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天使が動物を乗り越えて人間になる物語

夏休み明けの9月は、最も自殺が増えてしまう時期だと言います。

今年はコロナの影響で既に夏休み明けを迎えており、この時期から改めて子供たちへの温かな眼差しが例年以上に必要ではないでしょうか。

いじめは子供の世界だけに限らず起こっています。

いじめは悪い、いじめはいけない、それは誰だってわかっているのに、個別な事案への対処だけでは、いじめはまるで根絶されていません。

なぜいじめが起こるのか、いじめてしまう原因はどこにあるのか、という点を考察してこそ、根本的解決の可能性が出てくると思います。

いじめのように他者を攻撃する行動に向かってしまう心理を突き止め、学校や社会からいじめがなくなり、自殺を少しでも食い止め(もちろんいじめだけが自殺の原因ではありません)、より暮らしやすい未来を実現できるように、今回のフィロソフィーを綴ります。

この問題は、自分の内面を見つめる目が必要になります。

自戒の意味も含めて考察したいと思いますし、広くは世界の平和にも繋がるテーマだと考えています。

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動物は本能的に自分が生き残るために兄弟や仲間を巣から落としたりすることがあるようです。

弱い個体が仲間はずれにされたり攻撃されたり、親もエサを与えなかったりすることさえあるようです。

残酷なようですが、弱肉強食の厳しい世界で強い個体が生き残る確率を少しでも高めて、種を保存させようとする本能と言えるでしょう。

さて、人間社会では陰湿ないじめなどが後を絶たないどころか、最近ではネットいじめも大きな問題になっています。

これだけあちこちで悲惨な事件が繰り返される現代、一つひとつの事案を検証することももちろん重要ですが、そこに共通する根本的な原因、問題点に気づくことが、ぼくたちの社会や未来からいじめを無くしていくことに繋がると思います。

そして僕がたどり着いたいじめの根底にあると思われるものは、人間の中に残るこの動物性だということです。 

綺麗事抜きに、子供のときに仲間はずれにされたり、逆にそのようなことをしてしまった経験は、誰にでも少しはあるのではないでしょうか。

小さな子供は純粋であり、決して悪に染まってそのような行動を取っているわけではないと思います。

むしろ、純粋ゆえに動物の本能に近い部分、弱いものを仲間はずれにして、自分の生命の安全を確保したいという衝動が、行動に出ているのではないでしょうか。

では、その衝動を突き動かす、さらに根底にある感情は何でしょう?

怒りや悲しみから他者をいじめる、と思うかもしれませんが、ぼくは違うと思います。

その根底にあるものは、“不安”だと思います。

自分は生き残れるか、という本能的な“不安”を払拭するために、だれかを仲間はずれにしたり、攻撃してしまう。

それは相手を倒したいということではなく、自分を守りたいという“不安”からの行動ではないかと考えます。

つまり、いじめるという他者への攻撃の行動は、“不安”による“弱さ”が引き起こす行為であり、限りなく“動物的”な行動なのだということです。

ですから、いじめる側は異常なのではありません。

むしろ、正常な“動物”なのです。

つまり、決して“人間”らしいとは言えない、“動物”性に支配されて理性で制御できていない本能的な行動が、“いじめ”を引き起こしていると考えます。

ですから、他者にそのような行動を取るひとを尊敬するひとはいないと思いますが、少なくとも怖れる必要はありません。

人間は動物に劣る存在ではありません。

また、もしも自分が他者を攻撃したいというような衝動にかられたときは、動物性に支配されそうになっていることに気づくワンクッションを置くと良いと思います。

自分の下に自分よりも弱い存在を作ることで、不安から目を逸らして安心したいという欲求が、もともと動物である人間の中には棲み着いていると思います。

その衝動に負けて自分が支配されてしまうことがないよう、内面を客観的に観察する目を常に持っていなくてはなりません。

それはいじめでも、人種差別でも、あらゆる業界のヒエラルキーでも同じ構造が存在しているように思います。

ですが、自分の不安に向き合い成長することこそが“勇気”であり、自分より弱い存在がいれば優しく守ることこそが本当の“強さ”だと思います。

そうやって、一人一人が成長しながら“不安”という弱さを克服し、他者の成長を見守り後押しするサイドに回っていき、他者の“不安”をも無くしていく先に、問題の解決があるのではないかと考えます。

視野を広げれば、武力により国を守ろうとすることも、結局は他国への不安が根底にあると思います。

世界平和が実現するためには、まだ人間の成長のための年月を要すると思います。

現実を見れば、理想は綺麗事のようにも聞こえてしまいます。

しかし、人は必ず無意識にも理想とする方向へ人生を歩んでいきます。

であるならば、多くの人と理想を共有することにより、その先で、夢のようだった世界平和も、実現可能だと言えると思います。

人間に進歩することを選ぶか、動物に戻ることを選ぶか。

その意識を社会が共有すれば、恥ずかしい他者への攻撃のひとつであるいじめという行為を選択できない雰囲気が、学校にも会社にも広がるのではないでしょうか。

恥ずかしいいじめという行為を“怖れ”ないこと。

“怖れ”が結果を存在させるということもあります。

そしてもちろん、いじめという動物的な本能に負けないこと。

自分が生きる世界に起こる出来事の原因は、自分の外ではなく中にあります。

まずは、自分の中にある“不安”に光を当てて抱き締めてあげること。

そこにすべての悲しみの解決の入口があると思います。

その先で、他者の中にある“不安”をもっと受け止め、抱き締めてあげられる優しい社会や世界があるのではないかと思います。

心が希薄な“不安”を社会や世界から無くしていき、他者に心を寄せて“安心”に変換していくことが、その結果である他者への攻撃、いじめを無くしていくことに繋がると思います。

“不安”により他者を攻撃してしまっていた行動が減り、尊い命が自ら失われることを防ぎ、その結果、“安心”して自分らしく輝いて生きる命が増えていく。

そのような好循環の輪を広げる理想を持ち続け、まずは自らの心を観察し不安を克服すべくできる努力を行い、人の“不安”を“安心”に変えられる自分らしい強さを耕していきたいと思います。

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今日もあなたに良いことがありますように♪
















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冨永裕輔 Yusuke Tominaga
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