宗左近の世界「響灘〜Les Misérables〜」
本日6月21日で、このnoteを始めて2周年となりました。毎回受け取ってくださるあなたのお陰様です。いつも応援本当にありがとうございます。これからも毎週火曜、金曜は冨永裕輔noteをお楽しみください♪
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さて、6月19日(日)、ぼくは久しぶりに戸畑で歌いました。
母校・戸畑高校のすぐ近くの西日本工業倶楽部(旧松本邸)にて。
『炎える母』など壮絶な戦争体験をはじめ、数々の文学作品を遺した巨匠、戸畑出身の作家・宗左近の忌日6月20日に近い週末に毎年開かれてきた宗左近ファンクラブ「花の会」。その会もコロナの影響で、実に2年半ぶりの開催となりました。
そしてこの日は、宗左近の世界を表した記念のモニュメント、鐡偶が完成した除幕式が開かれました。
セレモニーでは戸畑祇園大山笠で奉納されるお囃子、太鼓も演奏されました。こんなに間近で聴けることもなく、身が引き締まり、突き上げるような感動を覚えました。
今年も残念ながらお祭りは中止となりましたが、やはり人類にはご神事である祭りは必要だと強く思いました。来年は開催できることを願っています。
鐡偶が設置された戸畑図書館には、宗左近記念室があります。
宗左近の詩を引用して、宗左近の人生とその世界観がより伝わるよう作曲させていただいた「響灘〜Les Misérables〜」。リスナーさんにはぜひ改めてこの記念室を訪れていただきたいです。
広さとしては短時間で閲覧できるスペースでありながら、そこで実際に閲覧できる資料の貴重さと深みはとても有意義なものです。
戸畑の展示室には「とびはたSUMMER!」に描かれている提灯山笠の模型も。
そして会場を西日本工業倶楽部に移し、2年半ぶりのライブをお届けしました。
日本の近代化の栄華の香りを引き継ぐ会場ならでは、その歴史を刻む階段から登場でライブスタート。
洋館に響く音色と歌声は、建物の息遣いとともに奏でているようで特別な会場です。
そして、宗左近ご夫妻のお写真のそばで歌う「響灘〜Les Misérables〜」は、特別な感情が。
まるで宗左近の魂が憑依しているように、途中からは涙を止めることもできず。宗左近の人生を歌い切りました。
“鳥泳ぎ 魚飛ぶなら そこがどこでも響灘”
最後のこの箇所は、この2年半を経て、北九州のこの舞台に帰ってきた気持ちも、今まで以上に加わって表現に表れたと思います。
人生に行き詰まったり、人生を投げ出したい気持ちになっても、帰りたい場所が心のどこかで支えであり続け、そこに帰れば自分が思っていた以上に温かく迎えてくれる人がいる。
宗左近が人生を通して北九州を、響灘を探し続けていた気持ちが、今まで以上に理解できる気がします。
コロナや戦争、その他にも多くの困難を抱え、生きる難しさを抱いている時代。同じく壮絶な体験をし、苦悩や後悔を抱えながらも、最後まで生き切り、その想いを作品に昇華させ続けた宗左近の人生や魂が宿ったその作品は、今の時代をもがきながらもなんとか生き切るために、世界中の人に届けていくべきものだと感じています。
この日、鉄の街北九州に設置された鐡偶は、宗左近の作品とともに時を越えて在り続けていくでしょう。
そしてぼくは、遠い未来まで、宗左近の想いを歌にして繋いでいきたいと思います。
ミニライブ最後は、先程聴いたばかりのお囃子と太鼓から始まる「とびはたSUMMER!」で、お子さんから大人まで手拍子で盛り上がりました。会場の皆さんの心の中の“ヨイトサ!”が聞こえてきました。以前はよく使っていた小さな祭りうちわも久しぶりに。気づけば少し擦り切れたりしていましたが、それも年月の証。風を起こせと奮いました。
ライブ後は、西日本工業倶楽部の素晴らしいお料理を立食で。このような光景も少しずつ戻ってきました。
お庭も優雅で、関係者の皆さんとの豊かな会話のなかで、また新たな構想なども生まれました。
コロナにより遠ざかっていた“お祭り”“ライブ”“人と人とのコミュニケーション”といったものが、やはり人間には重要なものであると、改めて感じる時間でした。
ライブ後には、文学に携わる皆様から「歌の表現力が増した」「歌が大人になっていた」といった嬉しい言葉も多くいただきました。
コロナでライブができない逆境が自分自身、表現の幅や深みを引き出す時間だったと感じましたし、時間をかけて改めて取り組んだボイストレーニングにより新たな引き出しが増えたこともあり、戻ってきたステージでの手応えも感じられています。
今まで通りにいかないからこその、意味のある期間にできたと。これからも小さなことをコツコツと積み重ねていきたいと思います。やがてはそれが大きな自分の世界になるものだと、宗左近の世界と皆さんとの交流に触れて改めて感じた一日でした。
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明日もあなたに良いことがありますように♪