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当事者に良い介護の在り方とは@たぞえ麻友・目黒区議

1月21日(日)は「自宅で最後を迎えるために」というテーマで目黒区内で訪問看護をされている石川さんにお越しいただき、意見交換会を開催いたしました。
当日出たお話を共有させていただきます。

目黒区は要介護認定の判定に時間が掛かる。他の区市町村では30日程度だが、目黒区は45日程度掛かっている。

要介護認定の結果が介護サービスを受けることができるか否かを決めるため、ご本人やご家族にとっては一日でも早い認定が求められます。
また、他の区市町村でできるなら目黒区も30日程度での認定はできると思います。そこで「他の自治体に比べて時間のかかる理由は何故なのでしょう?」とお尋ねすると、認定を行う介護認定審査会の開催日程の調整と、審査に必要な掛かり付けのお医者さんによる意見書が集まるのに時間が掛かるのではないか、とのことでした。
この点は今後調査を行い、せめて他の自治体と同程度の期間で要介護認定が行われるように努めたいと思います。
(参考:介護保険制度における要介護認定の仕組み)
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/kentou/15kourei/sankou3.html

ケアマネージャー(介護支援専門員)の高齢化が進み、新しい人も増えている実感がない。

ケアマネージャー(以下、ケアマネ)は介護保険サービスを利用する際に必要なケアプランの作成、利用者とサービス事業者の間の調整などを行い、介護サービスを受ける上で利用者さんには欠かせない役割を担っておられます。
ケアマネさんはケアプランを作成するに当たり、利用者への訪問やサービス事業者とのやりとり、各種書類の作成など業務は多岐に渡り、また業務量も多い一方、介護保険の制度上は訪問介護員さんよりも給与が少なくなるケースが大半とのこと。
結果としてケアマネさんは増えないという側面があるそうです。

介護施設に入所も、担当される方がコロコロ変わって不安

お母さんが介護施設に入所されている方からは、当初、お母さんも「良くしてくれる」と喜んでいたのですが、人事異動でお母さんのことを知ってくれていた担当者さんが何度も代わり、お母さんも自宅に帰りたいと口にする様になった他、室内の清掃がされていない時もあり、今は不安があるそうです。当初は良い施設だと感じていただけに残念とのこと。
これは介護業界全体に言えることの様で、今回の意見交換会には介護施設を自ら経営されている目黒区議の坂元ゆうきさんも参加してくださいましたが、介護報酬が法律で定められているため、サービスの良し悪しや利用者さんの満足度に応じて給与を多く払うことなどがなかなかできない(=原資となる売上がない)実態があるそうです。

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お話をお聞きしていると介護サービスは介護保険制度の枠の中で行われる画一的な仕組みである一方、利用者さんやご家族にとっては介護士さんが誰でも良いという訳ではなく、お互いの信頼関係や相性など極めて属人的な側面があることが分かります。
この制度と現場の捻れは、制度が変わらない以上、現場が捩れを受け止める他なく、そのために利用者さんもケアマネさんや介護士さん、事業者さんがそれぞれ苦しむ結果となっています。
法律や財源のこともあるので簡単に解決することはできませんが何とかしたいと思います。

この点について、伊藤ゆう都議からは制度のお話がありました。
まずは一般論として今後高齢者は増え、介護ニーズが高まる一方で施設整備には多額の資金と時間も掛かることからニーズに応じた施設の供給は追い付かないことが見込まれる。そのため「自宅介護」は重要な課題である。そこで自宅介護のためのリフォーム助成金や固定資産税の減免措置などの施策を今後行いたいとのこと。

また保育士不足の対策が介護業界にも適用できるのではないかとのこと。
介護と同様保育も都内でのニーズは高いものの、保育士の給与は低く、都内の保育園に都外から通勤してくる保育士さんが多かったそうです。そこで都では人件費補助や家賃補助を行い、保育士さんの待遇改善を実現したそうです。

その他にも独居の高齢者が増える中で財産の処分として寄付制度を整える必要があるのでは?とか区による施設指導の体制の必要性についてなど時間一杯まで意見交換が尽きませんでした。

次回は2月18日にジモティーの取締役・片山翔さんをお呼びして、ジモティーを活用したリユース促進の事例や循環型社会のあり方などについても意見交換できれば幸いです。


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