沢渡あまねさんの「うちの職場がムリすぎる」を読んだら、あるあるが多すぎて次の日から実践した話
読書感想文シリーズ-4は、沢渡あまねさんの最新作「うちの職場がムリすぎる」をお届けします。
※加筆修正にあたり(2024/7/10)
今回、2023年5月のゴールデンウィークに書いた記事を再編集しました。
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この記事を再編集しようと思ったきっかけは、世界各地で繰り広げられている選挙です。
アメリカ大統領選挙、東京都知事選挙、フランス国民議会選挙、イギリス下院議員総選挙…
まさに世界中の主要な国や都市が、既存政党を支持するのか、変革を求める新しい勢力を選択するのかの大きな分岐点を迎えています。
イギリス下院議員選挙では、既存勢力の保守党が破れ、労働党による政権交代が起こりました
一方、東京都知事選挙では、現職の都知事に対して55人【正確には数名】の変革を訴える勢力が立候補しましたが、結果は現職の小池知事が圧勝と言う結果に終わっています。
こういった選挙のニュースを見るたびに、私はいつもこう思います。
今までの考え方や習慣を変える、既存勢力に打ち勝つことは、本当に大変なことだ
伝統的な組織や企業文化、そしてそこで働く従業員の人の意識や行動を変える「組織変革」も全く同じことが言えます。
変革を推進するものがをその必要性を訴え、行動を起こしたからといって、古い体質の組織は半年や1年で変わる事はほぼないと言って良いでしょう。
特に、大企業やJTCと呼ばれる伝統的な習慣を重んじる企業は。
例えトップダウンで強引に組織文化を変えたとしても、その反動で多くの社員が退職したり、業績が低下してしまうことも起こります。
企業文化を変える・組織変革をする。言葉にすると簡単かもしれませんが、このテーマこそ、慎重にかつ時間をかけてやるべき課題だと思うのです。
沢渡あまねさんの「うちの職場がムリすぎる」は、組織変革と言う大きなテーマに対して、まずは「身近に起きている無駄な習慣」や「思考停止に陥っていること」から少しずつ改善していこうよ、と言うメッセージが込められています。
私自身、組織変革に触れ、実践し始めて2年ほど経ちますが、まだ自分の組織が変わったとは言い切れません。
そういった反省の念と、今後もこの活動を継続すると言う決意表明も合わせて、今回このnoteを再編集させてもらいました。
1. 思考停止に陥った組織
最初に「思考停止に陥った組織」と「思考をアップデートして成長する組織」に二極化してしていると書かれています。
思考停止した組織って具体的にどんな組織なんでしょう?
これ、大企業や地方の中堅中小企業に多く見られる事例ですが、
何故こんな思考停止に陥ってしまったのか?
本書では、以下のように分析しています。
2.みんなが違和感を感じ始めた
COVID-19以降、世界や日本の先進的な企業を中心に新しい仕事の仕方や生活様式、コミニケーションの方法が広まった事で、大企業や地方の中堅中小企業でも新しい働き方や仕事の価値観を体験する事が出来ました。
そこで、今までのやり方の不自由さや理不尽さが浮き彫りになり、働く人達が「ウチの組織なんかおかしくない?」と気付きはじめたのです。
本書は、そういった日本企業や組織が抱える問題(モヤモヤ)を見事に整理・言語化し、具体的な解決方法まで提示してくれました。
さらに、前に進みたくても進む勇気が足りない人に対して背中を押してくれる前向きな言葉を投げかけてくれています。
著者の沢渡あまねさん自身がサラリーマン時代に経験したことや、独立後に組織変革のアドバイザーとして様々な企業の様子を見聞きした経験がエッセンスとして盛り込まれており、とても読みやすく、説得力があるのです。
今まで組織を変えたくても変えれなかった悔しい過去を持つ人や、部門内で役職や権限がない人でも、この本を読んで、できそうなところをすぐに(明日から、しかも具体的に)、実践出来ますよ!小さく始めていきましょう!というメッセージが込められているのです。
3.どんな人に読んで欲しいか
この本は、こんな人におすすめです。
①組織のリーダー、マネージャー
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1人でも部下を持つ方は、読んで実装して欲しいです。何故なら、会社全体を変える前に、まず自分の周りの組織(半径5メートル以内)から変えていけるからです。
・メンバーに対してリーダー自らの考えを発信する
・仕事のマネジメントを全てオープンにする
・形式的な報告や会議より対話の時間を増やす
②バックオフィス部門
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一番読んで欲しいのは総務、経理、人事、経営企画などのバックオフィス部門の人です。
何故ならこの部門は、会社のルールを決めたり、新しい事を始めたりする事がミッションになっているからです。
要は変革を推進しやすい立場にいる。
お客様や売上目標などと対峙している営業部門や、納期や品質保証に追われている生産部門よりも、全社の方針やビジョンとの擦り合わせ、経営層に対する働きかけがしやすいのは間違いなくバックオフィス部門なのです。
③情シス部門
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そして、情シス部門。
多くは語りませんが、情シス部門は「ITツールや技術を駆使して部門の働き方を変える術を知って、それを実現できる人」なのです。
アプローチさえ間違えなければ、思考停止に陥ってしまいそうな組織をデジタルと言う武器を使って変える事が出来るはずつです。
④組織変革に失敗した苦い経験がある人
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この本の中で沢渡あまねさんは、既存の枠組みやルールを変えようと推進する人を「勇者」と呼びます。
しかし勇者は、批判の的となり孤立してしまいます。過去にそんなネガティブな経験をしてしまい、変革やリーダーシップを取る事を諦めてしまった人を何人か見たことがあるはずです。
そんな過去を持つ人もこの本の内容は、きっと心に響くのではないか、と思います。
4.なんとかしたい事3つ
JTCでありがちな「なんとかしたい事」をいくつかピックアップしてみました。
あっ!これ、ウチの会社の事だ!
こう感じたら、明日にでも実践しましょう!
古い組織文化をなんとかしたい
・蔓延する同調圧力に対しては、ひとりにならない事。仲間と一緒に発信し続ける、外部に越境して知見を広める活動を地道にやりましょう失われた思考能力をなんとかしたい
・とにかくやれしか言わない管理職や前例踏襲しかしないメンバーなど思考停止状態に対しては、身近なテーマ(例えば会議や業務改善)を通して、少しずつ思考停止の状態を改善しましょう形だけのコミュニケーションをなんとかしたい
・対面や口頭にこだわるやり方に対しては、ビジネスチャットやタスク管理ツールなどデジタルの仕組みをセットで改善していきましょう
5.まとめ【3つのパワーワード】
自分が印象に残った言葉をパワーワードとして紹介します。
思考停止しているマジョリティに思考するマイノリティがスポイルされる
→自分の周りから思考する人が「もう無理…」と言って去っていませんか?自分自身はどちらなのか考えてみましょう期待役割を明確にしよう
→組織内のコミュニケーションが上手くいかない時に「期待役割」を対話によって明確にする事が大切。
平たく言うと「あなたにして欲しい事、とって欲しい行動」をチーム内で常に擦り合わせる事で情報伝達や情報共有の迷子を無くす事が出来る。越境思考(景色を変えてみよう)
毎日の仕事に追われていると、慣習やしがらみから抜け出したくても抜け出せない。
だから一度思い切って「違う場所で違う立場や業種の人といつもと違う話をする体験」が必要。
この越境で新たな気付きや考え方の転換(パラダイムシフト)が出来るはず。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
特に情シス部門のマネージャーの方とは、こう言ったシステムやテクノロジー以外の課題を共有し、一緒に解決出来たら嬉しく思います。
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