のら小説家に何が書ける?(2) のらねこ、自分の得意分野が分からない
こんにちは。この記事を見てくれてありがとう!
僕はエンジニアとして30年ほどIT業界に籍を置いています、中島といいます。
現在は目標管理の専門家として目標管理スキルを覚えれば毎日が楽しくなるをモットーに記事を書いており、目標管理アプリ Project Sylphius の開発・運営も行っています。
現在は僕がお送りしているシリーズは “高クオリティ小説の王道な書き方”。
こんな ↓ 感じの流れでお送りします。
目標を設定する
自分の得意分野を分析(今回)
世の中の流行を分析
物語のキモである“葛藤”について学ぶ
設定をとりまとめる
執筆時間を確保する
起承転結の展開方法について学ぶ
核心部分の詰めを行う
前回 は目標の設定とフラッシュアイデアの捻出を行い、僕が小説に使って手に負えるトピックは以下ということになりました。
今回は、この雑多なアイデアの中から、もっとも自分に適した組み合わせの見つけ方をみていきます。
自分の真の得意分野を探すセルフリサーチの旅となります。
(つまりは、自分探しの旅ってのはインドに行くんじゃなくてこうやるんだよ、ってお話)
今回小説を書く目的は、小説を書くこと自体ではなく、書いたあと人に喜んでもらうことです。
ゆえに、何でも好きなアイデアを選べばいいというわけにはいきません。
個人的にどんなに好きなアイデアでも、人が読んで面白い物語として成立しなければ、目標を達成できないからです。
なおかつ、トピックは複数を組み合わせることもできるので、もっとも自分に合った組み合わせを探す必要もあります。
さて僕の場合、それはどの組み合わせでしょうか。
1. 自分の好みを紐解く
小説を書くのに適した組み合わせとは、つまり自分が一番ノリノリで書ける組み合わせということでもあります。
なのでまずは自分自身の好みを紐解きます。
そのためには、当然ながら自分が好きな分野の物語を集めます。
作品作りの前にそういう資料を集めることを、専門的にはリファレンスコレクションといいます。
リファレンスコレクションの中でも、とりわけ自分の好みを紐解く、という目的の場合のコツは、最新作は除外して考えることです。
本当に心の底から好きなものとは、何年たっても何度思い返してもどう考えても面白かったとしか思えないもののことです。
最新作の場合友達と話題にするのが楽しかった等、内容以外の部分が楽しかっただけの可能性もあり、その区別は究極不可能です。
ですので、最新作は除外です。
以下に、私が好きな作品群を示します。
2022年時点でまだ続刊中のものもありますが、以前読んでいたものという位置づけに私の中ではなっているものです。
で、それらの共通点を探していくと、それが自分が本当に好きなものって寸法です。
(もちろん私の中で終わっている作品でも、最新刊を見つけたらそりゃ買いますよ! だって面白いもん)
田舎のホームセンター男の自由な異世界生活(うさぴょん)
お師匠さまは魔物!(ロバート・アスプリン)
よつばと!(あずまきよひこ)
ヘテロゲニア・リングイスティコ(瀬野反人)
赤毛のアン(ルーシー・モンゴメリ)
魔法の国ザンス(ピアズ・アンソニイ)
猫は手がかりを読む(リリアン・J・ブラウン)
人類は衰退しました(田中ロミオ)
名称不明の車マンガ(作者不明)
。。。とはいえだ。
ホントにバラバラだね、こりゃ。
共通点なんかあるか? これ。
ちなみに最後の車マンガってのはね。中身は覚えてるけどタイトルも作者も思い出せないヤツです。
廃工場で見つけた旧車を、小学生3人組が自分達の力だけで10年かけて復活させる、っていう話。
そのアイデアは大好きだったんだけど、肝心のキャラクター性とかストーリー展開とかがいまいち単調で、肝心の部分が思い出せない。
2. 嫌いなものを列挙する
うーん、好きなものだけ考えてもラチがあかなそう。
じゃあ逆に、嫌いなものを列挙してみよう!
たとえば、人気作だけど自分は嫌いという作品群。
これ。
。。。!?
おや?
嫌いな作品を列挙して初めて気づいたけど、ジャンルとしてジャンプ系のバトルものがやけに多いぞ?
あれ、僕もしかして、バトルものって嫌い?
いや、積極的に嫌いというより、“口に合わない” くらいかな?
本を渡されれば楽しめるけど、自分から選ぶことはない、くらいの感じ。
じゃあ、もっと積極的にガッツリ嫌いなものを列挙してみよう。
これらの作品群はホント嫌い!
嫌いだから当然読むこともないし、だから具体的な作品名もない。
特に子供が迫害される系統のストーリーは、本当に嫌で嫌で仕方がない。この世からなくなってほしい。
とりあえず少なくとも、自分は暗い話は嫌いなようです。
これは確かなことみたいだから、だったら “明るい話を書くべき” という点は確定でヨイと思われます。
はい、というわけでジャンルは「コメディ」ということだけ決定っと。
3. 嫌いなものが嫌いな理由を深く読み解く
ま、明るい話を書くのはいいとして。。。
そっから先をどうやって決めようか。
“ただ明るいだけで中身のない話” っても、それはそれで嫌いだったりすんのよねww
じゃあ、ここは1つ僕が嫌いな作品群の1つスポ根ものについて、さらに深く考察してみよう。
このジャンルは積極的に嫌いに入れはしたものの、どちらかといえば申し訳ないけど嫌いに近い感覚かも。
なのでこのジャンルを好きな人達までは否定しない。
スラムダンクが好きな人とだって別に友達になれる。
(でも子供が迫害されるストーリーを奨めてくる人は本当に無理。ごめんね。悪いんだけどマジ無理)
自分だってサイクリングっていうスポーツ系の趣味はあるし、別にスポーツそのものが嫌いなわけではない。
。。。なるほど?
てことは、スポーツが嫌いなんじゃなくて、根性ものが嫌いなのかも。
だってワンピースとかるろうに剣心だってそうじゃん?
全部 根性 で解決する系統のストーリーじゃん。
じゃあさ?
もしスポーツ科学をテーマにした、専門書のような内容のマンガがあったら???
。。。と想像してみる。
えーと、まず主人公は大学1年生。スポーツが得意だけど勉強嫌いで、なんでも根性で乗り切るタイプ。
ヒョロガリメガネの先輩と何らかのスポーツ勝負をする、、、と。
うーん、仮だから柔道ものでいいや。僕が嫌いなスポーツってことね。
柔道で勝負をして、絶対勝てると踏んでたのになぜかボロ負け。
先輩は、主人公が勝てなかった理由をスポーツ科学に基づいて2ページに渡って細かく解説し、さらにその次のページで「読者でも試せる練習方法」と「読者がやっても巧くなれる標準練習期間」を示唆した、という内容だったとしよう。
そういえば、スポ根ものなのにちょっと好きだった作品があった。
“いわかける” というアニメで、ボルダリングをテーマにしたもの。
最初の数話は主人公が素人という設定だったから説明が細かくて面白かったんだけど、彼女が自身の天才性を活かし始めたあたりから嫌いになった。
それから “南鎌倉高校女子自転車部” というアニメも、トップランクに入るほどじゃないけどそれなりには好きだったな。好きだったというより、スポーツものなのに最後までストレスなく楽しめたと言った方が近いかも。
あのアニメは最後までサイクリングのノウハウを語る内容で、根性で乗り切るストーリーじゃなかったからだと思う。
あと、これもアニメで、“BECK”。
これは音楽ものだけど、自分の中ではスポ根に分類されてる。
個人的に、主人公がトラブルを乗り切った理由が「根性で何とかした」は納得できないタチなんだけど、このアニメはそういう展開なのに自分は見るのを止めなかった。
なぜなら「精神的ショックを受けて2年間引きこもった。その間に猛練習した」という設定になっていて、根性を出さざるをえない理由に納得感があったからだと思う。
だとしたら、自分は根性それ自体が嫌いというより、主人公があっという間に巧くなるのが嫌なんじゃない?
多分僕は「主人公は天才だった」という設定に納得ができないタイプなんだろう。
そういえば僕自身も昔からそうだったかも。
普通の人なのに周囲から天才と勝手に勘違いされて苦労するケース、実生活で実際に多かったんだよね。
「物語みたいにあっという間に巧くなってみせろ」って言われてる気がして、だから「天才なんていない」と思いたかったのかもね。
たったそれだけの理由で、スポーツもの全体を毛嫌いしてたわけだ。
人生損したな。。。
さてさて。
僕が根性が嫌いな理由が分かったところで、架空のスポーツ科学マンガに話を戻しましょう。
だとすると、主人公は天才じゃない普通の少年の方がいい。
彼は柔道が好きで、クラスで一番、くらいの実力の持ち主。ただしちょっと図に乗っていて、自分は柔道が得意だと勘違いしている、とする。
プロのプレイを見るうちにできるような気になっていただけの、バカな素人だったことに、ヒョロガリ先輩と勝負をしてボロ負けして初めて気づいた。
ボロ負けしたあと、先輩は飽きれた声で、でもすごく丁寧に、読者にも分かりやすく練習法を示唆してくれた。
その後主人公は、先輩が示唆した練習プログラム通りに練習した。
当初は3分の1の時間でやってやると宣言したものの、科学的な知見に気づいて練習を追加するうちに、いつの間にか先輩が示唆した期間をとうに過ぎてしまっていた。(つまり主人公は天才などではなく、普通の少年だった)
主人公は期限を守れなかったことを先輩に謝るが、むしろ先輩は期限を短く設定しすぎたことに対して怒り、「基礎練習に時間がかかるのは当たり前だ。急ぐな」とたしなめた。
かつ、主人公が日々気づくその知見は、読者が実際にやってみることができる内容だったとしよう。
たとえば「後方受け身の意義は、ダメージを減らすことではなく頸椎損傷を防ぐこと。コツは、勢いを殺すのに背中の丸みを利用すること。かつ、畳を叩くことで回転エネルギーを腕に移動させ、頸椎に全体重が乗るのを防ぐ」とかが実際に書いてあった、とする。
そんなマンガが仮にあったら面白いかな?
。。。うん、多分大丈夫。練習シーンに尺を割きすぎると単調になるかもだけど、そうじゃなければ面白いと感じると思う。
というより、実際にやってみたくなるよね、それ。
4. 自分の得意ジャンルをまとめる
つまり、自分はこういう方向性で物語を作ればいいわけです。
そういう執筆ができる(可能性のある)トピックは以下かな?
この 〇 がついているトピックは、何らかのトラブルに対して具体的かつ意外性のある解決策が示唆できる(という自信が少しはある)ってことです。
なるほど、この中から選べばいいわけだ。
ここまでの手順をまとめると、こんな感じかな。
自分が長く携わっているトピックを列挙
自分が好きなジャンルと嫌いなジャンルを列挙
好きなジャンルと嫌いなジャンルの差から、本当に好きなものを探す
本当に好きなものと関連のあるトピックだけを絞り込む
5. 人を楽しませられるトピックを探す
とはいえ、、、、
〇 の付いたヤツ全部混ぜればいいかってぇと、そうじゃないよね。
トラブルに対する具体的な解決策を示唆したとして、それが読者にとって興味深いものじゃないと「面白い」と思ってもらうことはできません。
だとすると、それを調べなきゃね。
てなわけで次回は、読者にウケやすいネタの選び方。
いわゆるマーケティングリサーチというヤツでございます。
皆さん、やり方にご興味おありじゃないですか?
楽しみにしていただけると嬉しいです。
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