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「コンガのボンゴ感」と「ボンゴのコンガ感」について

コンガと言う楽器がある。

この大きい太鼓の事である。


ボンゴと言う楽器がある。

この2連太鼓のことである。

さてこのコンガとボンゴ、どっちがどっちなのか、混同される事が多々ある。
この原因は「名前の響きと実際が食い違っている」ことにあると個人的には考えている。
どういうことかと言うと、「コンガ」という名前の響きにはあまり大きいイメージが無い。「コン」という音の響きには何だか軽そうな感じがあり、どことなくひょうきんな感じがする。
対する「ボンゴ」は濁点も多く、「ボン」という音の響きには大きいイメージがある。しかし、実際小さい方の太鼓がボンゴなのである。

若干脱線するが、お笑い芸人コンビ「ジャルジャル」のWikipediaに
『綾部祐二(ピース)は「福徳が後藤顔で後藤が福徳顔」なので名前を覚えるのに苦戦したという。』
という一文がある。私はこれに強く共感した経験がある。コンガとボンゴの関係に大変似たものと言える。

話を戻す。これらは一見ただのネーミングの偶然に思うが、あながち偶然でもないと考えている。その理由を2点説明する。

①コンガとボンゴは本来全く別物の楽器
今日でこそコンガとボンゴはセットの感が強いが、元々コンガはアフリカ由来の楽器。ボンゴはキューバの地物楽器であり、ルーツが違う。
つまり、これらの楽器は赤の他人なのである。よってネーミングに関しても全く無関係ということになる。
関係が無いので、両者間で印象と食い違うネーミングがなされても別段おかしくない訳である。

②コンガは大きさで名前が変わる楽器
こっちの方がより重要である。
実はコンガはその大きさで名前が変わる楽器なのである。これはコンガについての知識が無いと分からない盲点。
具体的には
小・・・キント
中・・・コンガ
大・・・トゥンバドーラ
と呼ぶ。
なぜコンガが基本名称になっているかと言うと、その昔これらの太鼓に出会った西洋人が「これは何」と尋ねたところ、偶然コンガを指差していたため、コンガと答えられ、それが今日まで続いているという話らしい。
ちょうど「カンガルー」のネーミングと同じような構図である(事実かどうかは別として)。
つまるところコンガとはデカい楽器の名前ではないというのがミソ。
実際「トゥンバドーラ」はどことなく大きい印象を感じさせる。「トゥン」に伸びを感じるし、「バ」にはインパクトを、「ドーラ」も何となくドシッとした響きを受ける。
コンガの基本名称がトゥンバドーラ、つまり「トゥンバドーラとボンゴ」だったらまた印象は違っていたと思う。

以上が私の考えたことである。
意外と名前の響きと言うのは大事である。例えば「大魔王プルンペポン」では全く圧を感じない。「大魔王ジーゲルゴルン」だとそれっぽく感じる。
こういった音の響きとイメージには人類共通の認識があると個人的に思っている。こういった点がコンガとボンゴのややこしさを生んでいるのだろう。



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