【読書記録】「服従の心理」を読んで公平に判断するにはどうすれば良いか考えた
今回は「ミルグラム実験」を参考にしながら、どうすれば公平に判断できるかについて考えていきたいと思います。
1. 状況設定
自分に初めて部下ができた時、どのように接するのが良いかわからないものです。人望を獲得するにはいろいろな方法があると思いますが、本日は公平に判断する方法についてお話ししたいと思います。もしかしたら貴方の考え方のせいで、人望をなくしてしまっているかもしれません。
2. アイデア
本日紹介するのはミルグラム実験です。実験は大まかに説明すると、「体罰と学習効果の測定」と称して80名を被験者にして,隣りの部屋にいる生徒役の回答が間違うたびにより強い電気ショックを与えてくださいと言います。生徒役に電気は流れていないので苦しんでいるふりをしているだけです。興味深いことにうめき声がやがて絶叫となっても、被験者はもう一人の実験者が「大丈夫です」と言うのにこたえて強くし続けました。最終的に65%の参加者が命の危険がある450Vのショックを与える結果になりました。
ミルグラムはこの実験をさまざまな状況で行いましたが,61~66%の範囲の人たちが致死の電気ショックを与えたということがわかっています。ミルグラムは続けて別の被験者にこの実験の概要を説明した上で、あなたならいつ止めるか?について予測させました。すると、実際と大きな乖離が見られたのです。さらにはこれで実験をやめないなんて異常者のする事だ!とのコメントが多数あったと言います。
この事が指し示しているのは状況が行動に及ぼす影響が過小評価され、行動の原因を人の内面に求めてしまうと言う事です。部下がミスをした時、本当は違うのに部下の性格がそうだからだと思ってしまいがち、だと言うことです。
3. 適用
チェックが漏れていたら雑な性格と考えてしまいがちですが、実は他の上司からも仕事を振られていて実は時間がかなり少なかったから、、と言うのはよくあることだと思います。物事を公平に判断し、人望を獲得するためには、部下の行動が生じたのはどのような状況があったのか?をまず先に疑うべきだと言う事が示唆されています。
* 補足
自分が部下の場合、状況の及ぼす影響をの過小評価を上司に訴えるのはお勧めできません。言い訳するなという言葉で封殺されるのがオチです。利用するのであれば、初めて誰かと仕事をする場合、外からの評価が高い人でもそういったバイアスがあるという事を認識して期待値低めで取り組むのが良いかと思います。また、良い状況の所、自分の勝てる所を選んで行動(転職とか)できれば、内面まで良い人認定されやすいということなのでこの点も是非利用すべきかと思います。
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