ヒンデンブルク・リサーチ
先週インドのアダニグループに不正があったという、ヒンデンブルク・リサーチの報告書が公開され、それによりアダニグループの株価が下落しました。
今後のアダニグループ、インドのマーケットに与えるインパクトを考える上で、ヒンデンブルク・リサーチという会社が今まで何をしてきたのか詳しく知る必要があると感じ、調べてくることにしました。
ヒンデンブルク・リサーチは、企業の不正行為などについて調査し、不正についてのレポートを公開し、そのときの下落幅を利用して空売りをして利益を得る形をとっているようです。
過去の例としては、ニコラ(電気自動車・燃料電池などの開発をしています)の不正について調査していたことがあります。従業員の内部告発などの裏付けを取りつつ、報告書を提出しました。その後ニコラの株価は下落しましたが、アメリカのSEC(証券取引委員会)による調査が入ることになりました。当時のニコラのCEOは、不正について否定していたようですが、結果としては、詐欺罪で有罪判決を受けることになりました。
他にもクローバー・ヘルスという会社が2021年1月に株式公開をしましたが、翌月にヒンデンブルク・リサーチによる報告書の内容が公開されました。内容として問題になったのは、上場する際に、司法省の調査が入っていることを投資家に開示しなかったということでした。その点について、クローバー・ヘルスはそれが情報開示に必要のない項目だったと主張していました。その後SECの調査が入ることになりました。
その後クローバー・ヘルスの株価は下落傾向になり、上場当初は13ドル以上だった株価は、1.25ドルになっています。過去の決算を見てみましたが、11月の決算だと売上高成長率100%近くを達成しており、内容的には悪くないと感じましたが、機関投資家が現時点では敬遠している可能性があります。
他にもいくつかの会社の内部情報を告発している事例がありました。
現状で、アダニグループは不正がないと主張している段階ですので、今後の動きを引き続き追っていきたいと思います。