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のら小説家に何が書ける?(1) のらねこ、「面白い」が理解できない

はじめまして。中島と申します。
僕はエンジニアとして30年ほどIT業界におりまして、現在は目標管理の専門家として目標管理アプリ Project Sylphius の開発・運営を行っています。

これから、目標管理スキルを覚えれば、毎日がすごく楽しくなるという内容の記事を連載していきます。
一般に “正しい努力” というヤツは謎ワードとされがちですが、その具体的なやり方を、実際に僕自身が自分で計画して自分で体験して記事にします。
それを見て、実感して、そんでできれば、自分もやってみたいなと、思ってもらえたら幸いです。

僕が言いたいことはただ1つ。
正しい努力とは、やってて楽しいことをやること!

世の中には、「がんばる」「努力」といった言葉が嫌いで、これらの言葉にストレスを感じる人もいます。
でも楽しくないことがつまらないのは当たり前のことであって、それは努力そのものが辛いのとは全く関係がありません!
ここは1つ目標管理のプロとして、正しい・楽しい努力のやり方があることを実際に証明していきたいと思います。

記念すべきファーストシリーズは “高クオリティ小説の王道な書き方”。

もちろん小説なんてそれっぽくでよければ誰にでも書けますが、人に読ませ・面白いと思わせることを目的とする場合、相応の目標設定と手順が必要です。
今回はその手順を追いかけていきましょう。

だいたいザックリな目次としてはこんな感じです。

1. 目標を設定する(今回)
2. 自分の得意分野を分析
3. 世の中の流行を分析
4. 物語のキモである“葛藤”について学ぶ
5. 設定をとりまとめる
6. 執筆時間を確保する
7. 起承転結の展開方法について学ぶ
8. 核心部分の詰めを行う

では、今回はまず目標設定についてみていきます!

目標は「人を楽しませる」こと

世の中には、書くこと自体が目的である習作あるいは自己満足のための小説といったジャンルもありますが、ここでは「人を楽しませる」ことを目標にします。
自己満足小説には目標設定が必要ないためです。
目標を設定するときのポイントは3つ。

  • 気に入ってもらえた瞬間に、その読者が抱く感情を具体的に定義する

  • その感情を抱いたとき、その人がどういう行動をとるかを考える

  • その行動をとらせる目標人数を決める

今回は僕の自作小説ですので、こんな感じ↓でしょうか。

目標: 読者に面白いと思ってもらう
抱く感情: 「ワクワクした」
その際の行動: いいね ボタンを押す
人数: 1人

ポイントになるのは、「抱く感情」と「その際の行動」をわざわざテキストに書いていること。
なぜなら、これらの定義がないと、目標は宙ぶらりんになるからです。

別に小説を書くときに限らず何でもですが、何か新しい趣味を始める際、最初は自分が満足するために始めたのに、そこそこ完成してからせっかくだから人に見てもらいたいと急に方針転換する人もいます。
それだと、出来上がったものは自己満足作品でしかありませんから、人に見てもらっても良さが相手に伝わりません。
そんなことをするくらいだったら、もう最初から「人に見てもらう」ことを目標にした方がいいです。

また、上記のような目標設定をすると、たまに「これ本当に大丈夫なんですか、合ってるんですか」といった質問をもらうことがあります。なぜなら、いいね ボタンが押されたことをもって、読者がワクワクしてくれたものと勝手に見做しているからです。
だって、本人がワクワクしたかどうかと、いいね ボタンを押すかどうかってぶっちゃけ関係ナイっすよね。

でもこれは大丈夫です。
この抱く感情と、その際の行動は、科学的・統計的な知見に基づいた根拠で繋がっている必要はありません。個人的な予想に基づいて「ワクワクしてくれた人は、おそらくこういう行動をとるだろう」という予想でいいんです。
なぜなら、人間ががんばる理由は常に誰かを喜ばすことである反面、他人の本当の心の中は覗くことができないからです。
大丈夫というより、もう「そう見做すしかどうしようもない」という感じですね。

それともう1つのポイントは、目標人数を思いっきりハードルを下げて1人にしていること。

小説に限らず、初めての挑戦のときは常に必ず「目標人数:1人」から始めるのが鉄則です。
鉄則どころじゃないですね。
目標人数を1人することは、新しい挑戦を始めるにあたっての大原則、あるいは前提条件といってもいいでしょう。
なぜなら、たった1人を喜ばすだけで、実際に目標を達成しおうせたという実感が得られるからです。

成功したという実感を得られる状況を意図的に作ることが、今後様々な趣味を楽しんでいくために大事なことです。
今回もその鉄則に従い、1人から いいね をもらうことを目標に小説を書くとしましょう。

「面白い」をイメージする

さて、無事に目標を設定できました。
次は、その目標が達成できた状態をイメージします。
今回の場合は「面白いと思ってもらえた状態」のことです。

イメージします。
イメージ。
イメー。。。。。。
メ~~~~~(羊)

むぅ。

そういえば「面白いと思った状態」ってどんな状態だろう?

たとえば自分が面白いと思うのって、どんなとき?
そんなん「不意に」としか言いようがないよね。

それから自分が面白いと感じているとき、どんな気持ち?
それも「面白い気持ち」としか言えないなぁ。。。

どんな小説を書いたら、その人は「面白い」と思ってくれるの?
「人それぞれ」としか言えんよね。

困ったぞ。
「面白い」ってなんだ?

「面白い」を紐解くヒントを集める

こういうときは、とりあえず過去に見聞きした本・ネット記事・その他もろもろから、ヒントになりそうなものを集めてみることにしましょう。

  1. 人間が愛着を持つ対象は、ポジティブな時間をより長く共有した人・物

  2. 人間は、ストーリー性・意外性・親近感・公共性・利便性・話題性 の6条件を満たす物事に興味を持つ習性がある

  3. 「楽しい」とは、今まで分からなかったことが分かるようになったという感情であることが、心理学的に判明している

こんな感じかな?
(ちな文章だとたった3行だけど、この3つの知見が集まるのに実は数年以上かかっています。出展は、すいません、だいぶ前なのでいずれも覚えていません)

で、この3つの理論を試しに、無理くり1つにしてみようか。

  • 人間は、

  • 長く慣れ親しんだものに

  • 意外で全く新しい観点があり

  • そのことに高い有益性が感じられるとき

  • それを「面白そう」と感じる

まぁ、無理やりだけどこんなもんかな。
仮にこの理論を正しいものとして、きらりん☆ハッピー理論と名づけてみます。
(あ、うん、別にホネホネ理論とかでもいいんだけどさ)

で、こちらの きらりん☆ハッピー理論 によれば、僕は以下の条件を満たす小説を書けばいいことになります。

・読者にとっておなじみのトピックを扱う物語であること
・意外性のあるアイデアが含まれること
・その意外な観点が、何かの役に立つものであること

お?
なんかそれっぽいぞ?

小説のトピックを集める

多くの人にとって馴染みのある何かの中にある「意外で」「役立つ観点」。
この条件を満たすアイデアを効率的に集めるために、もう1つ観点を追加しようと思います。
TED に関する本を読んでいるとき、こんな1文を書いてあるのを思い出しました。

人に面白いと思ってもらいたいなら、自分が長く携わった物事について語れ

お! これは役に立ちそうだ!

きらりん☆ハッピー理論によると、「楽しい」は今まで分からなかったことが分かるようになったという感情のことです。この仮説が正しくあるためには、作者が読者に新しい知見を提供できることが絶対不可欠になります。
第一、作者が不得意とする物事についてたどたどしく語ったところで、聞いてて楽しいわけありません。

長く慣れ親しんだもの。
たとえば、、、、ソフトウェア開発とか?
まぁ、僕はプロのエンジニアだからね。プログラマー歴30年。
どこの会社に行っても 生き字引 ってあだ名つけられちゃう謎。
プログラミングに関しては、勉強したいと思ってる人に、新しい知見をあげられると思う。

プログラマーっていう職業に対する社会的評価はともかく、プログラミングそのものは、ここ最近おなじみになりつつあるよね。
じゃあ、プログラマーの奮闘記とか小説にする???
ノンフィクションに近い形で。
、、、うーん、いや、でもそれ面白いかなぁ。
文体次第では面白おかしく書けるとは思うけど、内容的には読者につまらない現実を突きつけるだけだよね?

じゃあ、現実が嫌なら非現実を書くか。
昔から小説とかマンガとかは異世界ものが好きだったから、異世界ものに関しては「長く携わった」と言えなくもないと思う。

昔は神坂一、ピアズ・アンソニー、栗本薫、ルーシー・モンゴメリ、アルフ・プリョイセン、鎌池和馬、ロバート・アスプリン、中村うさぎ、吉岡平などなどなどなど。
要はジャンルかまわず本当にいろいろ読みましたからね。
まぁ、多少ラノベが多かったかな???

ほかに長く携わったものと言ったら。。。

美術、デザイン、写真、イラスト、ファッション、言語学習、昭和史、ヨーロッパ文化、料理、家庭医学、発達障害、臨床心理、機械工学、天文学、サイクリング

こんな感じかな。
ここでポイントになってくるのは、「詳しいもの」ではなく「長く携わったもの」である点でしょう。

だって、僕は確かにプログラマー歴は長いけど、だからといって世界一詳しいわけじゃないし、世界屈指のスーパーハッカーでもありません。
ただプログラマー歴が無駄に長いだけの普通の人です。
それ以外の項目も同じ。
芸術家でもカメラマンでもなく、翻訳家でも歴史家でも医者でもありません。

でも、だとしても、これらの話題にみんなに面白いネタを提供できる程度には携わってきているのです。
なので今回は、これらを使って小説を書くことにしましょう!

(次回)どんな風に組み合わせるか考える

とはいえ、こいつら全部ごたまぜにしたら、しっちゃかめっちゃかになるのは目に見えています。
現時点では、あらゆるトピックがデタラメなアイデアの塊にすぎません。

もちろん書きたいものを書きたいように書けばいいって言われたらそれまでだけど、書いてて途中で飽きてくるようじゃ目も当てられないよね。
てなわけで次回、書きやすいネタの選び方を調べていきましょう!

話の方向性としては “セルフリサーチのやり方” ってところかな。
楽しみにしていただけると嬉しいです。

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ここまでお読みいただいた皆さん、ありがとうございました!
冒頭でも述べましたが、僕は 目標管理アプリ Project Sylphius の開発・運営を行っております!

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