンストを開始した。少々の認知症はあったが、どうしても帰りたいと泣きながら訴える姿は本当にかわいそうで、個人的には帰らせてあげたいと思っていた。
本人が入居に納得していない場合、倫理的にどうなのだろうと思ってしまう。これって軟禁とか監禁とか言うんじゃないの?
入居を嫌がっている場合は、ギリギリまで在宅で過ごして、もうどうしようもない所までやり尽くして、本人も諦めるか納得するかしてから入居する事をお勧めする。人生の集大成の場ですから。
最期の意思決定は、誰も後悔しない方がいい。