靴下が上手に履けなくても。初めて母の自覚が芽生えた日。【初企画参加】10分間チャレンジやってみた!
「は、履けない。。。」
人生で初めて、靴下が上手に履けなくて泣きそうになった。
腕には血が逆流している点滴。ただでさえ、軽くパニックだ。それなのに、靴下は片足つま先しか履けていないし、もう片方だってぐちゃぐちゃだった。
でも吐き気が強く、どう頑張っても、もう下を向いたままではいられない。これ以上頑張っても、靴下は履ける気がしない。もういい、このまま診察室に行こう。
何だか絶望的な状況だったけど、ふと、「私はお母さんなんだ。靴下が上手に履けてなくても、この子を守るために診察室に行くんだ!」とよくわからない使命感が芽生えた。なぜ今なんだろう。その状況が少しだけおかしくて、気持ち悪いのがほんの少しだけ楽になった。
「おめでとうございます、妊娠していますよ!」と病院で言われた日から私は母になったと思ったのだが、どうやらそうではなかったらしい。私は、この靴下をはけなかった瞬間に、「それでも、母だから頑張るんだ!!!」と強く感じたのだった。
そして、息子が小学生になった今でも、はっきりとこの日のことを思い出せる。
さて、これはいつの話なのかというと、息子がまだお腹にいる妊娠7週目のこと。私は人生で初めて入院していた。「重症妊娠悪阻」(=つわりがひどすぎる)と「切迫流産」(=安静にしていないと流産してしまう。基本、ベッドの上で寝たきりの状態になる)のダブルパンチだった。
入院か通院して毎日点滴かと迫られて、病院にいる方が安心できるからという理由で入院を選んでいたのだ。この日、点滴中に動いてしまったからか、点滴に血が逆流してパニックになり、ナースコールを押した。すると、「1階まで降りてきてください!」という盛大なミッションを与えられて、冒頭のようにパニックになっていた次第。
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ここまでで10分740文字くらい。制限時間の後、誤字脱字だけ確認しました。何とか伝えたかったことはまとまりました。でも、10分って短いですね。多分いつも通りに制限時間なしで書いていたら、もう少し文章が違っていた気がします。
【補足説明】入院していた部屋は2階でした。診察室は1階なので、エレベーターか階段で降りる必要がありました。