【ハーモニカ仁義】ハーレーのウィンカーを改造したマイク【仲村哲也】
ブルーズハーモニカに目覚めた頃、シカゴのプレーヤー達が使っている手榴弾の様なマイクが欲しかったのですが、当時(1980年代初頭)の国内楽器屋さんではなかなか見つかりませんでした。
ソレらはブレット(弾丸)マイクと呼ばれ、主にスピーチなど(中音域)を増幅される為に設計された機種ですが、ハーモニカに合い、更に歪ませる効果もあり、1950年代頃からのエレクトリックブールズシーンではリトル・ウォルターさんらを初め、多くのハーモニカプレイヤーが使用していました。
ソレは当時画期的なアイディアで、なくてはならない程の音色となりました。私はその音色を得る為に当時は黒電話の受話器を改造したりしていましたが、どうしてもあの弾丸シェイプのマイクが欲しくて探しまくっていた頃、あの映画『イージーライダー』のP・フォンダさんが乗っていたバイクのウィンカーらしきモノがソレだッ!と思い、ソレを改造しようと思っていましたが、その後すぐに日本でもグリーンブレットなどが輸入される様になり、ソレらを購入して演奏していました。
映画「イージーライダー」のピーターフォンダさんのハーレー
ウィンカーのような弾丸型のランプ
その後は試行錯誤の上、アスタティックJT-30などへ移行してアンプリファイドサウンドを追求して参りました。
アスタティックJT-30と大きさ比較
ところが35年あまりの時を経て、数年前にたまたまハーレーのパーツをウェブで見ていたら、コレだッ!と思う弾丸型のウィンカーを見つけましたッ!
ウェブで見つけたハーレーウィンカー
友人の改造マイク屋に即連絡を取り、カスタムしてもらいました。
勿論エレメント(音の入り口)はヴィンテージものを搭載ッ。
長年の夢が遂に叶いました。
「ハーレーウィンカーハーモニカブレットマイク」です。
カスタムメイド、ハーレーウィンカーハーモニカマイク
でもその後、全く同じモノが市場に出回っている様ですネ~ッ(汗)
みんな考えてる事は同じデッスネッ。
仲村哲也 (TEX NAKAMURA)
-Profile-
1980年代始めまで、自己のバンドでエレクトリック・ベースを担当していたが、1950年代のサウンドに取り憑かれ、アップライト・ベースに転向。
1983年に、FENから流れてきたJ ガイルズ・バンドの「ワーマージャマー」に衝撃を受けハモニカを手にする。
妹尾隆一郎氏に師事し基礎のテクニックを収得。その後は、「F.I.H.ハモニカコンテスト」入賞、アポロシアターのアマチュアナイト・チャンピオンシップに出演(日本人初)するなど、数年の間にトップクラスのハーピストとして活躍する。
以後国内でスタジオミュージシャンとして数多くの録音に参加。1992年渡米。
西海岸人気ファンクバンド「WAR」にリーオスカーの後釜として抜擢され、年間平均100本ワールドツアーに13年間参加。Tex NakamuraやWeeping Willow(咽び泣く柳)の名で、現在も米国ロサンゼルスを拠点に幅広い音楽性と美しい音色で活動中。
●オフィシャルWebサイト
http://blueslim.m78.com/nakamura_tetsuya.html