ソロプレイですら何度もプレイしたくなる面白さ! 『スピリット・アイランド』ソロプレイレビュー
◆概要
プレイヤーは精霊となって「ダハン」と呼ばれる原住民の力を借りて、侵略者から島を防衛する協力ゲーム。
"精霊の島"という名前のごとく、テーマ的には、侵略してきた人間たちに災難を起こさせて、「この島は文明を築いていけない禁足地だ…」と思わせることだ。
詳細ルールは他レビューを見てもらうとして、成長やカードプレイを行う精霊フェイズ、速効性カード効果の発動、侵略者フェイズ、遅効性カード効果の発動という順を、勝利/敗北条件まで繰り返す。
町や都市を破壊したり、カード効果を使用して「不安」を増幅させて、盤面から侵略者達を一掃すると勝利。
そして、敗北条件は以下の3つのうち1つを満たすことだ。
・荒廃マーカーが全部置かれる
・存在マーカーが盤面から全部なくなる
・侵略者の「遠征」時にカードが引けなくなる
◆ソロプレイ感
ということで、ルール確認も兼ねてソロでプレイしてみた。説明書にも初プレイとしてオススメされているが、使用したのは初心者向けの「稲妻の迅き一撃」という精霊。破壊に特化し、速効攻撃が多く、立ち回りもシンプルで扱いやすいキャラのようだ。また、能力進行という精霊に合った規定のカードデッキも使用した。
難易度は、荒廃マーカーが5個置かれた時点で敗北になるルールを採用した。(荒廃マーカーが通常プレイより少ないものの、荒廃マーカーがあるところに存在マーカーがあっても取り除かれないルールのため、少し難易度がさがる)
初回プレイと2回目は立ち回りがまだわからず、あっさりと敗北。このままでも難しいと思い、さらに難易度を下げた。荒廃カードは使用することにしたが、準備時点で「遠征」が発生しないルールで再チャレンジを敢行。(通常プレイは準備時点でも「遠征」のみ発生する)
ゲームにようやく慣れてきたこともあり、丁寧に町を破壊していき、順調に「不安」を貯めていき、また先読みの力も身につき、「建築」すらさせず、一度も2ダメージが通って荒廃マーカーが置かれることもなく、レベル2の「不安」カードの「遠征隊を取り除く」効果が上手い具合に出現し、パーフェクトゲームで勝てた。
あまりにも面白くて、今度は防御に特化したキャラ「生命に満ちた大地の力」の精霊でプレイした。土地の防御力をあげて、対象の土地にて侵略者フェイズのアクションが無効になるカードを使用するも、与ダメージが上手く機能せず、町の破壊がままならない。それゆえに「不安」が溜まりにくい。結局、侵略者フェイズの「遠征」カードが枯れてゲームオーバーとなった。たぶん、これは2人以上になったときに、キャラの組み合わせによって頼りになるキャラだと思う。
◆感想
いかにして「荒廃」を避けるか、そして、その基となる「侵略者」を排除していくかがもっとも重要なゲームだ。
侵略者が土地にいる状態で、「略奪」アクション時に2ダメージ以上被ると、荒廃マーカーを置かなければならない。すでに荒廃マーカーがある土地にさらに荒廃マーカー置かれると、隣接した土地にも荒廃マーカーを置かなかればないので、あっさり敗北してしまう。
「侵略者」が次に「略奪」「建設」をする場所はわかっているので、それに対する事前計画を練ることになる。速効性と遅効性があるカード効果や、キャラ固有の派手な能力で上手く対策出来て、戦略がばっちり決まった時には、「計画通り!」と、ほくそ笑みたくなるものだ。これが非常に楽しい。
◆ルールと処理は複雑
ただ、ゲームのルールとしては煩雑だ。細かい処理やカードのテキストは曖昧な表現も見受けられ、「こういうときどうなるんだっけ?」と確認項目や疑問が都度発生する。「最初は間違うものだ」と説明書にも書いてあるとおり、あまりギスギスせずプレイしよう、というスタンスなのだろう。
そんな説明書だが、これも結構わかりづらい。説明書を熟読しても「?」が浮かびまくった。まるでゲームブックのようにページを行ったり来たりさせるので、頭に入ってこないのだ。もう少しわかりやすく、プレイ時に出来ることを図と例で示してほしかった。
現在は日本語版が発売されたこともあって、インスト動画をアップロードしているユーザーもいるので、その動画を見てようやく理解することができた。
◆総評
少し難しくなった裏面、使用カード枚数の増減、レギュレーション変更やシナリオによる難易度の調整、そしてキャラや使用能力もたくさんあり、プレイするたびに異なる展開になる。ソロプレイとは言っても、協力ゲームなので、やろうと思えば一人4キャラ進行も出来る(処理がどんどん煩雑になるが)。重めのゲームのわりには、準備がさほど大変ではないのも良いポイントだ。
4人協力プレイで、ああだこうだと相談しながら長時間に渡ってプレイをしても、かなり充実した時間を過ごせると思う。それくらい面白いゲームだ。機会があれば、複数人プレイの所感もまた書きたい。
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