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のらねこ、“達成できる”目標が持てない

一度決めた目標をずっと追いかけていられる人って、凄いですよね。
どういう精神構造しているのでしょう。

新年に抱負を作っても普通1ヶ月も覚えてられないし、部やクラブに入っても、初めての情熱はだいたい半年も持ちません。
とりわけ「そんなことはない。私は覚えていられる」と思う人ほど、実際には覚えていられた経験が特にないことも多いです。

反面、同じ夢を10年20年と脇目もふらずに追いかけ続けている人もいるわけで。。。
そういう人達は、同じ情熱をどうやって保ち続けているのでしょうね。

――いつもお読みいただいている皆様、あるいは初めての方、久しぶりの方、どちら様もありがとうございます。
僕は目標管理Webサービス Project Sylphius の開発・運営をしています、TOMCAT HEART の中島です。

熱しやすく冷めやすい。それどころか熱しにくく冷めやすい。
何に対しても情熱というものが長続きしないし、ここまでくるともう、そういう病気なんじゃないかって気すらしてくる。
そういった系統に足りないのは、当然ながら情熱を保ち続ける気合いではありません。

“目標管理スキル” です。
情熱とは、維持し続ける工夫をすることで維持できるものであって、何もしなくても気合いで維持できたりはしないのです。

ならば情熱を保ち続ける技術たる目標管理とは一体なんなのか?
この のらねこに何ができる? はそれを皆様にお伝えすべく、僕自身が計画して僕自身でやってきた様々なことを、なるだけ分かりやすく、面白くお伝えする趣旨になっております。

現在は “のらトレーナーは新しい習慣作りができる?” シリーズをお送りしています。
僕が目標管理のプロとして提唱している目標管理法であるシルフィウスメソッドを、分かりやすく解説します。

全体の執筆計画:
1. 新しい趣味を始めために必要な3つの期
2. やる気の高さを自分で計測する
3. 目標とは何か(今回)
4. 新しい趣味には邪魔者が付き物
5. “好きな気持ち”は自然に高まるわけじゃない
6. マンネリ防止にはスキルツリーを作ろう
7. しばらくすると“飽きる”人の特徴
8. 自分でハードルを上げすぎてやめる人

過去のバックナンバー


1. 目標とは“達成すると嬉しい出来事”である

大人から押しつけられた目標を仕方なく追いかけている人ほど勘違いしがちですが、達成しても何も嬉しいことがないことに努力できる人はいません。
人間は誰だって、達成すると嬉しいことがあるから頑張れるんです。

世の中には、一生懸命頑張ってる人達のことを努力教信者など呼んで蔑む人がいますが、そういう人達はこの視点が欠けています。

人間は、努力することそれ自体が楽しいのではありません
頑張ることそれ自体は誰だって嫌いだし、それが当たり前のことです。
つらいこと自体が楽しかったら、それはただのマゾです。
奴隷根性に支配されたただの危険人物です。

そうじゃありません。

人間は達成したときのことを想像するのが楽しいんです。
達成したときのことを想像するのが楽しいから、その手前でつらい努力を我慢していられるんです。
これは、努力することそのものが楽しい、とははっきりと別物です。

ですからこれから目標を持ちたいと思うなら、“達成したときの楽しい想像” ができないと意味がありません。
意味がないというか、達成しても楽しめないことで無理やり努力しても、そんなの絶対達成できるわけないというか。

たとえば、親に跡を継げと言われて、嫌々仕方なく経営者を目指してる。
そんな人が尊敬される経営者になるなんて、普通は絶対無理ですよね。
仮に良い経営者になれたとしても、それは「最初は嫌だったけど今は好き」という人だけです。

努力を長く続けるには、達成したときのことを想像することを楽しいと思えるのが絶対条件なんです。

  • 身に着けたスキルを友達に自慢できる

  • 身近な人が喜んでくれる

  • 顧客を増やせる

  • 今までできなかった仕事もできるようになる

  • 今頑張っておけば次に有利になる

以前、YouTube でスペイン語を教えている先生の動画を見たとき、とてもユニークな理由で頑張ってる生徒さんの話を聞いたことがあります。
その生徒さんは、「スペイン人にナンパされたとき困らないように」という理由で、スペイン語を習ってるんだそうです。

当然ですが、これは『良い目標の例』として紹介されたものです。

これを下世話でダメな目標と感じた人は、目標という概念を大げさに捉えすぎています。
目標とは、嬉しい想像ができなければ目標として成り立ちません。

逆にいえば、良い想像ができれば目標として成立するんです。
下世話? 品位に欠ける? だからナニ? 何か問題でも?
ってこと。

あなたがこれから頑張ろうとしている何かは、達成したときどのようなことになりますか?
「おそらく何かいいことがあるだろう」ではなくて、何が起こるはずであるかを具体的に想像して、可能なら紙に書きだしてみてください。
また、「別に嬉しくてやってるわけではないけど、今すぐやんなきゃいけない理由がある」といった類の目標だって、その “理由の解消” こそがまさに嬉しいことのはずです。

もしそういう想像が本当に全くできなければ、それはその夢は追いかけるに値しないってことです。

2. 目標は大きすぎても小さすぎてもいけない。ならば両方だ。

たとえば田舎の高校生が “歌で世界一のスーパースターになる” という夢を持ったとして、そんなのできるでしょうか?
多分、親・親族・兄弟・先生・友達もろもろ全員から反対されるんじゃないでしょうか。

まぁ、ただ “スーパースターになる” だけなら、普通は無理でしょうね。

「でもでも! 反対を反骨精神に頑張れるかもしれないじゃない!」と思う人もいるかもしれませんが、じゃあ具体的に何を頑張るの?
練習?
それだけ?
練習して上手になれば、世界一のスーパースターの条件を満たせる?
違うでしょ?

スーパースターってのは、カリスマで人を惹きつける人って意味の言葉であって、そもそも歌が上手い人って意味じゃないでしょ?
だから “スーパースターになる” という目標のために歌の練習をするのは、はっきりと間違った努力なんです。

でもですよ?
ならばこうしよう。
妥協して “クラスで一番の歌い手になる” くらいまでレベルを下げたとしましょう。

。。。楽しいかい???

クラスに同じ夢を持ったライバルがいれば別だけど、そういう人が誰もいなかったとしたら。
おそらく凄い簡単に達成できるよ?
ギターコードで AAAADDA~DDAAEEA~♬ (きらきらぼし)くらい弾けたら目標クリアだし、多分2~3日くらいですぐイケる。
うん。大丈夫、大丈夫。

もちろん2~3日でクリアできる目標が欲しい場合はいいです。
それで十分なケースはあります。

けど、長年持続する大きな目標が持ちたいって人が、腰かけでそんな簡単な目標を追いかけて、しかも他に追いかけるモノが特にないとしたら?
そんな状況、本人にとっても楽しいわけないでしょ?

ちょうどいい目標を上手く探せない人は、こんなジレンマに陥ってる人も多いものです。
大きな目標は押しつぶされるだけ。小さな目標はツマラナイ。

じゃあどうするか。
とても簡単。
両方とも目標にしちゃうのよ。

まず、達成できるか全く不明の “超巨大な” 目標を、理想の最高到達点と定めます。
そのうえで、『たとえそれが叶わなくても、最低でもここまでは叶うだろうと感じる目標点』を、中間目標と定義するんです。

もし仮に、世界一のスーパースターが無理筋だとしたら、どこまでなら叶うでしょうか?

『地域で有名なバンドマン』
もしくは『YouTube/TikTokでフォロワー数の多い人』
あるいは『決して有名じゃないけど地方興行で儲けてる人』

それくらいまでなら、まだ現実的に叶いやすいんじゃないでしょうか?
もちろん世界一って目標と比べればまだ簡単、ってことね?

それらを最高到達点に到着するために、まずクリアすべき中間目標と捉えるんです。

あまりに大きすぎるたった1つの目標を、10年20年と追い続けるなんてつらいでしょ?
だから小さく分解するのよ。

3. 中間目標を“そのためにまず”で掘り起こし

じゃあ、世界一になるための中間目標を『地域イベントで有名なバンドマン』と定めたと仮定しましょう。

僕だったらユーチューバーになった方がずっといいと思うけど、その子は多分、なんかあったんでしょうね。
「オレ、本気でご当地アイドル目指すゼ!」と息巻いたとします。

でもこの目標だって、別に今日明日すぐに叶うわけではないですよね。
達成を急くあまり知らないイベントに乱入したところで悪名が立つだけだし、下手をして警察沙汰にでもなれば夢を追うどころの話じゃなくなります。

なので、中間目標までの手順は、さらに細かくすることが大事です。

“地域のイベントで有名になる”
⇒ そのためにまず “地域のイベントにたくさん出る”
⇒ そのためにまず “とにかくイベントで歌う”
⇒ そのためにまず “歌えるイベントを探す”
⇒ そのためにまず “イベントで恥ずかしくない歌唱力を得る”

手順は細かくすればするほど、なんかできそうな気がしてくるものです。

逆に、細かくしてもできる気が全然しなければ、それは中間目標すらも高すぎるのか、でなければ知識が足りてないことを示します。
その場合は中間目標を「できる気がする」系統のものに変えるか、または中間目標を立てられる程度まで勉強すること自体を目標にします。

言うまでもなく、“理想の最高到達点” を変える必要なんてないんです。
夢は負うか諦めるかどちらか、1か0しかないなんて、世界はそんなに世知辛くありません。

変えるのはあくまで中間目標。
それは、別に夢そのものをあきらめてるのとは違うでしょ?

ちなみに僕の理想の最高到達点は、ダビンチを超える “万能の人” になることです。
無理だと思う?
そうかもね。
それは誰にも分からん。

でも今の僕が追いかけてるのはそっちじゃなく、サービスデザイナーっていう中間目標が別にあって、それを追いかけてるだけです。
そっちは、ちゃんと実現可能性のある現実的な目標です。

そして何より、今の僕には “その目標のために今できることがある” んです。
だって中間目標も手順もちゃんと頭の中にあるからね。

そう感じられる状態を作ることが重要なんです。

4. まとめ

てなわけで、目標の設定の仕方はこんな感じ。

1. 目標の理想の最高到達点を定める
    * そこに達すると何が嬉しいのかを、具体的にイメージする
    (イメージができない = 目標が自分にとって魅力的ではない と捉える)
2. 最高到達点に行けなかった場合でも、最低でも叶えたい目標を決める
    * これを中間目標とする
3. 中間目標に達するための手順を作る
    * 確実に到達できるよう、中間目標や手順は随時調整する

この手順でやれば、誰でも割と確実に目標が探せるんじゃないでしょうか。
やってみてください。

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ここまでお読みいただきありがとうございました。
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