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マルチプロダクトに挑戦するHERPのイマ|ファーストプロダクトのHERP Hire事業に発生している機会と面白さ

株式会社HERPHERP Hire事業の事業責任者をしている冨田(@tomi_dada_shin)と申します。
2019年7月入社して早いもので5年半が経過しました。役割を変えつつずっとHERP Hire事業に関わってきましたが、今が一番 HERP Hire という事業に可能性を感じられている自分がいます。

今回の記事では、できるだけ噛み砕いてその中身について言語化し、現在HERPと関わっている方々、これからHERPと関わるかもしれない方々とワクワクを分かち合えたらと思います。


ATS市場で戦う閉塞感 & マルチプロダクトでの苦戦

HERP Hire という商材がサービスカテゴリとして属するのは、HRtech市場の中でもATS(採用管理システム)という商品カテゴリで、2024年時点で200~300億円という市場規模(弊社推定)です。

市場自体は毎年30%前後成長していると言われており、HERP Hire も2019年のローンチ以来堅調に成長し続けているものの、スタートアップが急成長を狙う市場としては小さいというのが正直なところです。

市場規模の小ささは「採用を変え、日本を強く。」というミッションへのインパクトの小ささとも言い換えられ、HERP Hireを超える第二の柱となるプロダクトの確立がとても重要な課題でした。

このような経緯から、SaaSのコンパウンド戦略が叫ばれるよりも前の2019年頃からタレントプールシステム「HERP Nurture」をはじめとして、社内でPOC的に取り組んだ新規事業も含めると10以上の新規事業にトライしてきました。芽が出てお客様への提供価値の拡大につながったプロダクトもいくつかありますが、第二の柱と呼べるものは確立できずにいました。

そんな中での HERP Hire事業は、「爆発力は見込めないものの投資を続けるためにもできる限りの成長と収益性を求められる」という急成長を狙うスタートアップの事業としては閉塞感がある状態が続いていました。

2024年の手応え:セカンドプロダクト「ジョブミル」の立ち上がり

そんな状態を経てこの2024年年末、HERP Hireの事業責任者としてワクワクを感じられているのは、人材紹介会社向けのサービス「ジョブミル」が立ち上がってきたことによるものです。

もう少し抽象化して言い換えると、採用マッチングに関わる複数のプレイヤーへ価値提供をできるようになったことによるものです。

※2022年後半くらいから会社として新規事業に力を入れてきた経緯、ジョブミルの詳細については取締役の徳永の記事を参照ください

通常のSaaS事業だと、新規事業にトライする際は対象を固定して既存事業の周辺領域にサービスを広げるのが王道です。HERPでも2022年まではこのアプローチで試行錯誤を続けてきました。

一方で、2023年以降にHERPが投資している新規事業は、エージェント・求職者という採用マッチングに関わる採用企業(HERP Hireの顧客)以外の主要プレイヤーへの価値提供を志向しているのが特筆すべき点です。

さらにジョブミルがイノベーティブなのは、エージェント向けに求人DB&推薦補助システムのSaaSとしての価値提供を行うだけでなく、HERP Hire のお客様が許諾した求人も求人DBで検索対象とできる機能を持つ点です。採用企業からすると「契約していないエージェントからマッチ可能性がある求職者を推薦してもらえる」という体験が生まれていることにあります。

実際にサービス開始から4ヶ月で30名の内定承諾が生まれており、書類選考の通過率も全体のエージェント経由と遜色なく、品質も一定担保されています。

つまり、採用企業とエージェントそれぞれに業務効率化のSaaSサービスとしての価値を提供しつつ、異なるプレイヤーに価値提供しているという立ち位置を生かしてエージェントのお客様には求職者に合った求人を、採用企業のお客様には求人に合った求職者をマッチングできるようになってきました。

SaaS+マッチング というモデルの可能性

この図式は採用企業・エージェントにとどまりません。直接求職者向けのサービスも展開することで、SaaSサービスの提供を通じてHERPとして複数の採用マッチングに関わるプレイヤーにリーチし、プレイヤー間には求職者情報・求人情報を送り合うことで相互送客という価値提供を行えるようになっていけると考えています。これが、SaaS+マッチング とHERPが呼んでいるモデルです。

人と企業のマッチングへの直接的な貢献は、「採用を変え、日本を強く。」するための本命中の本命です。HERP Hireを提供していて切実に感じるのは、お客様は皆「そもそもマッチする求職者に思うように出会えないこと」に最も困っているということです。そのことは市場規模にも表れており、エージェントへの紹介手数料の市場規模の単位は”兆”であり、さらに右肩上がりのトレンドが今後も予期されます。

あまり専門ではないので詳細な言及はしませんが、堅実なストックビジネスとしてのSaaSと、プラットフォームサイズに応じた手数料ビジネスのマッチングを組み合わせたこのモデルは、SaaS+Fintechと呼ばれるモデルに近い強力な構造的強みを有するのではないかという手応えがあります。

ファーストプロダクトであるHERP Hire事業に発生している機会と面白さ

SaaS+マッチングのモデルが成立する世界で、改めてHERP Hire事業として価値提供できることの広がりを説明してみます。

まずは、採用管理の効率化というATSに求められる価値に加えて、お客様に「有力候補者との出会い(有効応募の増加)」という採用におけるクリティカルな困りを解決する付加価値を提供できるようになります。

また、ATSを提供しているからこその企業情報(例えば、選考リードタイムが相対的に早いといった情報をDB上でわかるようにするなど)を求職者(または、エージェント)に届けることで、求職者の転職体験が向上するようなデータの提供も実現できると考えています。

究極的には、「真摯に求職者ひとりひとりに向き合った採用活動を実践している度合いが高ければ高いほど、よりマッチする求職者と出会いやすくなる」仕組みを作っていきたいです。そのポテンシャルが今のHERP Hire事業にはあると考えています。

※全社として、HR業界に出したいインパクトについてはぜひ代表の庄田の記事をご覧ください

このワクワクを一緒に実現する仲間を募集しています

どうですか?ワクワクは少しでも伝わりましたでしょうか?

note記事ということで、詳細な数値や競合環境、構想している具体的なプロダクトとしての機能への言及は避けた部分があります。カジュアル面談では、より具体的な内容もお話できますので興味がある方はぜひお気軽にご連絡ください。

SaaS+マッチングのモデルは、大きなインパクトを与えられる可能性を感じる一方で、実現の難易度も同じユーザーに複数のSaaSサービスを提供することよりも難しいことが予期されます。

具体的には

  • 複数の文脈(目的)に応えるプロダクトおよび開発体制の確立:HERP Hireというプロダクトが採用企業向けのSaaSだけでなく、他プレイヤー向けのSaaSの基盤・マッチングビジネスの基盤という役割を持ち、本質的に複数の文脈(目的)に応える必要があります

  • より一層なめらからな業務システムとしてのUXの磨き込み:マッチングのインパクトは強力なものの、ATSとしての価値の根源は採用管理の効率化にあり、その体験がなめらかだからこそお客様に選ばれるし、喜んでマッチングに必要なデータ提供もしてくださると考えます

  • SaaS+マッチング モデルに合ったビジネスプロセスの再構築:本質的にビジネスモデルの異なる商材を扱うため、セールス・カスタマーサクセスは新しい分業体制を確立することを迫られます

といった課題にここから1~2年で取り組む必要があると考えています。

HERP Hire事業では2025年も引き続きフルリモート・フルフレックス体制を維持し、エンジニア~営業まで、子育て世代~仕事に思い切り打ち込みたい人まで、純粋にユーザー価値という成果に向き合い続けられる体制を模索し続けており、積極的に採用を行なっています。

以上です!ぜひ、今後のHERP Hireの進化にご期待ください。

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