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のらねこ、有終の美を飾る
実に1年弱という長丁場になった今回のプロジェクト。
“自分でもやったことのない、全く新しい挑戦をする”
何も考えていないところからカードゲーム開発をやると決めて、それを実際に作って売るところまで行いました。
それがいよいよ最終回。
ということで、今回はKPT方式での反省会をやりたいと思います――。
いつもお読みいただきありがとうございます。
初めての方、久しぶりの方もとても嬉しいです。
僕は目標管理Webサービス Project Sylphius の開発・運営をしています、TOMCAT HEART の中島です。
何かやりたい。でも何もできない。
何もできないから、何もできるようにもなれない。
普段からそんなふうに考えてしまいがちな人に足りないもの。
それが “目標管理” です。
なぜなら目標管理とは、やりたいことを見つけ、やりきるところまでのノウハウのことだからです。
だとすると目標管理とはどうやればいいのか?
この のらねこに何ができる? では、それを皆さんとシェアすべく、僕自身が計画して僕自身でやってきた様々なことを、なるだけ面白く書く趣旨となっています。
現在は “のらクリエイターに何が作れる?” シリーズを連載中です。
僕自身も作ったことがない全く新しいモノづくりに、完全に0の状態から挑戦しました。
シリーズの執筆計画:
(これ以前はバックナンバーに掲載)
25. カードゲームのPR作成
26.PR文にイメージイラストを入れる
27.最終入稿に向けてPRを清書
28. 印刷屋さんのデータ制作/入稿ガイドの確認
29. 返礼品の制作1
30. 返礼品の制作2
31. カードのカンプデータを作る
32. 今回のプロジェクトの反省(今回)
○今週の作業
- プロジェクトをいったん締める
実に9か月の長丁場になった今回のシリーズが、ついに最終回です。
連載の上ではまだ商品が発送できてませんが、実際にはもちろんすでにお客様のところへ発送しています。(更新時期は執筆時期より遅いため)
執筆でお知らせしていない作業は、『ゲームカードの印刷会社への発注』『お礼状等の作成』『商品発送』の3つ。
この3つのタスクは実施時期がバラバラで週一での執筆はできないとの判断から、のらねこシリーズとしてはここで区切りをつけることにしました。
てなわけで今回は総まとめとして、反省などやりたいと思います。
1. 今回のプロジェクトのやってよかったところ
・挑戦したこと自体
今回のプロジェクトの目的は、“自分で開発した商品を自分で宣伝して売る” という新しい挑戦をすることでした。
まず最初に「そもそも何やろう?」を考え始めて、ゲームを作ることに決め、実際にゲームを作り、Makuakeで宣伝をして、売り上げをあげる。
その流れをつかむことが目的だったという意味では、今回のプロジェクトは大成功といえるでしょう。
もちろん、期中に定めた目標値である『40人に売り上げる』という数値は全然達成できていないけど、だからって上を見てもしょうがないからね。
巧くいった部分について、巧くいった範囲内で喜ぶくらいはいいでしょ?
やってよかった! ってこと。
・ゲームを面白くする方法が分かった
今回のプロジェクトでは、もちろんカードゲームを作ったわけですが、ゲームが面白いためには何が必要なのか、そのノウハウが蓄積できたことも個人的に収穫でした。
個人的にバトルもののカードゲームは苦手なので、ためしにバトルのないゲームを作ってみたんですけど、ただ平和なだけのゲームじゃつまらないことが分かりました。
また僕自身は頭を使うゲームが好きなので、めっちゃ考えるゲームを作ったんですけど、だからって考えることを強要するようなルールではプレーヤーがついてこれない。
それらのことがよく分かりました。
そうした知識はゲーム作り以外の部分にも生かせそうです。
・広告を作るデザイン力において、集客可能な最低限のレベルに達していることが分かった
広報活動という意味で嬉しかったのは、のらねこの読者でない方にも一部お買い上げいただいたことです。
これは、僕の広告デザイナーとしての能力が、売り上げをあげるために必要な、最低限のクオリティに達していることを示すからです。
クオリティの低い、ただアヤシイだけの広告では、誰も商品は買ってくれません。
広告業界で広告の仕事をしたことがない僕にとっては、ちゃんと集客力のあるものを独力で作れたことが、大きな前進といえるものでした。
・モノづくりを促進する意味で、子供達にいい影響を与えることができた
今回のプロジェクトの刺激を受けたのか、下の子が友達とゲーム作りを始めたようです。
しかもね、それがなかなか面白かったんですよね。
シジミを先に8匹集めた方が勝つっていうシンプルなゲームなんですけど、たまにシジミを盗んでいくカニが出てきたり、ゴミが漂流してきたりして、一筋縄ではいかないって感じ。
友達と2人でワチャワチャしながら作ったみたいです。
子供にそういう影響を与えることができたのも、今回の成功ポイントの1つかな。
・イラストの制作を娘に任せたこと
今回、ジャッジカードのイラストは娘に描いてもらいました。
本人も意識はしてないと思いますが、プロとしての初仕事です。
最初から意識していたことではなかったのですが、子供に『仕事』を経験させることができてよかったと思います。
・ネットを炎上させないために何が必要か、あらためて分かった
今回のプロジェクトでは、広告や記事などを炎上させないための調査をやりました。
その調査の結果、発言には根拠をつけることが大事だと分かりました。
根拠のないいい加減なことを言わないことは以前から気をつけていたんですが、その重要性の粒度が高まった気がします。
・仕事において『正直さ』『誠実さ』といったものが、なぜ大事なのか分かった
今回、のらねこのシリーズを執筆したり、あるいは広告を作ったりするにあたり気をつけていたのは、『嘘をつかないこと』でした。
これには、いい加減なビッグマウスが結果的に嘘になった場合を含みます。
そういうことがないよう、記事・広告を正直に作ることを心がけました。
そうする方が、人に信用してもらいやすかったように思いました。
・リスク管理のやり方が巧くいったように思う
今回のスケジュールづくりでは、以下のようなリスク管理を用いました。
1. ステップをざっくり作る
2. 2層目のスケジュールを組み込む
3. そのスケジュールで理論上ありえるリスクを想像する
4. 対策を練り、スケジュールを改変する
このやり方が、スケジュール管理で大きな役割を果たしたように思います。
リスクをキチンと想定していなければ、今回のプロジェクトはもっとドタバタしたものになったでしょう。
・目標をビジュアルイメージとして考えることの重要性と、その粒度
僕はすでに目標管理のプロですが、それでも目標をビジュアルイメージにできるものにすることの重要性をあらためて痛感しました。
ここではビジュアルイメージとは、『現実にありえる目標』って意味です。
「夢はデカきゃいいんだよ!」みたいな昭和思考では、プロジェクトは最初から頓挫してしまいます。
なぜなら、僕はアニメの主人公ではないからね。
当たり前だけど、夢を叶えたいなら現実に起こりえる範囲で発想しなければ、それは叶うわけがないのです。
2. 悪かったこと
で、やってよかったところがいっぱいあったってことは、反省点もいっぱいあったってことでもあります。
「まだまだだな」と思うことも、たくさんありました。
・マーケティングの際にSWOT分析しかせず、アウトマーケティングをやらなかった
今回ゲーム作りをしようと決めたとき使った発想法は、『自分が本当に欲しいものを考える』という発想法でした。
1. 何があれば自分は満足できるのかを考える
2. 普段から自分に足りないと思ってるものを考える
3. 1. と 2. の共通点を探してかけ合わせ、“本当に欲しいもの”をリストアップ
これは、世の中的にはSWOT分析と呼ばれる方法を、僕なりにアレンジしたやり方です。
自己内省の中から本当の価値を探すという方法。
ですが半面このやり方だと、出てくる発想はどこまでいっても “自分が欲しいもの” です。
もちろん、自分が欲しいと思わないものを人が欲しいと思ってくれないのは当たり前のことですが、とはいえもう少し “世の中的に求められているもの” をマーケティングリサーチしてもよかったかな、と思いました。
・ゲームデザインの際、ドメイン管理が不徹底だった
ここでいうドメインってのは、ネット用語でいう “界隈” のこと。
ビジネスの世界では、新商品を売り出す際には “どの界隈に向けて売り出すのか” が非常に重視されるのですが、今回の商品開発ではそこにイメージの不徹底がありました。
当初は “能力開発ゲーム” として作っていたものが、途中から純粋に楽しいゲームを作ることに目標がすげ変わっていたためです。
幸い、Makuakeのスタッフさんの言葉で我に返って方向修正できましたが、そのアドバイスがなければ危ないところでした。
・ターゲット層の確定を、自分自身の経験のみでやってしまった
今回ゲームを作るにあたって、ターゲット層は20代女性でした。
これは僕自身の機智の範囲だと、“大喜利ゲームを好むのはほぼ女性” という経験論があったためです。
ただ僕の知り合いの女性って、職業柄 “ほぼデザイナー” なんですよね。。。
(内緒でぶっちゃけると、ちょっと変な子が多いデス、、ww)
世の中的には、20代の女性はそもそもゲームをしないことになってますし(それが事実がどうかに関わらず)、そういった意味で僕の女性像は社会の全体像と比較して偏り過ぎだったと言えたかもしれません。
・お金がなかった
まぁ、これは最初から分かっていたことですけどね。。。
お金がなく、広告にほとんど費用をかけられませんでした。
Makuakeで広告提案とかいただいていたのですけど、お金がなかったがためにチャンスをスルーせざるをえませんでした。
・宣伝チャネルの圧倒的な不足
今回のプロジェクトの最大の問題点はこれ。
広告を発信するにあたって、情報発信先がとにかく少ないという問題。
つまり「広告を作っても、見てくれる相手がいねぇ!」ってこと。
これについては執筆時点でも解決の目途もまだ立っていないので、今後の僕自身の課題としていきたいと思います。
3. 続けていくこと
はい。
てなわけで、よかったこと、悪かったことがリストアップできました。
で、これを「あーよかった」(or悪かった)で済ませたら反省にならないので、それらを活かして今後続けていくことを考えます。
・広告のデザイン力を今後も鍛えていくこと
まずこれ。
僕はエンジニアの仕事をしてはいるものの、プライベートでは絵描きなどやっておりまして、芸術系のスキル習得は個人的に至上命題なんですよね。
今までの努力が少しは実ってると分かった以上、これからも勉強し続けていこうと思います。
・ネットを炎上させない取り組みを個人的に進めていくこと
これは現時点でも十分に気をつけてるんだけど、ネットを使って商売をしていく以上は当然のことですよね。
・「正直さ」「誠実さ」を大事にすること
世の中には “見た目と能力にギャップがある” タイプの人ってのがいるもので、僕もその1人です。
割と見た目だけで頭よさそうとか、デキそうとか思われてしまうんだけど、全然そんなことないんです。
だから若いときなんかは「等身大の素の自分を見せるとバカだと思われる」「面白くないヤツと思われないよう、少しはビッグマウスも活用しなきゃ」って思ってました。
まぁなんせ、幼稚園くらいのときから “見た目に反して頭が悪くて驚かれる” ことを人より多く経験しているので、僕にとって自分を大きく見せることは当たり前だったわけですよ。
むしろあまりに当たり前すぎて、自分を大きく見せようとしてる自覚すらなかったというか。
ただ最近気づいたのは、素の自分を見せるとバカにしてくるタイプの人は、(今から考えたらこっちがむしろ当たり前なんだけど)ろくでもないヤツなんですよね。
特に、人を利用して美味しいとこだけ持っていくタイプが非常に多い。
そうでない普通の人は、ビッグマウスを使うとすぐ離れていきます。
結論として、ビッグマウスなんて普通に生きるだけなら普通は使わない方がいいってことです。
今さらではあるんだけど。
情報を開示するときは、誠実に、正直に話す。
それが大事。
で、そういう口調を心がけていると、『誠実な会話が苦手なタイプ』の人が段々離れていくわけです。
今回、自分のプロジェクトを全部1人でやって、特にそのことを強く感じました。
・目標のビジュアルイメージを作る際は、粒度を細かくする
今回のプロジェクトが割と成功だったと言えたのは、なんといっても目標管理を可能な限りしっかりやったからってところはあると思います。
これは特に強く「やっててよかった」と思いました。
もちろん のらねこに何ができる? の連載自体が目標管理をテーマにしたものだから、目標管理のプロを目指してなければ今回のプロジェクトをやることも逆になかったんですどね。
目標が達成できるかどうかは、目標とするビジュアルイメージの細かさだけでほぼ決まります。
つまり、プロジェクトが巧くいくために『何と何をするか』をイメージするってこと。
そしてその『何か』は、現実に実行可能なものであること。
そういう考え方をする重要性を、今回特に確信しました。
・リスク管理のやり方は、今回の方法を今後も踏襲する
それともちろん、リスク管理のやり方も、今回割と巧くいったと思います。
人間は行動を起こせば、その行動に見合うリスクが必ず発生します。
ですから、“自分が何をするつもりなのか” に合わせてリスク管理をする今回のやり方は、個人的にけっこう自画自賛していいんじゃないかなと思っています。
今後も続けていこうと思います。
・アウトマーケティングのやり方を調べる
これは今回できてなかったところ。
自分がこれから進出しようとする業界(今回でいえばカードゲーム業界)の動向なんかを、もっと調べてから取りかかるべきでした。
今後なにをするにしろ、それは大事になってくるんじゃないでしょうか。
とりあえずは、何をすればいいのか考えるところから始めようと思います。
それとも、このマーケティング調査を次の のらねこ のネタにしようかな?
それも悪くない。
・宣伝チャネルを探す(or探す方法を探す)
で、今回一番困ったのがこれ。
広告を作っても、それをばらまく場所がない!!
僕の宣伝を誰も見てくれない!
なので、宣伝をする場所を今後も探し続ける必要はありますね。
4. おわりに
てなわけで、半年続きました “のらクリエイターに何が作れる?” シリーズは、これにて完結です!
読んでくださった皆様、本当に本当にありがとうございました。
それからカードゲームを買ってくださった皆様、本当にありがとうございました。
で、次回ですが、ちょっと息抜きということで、簡単な内容の記事にしようと思います。
実は最近ちょっとオーディオに凝ってまして、中古屋のジャンクコーナーで買った安いスピーカーだけで高級オーディオに匹敵する音を作る、みたいなことをやっています。
そのあたりの話をやってみようかな、と。
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ここまでお読みいただきありがとうございました。
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