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民主主義を破壊する反共カルトと戦犯①-14🇯🇵日本会議👿[時系列で見る反共組織網作り②]

民主主義を破壊する反共カルトと戦犯①-14🇯🇵日本会議👿[時系列で見る反共組織網作り②]


現在行われている「兵庫県の知事選挙」では、無責任強欲モンスターが急増し、
ネットで「パワハラはなかった」などの言説が急速に溢れ返り、
他党の党首が「前知事のパワハラはなかった」などのデマをリアルで流し、
統一協会🏺などのカルトも参戦して「カラスは白い」と喚き散らして
カラスを白くしようとすり替える運動」が行われています。
国民の知らない間に何が起きて、なぜ民意が反映されなくなったのか?
世の中がおかしくなったのか?青木理氏の「日本会議の正体⛩」の本📕を
通してその「元凶👿」を見ていきます。

「偽りを述べる者が愛国者とたたえられ、真実を語る者が
売国奴と罵られた世の中🇯🇵を私は経験してきた」


完成された「日本会議の中央からと地方からの必勝パターン」を使って、
「国旗国歌法の制定」「靖国参拝」「教育基本法の改悪」
「安倍政権での各種法案の強行採決」
など成し遂げていく様子を
時系列でざっくりと見ていきます。


時系列で見る反共組織網作り②


●時系列で見る反共組織網作り09-1「依存のため"伝統的家族観"に拘泥」

●「伝統的家族観」に拘泥
▼選択的夫婦別姓制度への反対運動————1996年〜

周知のとおり、現行民法のもとでは結婚に際し、夫または妻のいずれか一方の姓
を選ばなければならない
男女どちらの姓を選んでも構わないわけだが、
日本社会の男女の力関係を反映しているのだろう、実際は98%近くが夫の姓を
選んで婚姻関係を結んでいるという


世界的にみればいまやこれは稀有な制度であり、男女平等の観点などから改める
必要がある
という声はずいぶん前からあった。そして法務大臣の諮問機関である
法制審議会(法制審)の民法部会が議論を積み重ね、1996年2月、希望する夫妻
には結婚前の姓を称することを認める
選択的夫婦別姓制度」の導入を
答申した
のである。

一般にはあまり知られていない法制審という組織だが、その提言は基本的に
法制化されるのが慣例となってきた
。だから本来はすみやかに民法改正の手続きへと進むのが常道なのに、「伝統的家族観」に拘泥する右派はこれに激しく
反発する。
法制審の答申を先取りして1995年12月、日本を守る国民会議などは上智大教授
渡部昇一らを代表とする「家族の絆を守り夫婦別姓に反対する国民委員会
を設立し、例によって署名集めや地方議会での反対決議要求
国会議員への陳情活動、波状的な「国民集会」なども開催していった

青木理氏「日本会議の正体」より

そのせいばかりでもないのだろうが、選択的夫婦別姓制度は、いまに至るまで
導入されていない。別にすべての者に別姓を強いるわけではなく希望する者が
別姓を選び取れるにすぎぬ制度になぜこれほど目を吊り上げるのか?

私などにはまったく理解不能なのだが、これは「伝統的な家族観」の破壊に
つながるものだとして右派の琴線をいたく刺激する
らしい。

法制審民法部会の答申後には、『祖国と青年』もこれに猛反発する特集を組み、
現在は埼玉大名誉教授の長谷川三千子が同誌のインタビューに応じてこう主張している。ちなみに長谷川は現在、日本会議の代表委員の一人に就いている。

青木理氏「日本会議の正体」より
<家制度というものがかっきりとあればあるほど、
いろんなところで各人の不満というものは当然出てきますよね。
ただ問題は、不満があったら即「ああ、不満ですか、解消しましょう」と、
そういう仕方で向かうのがいいのか、
不満は不満でもそれはある程度仕方のない不満だという格好で、
各人が我慢しなくちゃならないのか、ということです。
あんまりひどい不満だったらこれはなんとかいたしましょう、
でもたいしたことない不満だったら我慢して下さい、
というバランスのとれた議論というものが、
殊に家族の問題に関しては非常に少なくなってしまっていますね>

<今のフェミニストたちの主張の通りに、この不満も解消する、
あの不満も解消するといって次々解消していくと、どういうことになるかというと、
益々女性の我慢の能力というものが低下していって、
今の女性が軽々こなしているような生活も、
これから二、三十年先の女性になると、もう耐え難くなるかもしれませんね。
そうするともうきりがないといことになる>(1996年3月号より)

要するに「わがままばかり言わずに我慢しろ」ということか?



●時系列で見る反共組織網作り09-2「教祖の"伝統的家族観"の珍説🧠」

これも私にはまったく理解不能🧠な珍論🧠にしか思えないのだが、
椛島は同じ号で、これに輪をかけたような珍説🧠を披歴している。
記録のために一部を略しつつ紹介しておく。

青木理氏「日本会議の正体」より
<旧ソ連が何故家族制度の廃止に取り組んだのか(略)、
それはソ連政府が家族を革命遂行の最大の敵の一つと見なしたからである(略)。
この旧ソ連の悲劇を踏まえて、旧社会党を中心とする夫婦別姓制の導入を目指している
勢力の主張を見ると、看過することのできない三つのポイントが浮かび上がってくる。

第一点は、旧ソ連の悲劇を再現する道であるということ(略)。
第二点は、実質的に不倫の勧めとなるということ(略)。
第三点は、家族関係破壊を目指す戦略の第一歩であるということである。

日本の夫婦別姓論者は、「別姓制度の導入は別姓の強制ではなく同姓か
別姓かの選択の幅を広げるためであるから問題はない。」と、
あたかも別姓制導入に他意はなく実害がないことを強調して世論の支持を獲得しようとし、
また国会での論議もそうした夫婦別姓論者のソフトムードに流されているように思われる。
しかし果たして本当にそう簡単にこの問題をとらえていいのか。(略)
夫婦別姓論者の本音は、夫婦の性に関する選択の幅を広げようといったレベルにあるのではなく、
家族のきずなを断ち切る周到な戦略の第一歩として見なしているのである。

旧社会党を中心とする夫婦別姓制導入勢力は、日本の家族関係の大変革を実行に移そうとしている。
しかしその主張の陥穽を見抜き、旧ソ連の悲劇を日本に再現させないことこそ、
歴史の教訓に学ぶ保守政治家の使命と言うべきではなかろうか>(前同)


●時系列で見る反共組織網作り10「日本会議の設立」

▼日本会議の設立————1997年〜

これまで右派組織の双璧として存在していた「日本を守る国民会議⛩」と
日本を守る会⛩」が大同団結する形でこの年の5月、日本会議が発足した。
詳細は第1章で記したので繰り返さないが、同年11月に東京・九段南の九段会館
で開かれた日本会議⛩設立後はじめてとなる「中央大会」での決議は、
発足当時の日本会議⛩が何を最大目標にしていたかを知れて興味深いので
紹介しておく。

青木理氏「日本会議の正体」より
①憲法調査委員会の早期設置と憲法臨調の設置

②世界各国と同等の「防衛省」の設置

③北朝鮮による日本人拉致疑惑の解明と救済

④反日的・自虐的教科書の是正推進

⑤夫婦別姓制度の導入反対

⑥国籍条項の堅持再確認

また、『祖国と青年』誌(1997年12月号)によると、「各界代表」として
次のような面々が壇上に立ち、それぞれが「提言」を訴えている。
丸カッコ内はいずれも当時の肩書きである。

青木理氏「日本会議の正体」より
・主権回復の原点は憲法改正————平沼越夫(日本会議国会議員懇談会幹事長)
・夫婦別姓に反対し、家族の絆を守るために————高市早苗(衆院議員)
・近隣諸国条項、河野談話の撤廃を————中川昭一(日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会代表)
・憲法は国家哲学の表明————長谷川三千子(埼玉大教授)
・中・韓両国の検定下にあるわが国の教科書————藤岡信勝(東大教授)
・国防省設置のできない内閣は総辞職せよ————西村真悟(衆院議員) 
・拉致された国民を救えない国家とは何か————西岡力(『現代コリア』編集長)


●時系列で見る反共組織網作り11「国旗国歌法の制定」

●国旗国歌法の可決で万歳三唱
▼国旗国歌法の制定運動————1999年

1999年2月、広島・世羅高校の校長が自殺した💀ことなどをきっかけとし、
当時の小渕恵三政権下で国旗国歌法の制定論議が急進展した
卒業式での国旗掲揚🇯🇵と国歌斉唱を文科省が求めたのに対し、これに反発する
教職員組合などとの板挟みになったのが自殺の原因とされ、小渕政権の官房長官
だった野中広務が主導した形で国旗国歌法⛩の必要性が唱えられたのだが、
日本会議なども法制定を熱心に訴えかける運動を展開した

同年6月4日には日本会議⛩の副会長・小田村四郎、石井公一郎、常任理事の
大原康男、事務総長の椛島
、日本会議国会議員懇談会⛩の平沼赳夫、衛藤晟一、
安倍晋三、高市早苗ら
が首相官邸で小渕と会い、国旗国歌法⛩の早期法制化を
求める次のような「要望書」を手渡している。

青木理氏「日本会議の正体」より
<国旗「日の丸」、国歌「君が代」は、国民の圧倒的な支持を得て定着し、
国際社会においても広く認知されて、すでに慣習法として確立しています。
にもかかわらず、教育現場においては、一部反対勢力の妨害により、
その扱いをめぐり未だ大きな混乱が生じており、日本の将来に大きな禍根を残すことは必至です>
<政府におかれては、次代を担う青少年が国旗・国歌への敬愛の精神を養うために、
国旗・国歌の法制化を早期に実現されるよう要望いたします>

また、国旗国歌法が参院本会議で可決、成立した際も衆院第二議員会館では
日本会議が主催する緊急集会が開かれていて、『祖国と青年』(1999年9月号)
はこの時の様子を興奮気味にこう伝えている。

<参議院本会議で国旗国歌法が可決された瞬間、モニターの画面を見つめていた約200名から
大きな拍手がわきあがった。立ち上がって万歳三唱、喜びが漲る・・・・・・>


●時系列で見る反共組織網作り12「ワザと挑発して”首相の靖国参拝”」

●靖国をめぐる動き
▼首相の靖国参拝⛩支持と「国立追悼施設」計画への反対運動
————2001〜2002年

発端は2001年8月13日、当時の首相・小泉純一郎が靖国神社を参拝したこと
だった。日本会議⛩などはかねてから「小泉首相の靖国神社参拝を支持する国民の会」を結成、首相の参拝実現と支援に向けた「国民運動」を展開して
いたが、この靖国参拝が中国🇨🇳や韓国🇰🇷から激しい批判を受けたことなど
を踏まえ、小泉は「内外の人々がわだかまりなく追悼の誠をささげるには
どのようにすればよいか、議論をする必要がある
」との談話を発表。

青木理氏「日本会議の正体」より

●時系列で見る反共組織網作り13「ワザと挑発して”靖国神社へ20万人参拝”」

▼靖国神社への20万人参拝運動————2005年

戦後60年にあたるこの年、日本会議や日本会議国会議員懇談会⛩などは
記者会見を開き、記念日の8月15日に首相が靖国神社⛩を参拝するよう求める
とともに、同年の8月15日終戦に合わせて「靖国神社20万参拝運動⛩」を提唱、
動員活動を繰り広げた

当日には、靖国神社⛩の境内に特設されたテントで日本会議⛩などが
終戦60年国民の集い」と題した集会を開催した。
平沼赳夫や山谷えり子、石原慎太郎ら政治家も参加し、動員の効果もあった
のだろう、この日の参拝者は前年同日の3倍以上に達して国内外のメディアが大きく報じている

青木理氏「日本会議の正体」より

●時系列で見る反共組織網作り14「カルトの教育への侵入と愛国詐欺」

●渦を巻く教育基本法への情憑
▼教育基本法の改正運動————2000〜06年

日本会議⛩へつらなる戦後日本の右派運動は、現憲法と並ぶ戦後体制の象徴
として、教育基本法を敵視と憎悪の対象としてきた。

青木理氏「日本会議の正体」より
「憲法と同じくGHQに押しつけられたものだ」
「愛国心がうたわれていないことが国への誇りを失わせた」
「公共に対する奉仕の精神が失われた」
「宗教的情操の涵養がうたわれていない」
「戦後教育の荒廃は憲法と教育基本法に由来する」————。
挙げていけばきりがないほど、教育基本法への憤悪と憎悪は渦を巻いていた。

戦前の教育勅語に取って代わったものという想いもあったのだろう、
日本会議⛩の事務総長・糀島も2006年、日本会議事務総局⛩のメンバー
とともに、そのものズバリのタイトル『戦後教育を歪めたGHQ主導の教育基本法』(明成社)という書籍を上梓している。

青木理氏「日本会議の正体」より

一方、政府レベルでは小渕恵三政権下の2000年3月、首相の私的諮問機関
として「教育改革国民会議⛩」が発足し、風向きが変わりはじめる
小渕が急死💀したことを受けて森喜朗が政権を引き継ぎ、同年12月、
この諮問機関がさまざまな教育施策とともに教育基本法見直しの必要性を提言し、
中央教育審議会(中教審)の議論がスタートする。
そして2003年3月、中教審
「『公共』の精神、道徳心」や
「日本の伝統・文化の尊重

「郷土や国を愛する心」

といった内容を教育基本法に盛り込むのが適当とする答申を出したのである。

青木理氏「日本会議の正体」より

政府レベルの動きに合わせ、日本会議なども盛んに動いた
2000年9月には「新しい教育基本法を求める会」を設立し、森政権に教育基本法の早期改正を要望した。
中教審の答申が間近に迫った2003年1月には、
日本の教育改革有識者懇談会=民間教育臨調」なる組織も立ち上げた。
直後の2003年3月に中教審答申が出ると、これを大きなチャンスと捉えた
日本会議お得意の手法による「国民運動」が総力を挙げて大展開される

中央で「国民運動」組織を立ち上げる神社本庁などの協力を得て波状的に
集会を開き、これと同時並行する形で全国に『キャラバン隊
』を派遣、
地方議会での決議や大規模な署名集めなどを行いつつ、意を通じた国会議員らが
議員連盟を発足させて政府や与党を突きあげていく
————。

その様子も『祖国と青年』はつぶさに記している。
たとえば同誌2004年7月号に掲載された日本青年協議会⛩代表・松岡篤志の記事
は、日本会議による草の根運動の実態と手法がよくわかるので、
少し長めに引用してみよう。

青木理氏「日本会議の正体」より
<五月下旬より、教育荒廃を根本から救うために、教育基本法の早期改正を求めて、
全国キャラバン隊(日本会議主催)が初夏の日本列島を東西に分かれて駆けめぐっている
(四隊に分かれて活動期間は異なるが、七月中旬まで)。
日本会議の事務局の青年が主体となって、明治神宮、神社本庁、モラロジー研究所、
日本青年協議会、全日本学生文化会議所属の吉年たちが参加(予定含む)。
私も西日本隊隊長として中国・近畿ブロックを担当した。
教育基本法改正を求める地方議会決議運動については、
昨年から取り組みが開始されたが、当初は議員の関心はまだ薄く
全国的なひろがりまでは出来ていなかった。
そこに本年一月、自民党大会における運動方針で

「教育基本法を改正し、教育改革を推進する事が決定し、
二月には超党派の改正促進議連が発足した。
そうした中央政界の動きを受けて、三月の地方議会では入県で決議があがり、
ようやく教育基本法改正の機運が高まってきた。

私共日本青年協議会も本年度の「運動方針」の第一項に
「教育基本法改正を求める地方議会決議運動の推進」を掲げて、
「六月議会までに全国過半数の県議会決議を!」を合い言葉に、
全国で草の根運動を展開した。
そうした動きの中で、各地の取り組みを更に盛り上げるべく、参院選を前に、
日本会議では全国キャラバンを企画し、教育基本法の早期改正を求める決議をあげるべく
地方議員への働きかけを中心とした活動を展開する事となった。
目標は
①1000地方議会決議の推進。
②国会請願500万国民署名の推進など。
折しもキャラバン出発直前の五月十八日、安倍晋三自民党幹事長より全国の同県連に
「教育基本法の早期改正を求める意見書」採択を促す「幹事長通達」が発せられ、
各県でも「意見書」採択に向けて、党内の勉強会開催など具体的に動き出しつつあった。

地方議員が百名以上参集した広島県を始め、石川、大阪、滋賀、和歌山、香川、
宮崎の各県ではキャラバン来訪にあわせて教育基本法改正をテーマとした研修会が開催され、
多くの議員が参加し、熱心な議論が展開された。
まだ具体的な取り組みがなかった島根県などは、キャラバン隊が陳情に訪ねると

「わざわざ東京から陳情に来て戴きありがとうございます。
こんな大事な問題ならもっと多くの議員を集めるべきだった」
と教基法改正の重要性を認識された議員が即座に対応され、
6月議会での採択となった〉(2004年7月号より)

そして、かつての元号法制化運動にまでさかのぼり、
こんなふうにも記しているのである。

昭和50年代の元号法制化運動のときも、全国津々浦々に青年キャラバン隊
派遣され、地方議会決議運動が行われた
。当時、元号存続について危機意識を
もっている人はいても、それを国民運動として高め、現実的に法制化しようと
する気概をもった者はあまりいなかった


その時代に、「地方から中央へ」を合い言葉に、地方から草の根運動を展開し
地道にねばり強く地方議会に働きかけていったのである
(前同)元号法制化運動が戦後日本の右派にとっての”成功体験”であり、
これをいまなお運動展開の『お手本』としていることがよくわかる。

青木理氏「日本会議の正体」より

それはともかく、日本会議側⛩の資料によると、神社本庁などの支援💰を
受けた大規模な”キャラバン隊”の活動などによって2004年11月までに
教育基本法改正を求める署名は350万人を突破し、改正に賛同する国会議員は
380人
、地方議会での改正要求決議採択も33都府県236市区町村に達した

これを受けて同年11月29日、東京の日比谷公会堂
教育基本法改正を求める中央国民大会」を開く。壇上に大量の署名用紙が
山積みにされる中、すでに日本会議と右派のヒーローとなりつつあった
安倍晋三⛩も、「教育基本法の改正を!」と記された鉢巻を締めて
壇上に立ち、こんなふうに訴えている。

青木理氏「日本会議の正体」より
「与党の自民党、公明党の間で未だ一致を見ていたいのが、
「国を愛する心」か「国を大切にする心」かの一点です。
しかし、『国を愛する心を涵養する教育』という点は、自民党として譲れない一線と考えております。
『愛する』と『大切にする』では、その意味するところが全く異なる。
『鉛筆や消しゴムを大切にしましょう』とは言いますが、
『鉛筆や消しゴムを愛せよ』とは言わない。
国家は鉛筆や消しゴムと同等なのか。
やはり、国家は『愛する』でなくてはならない」(『祖国と青年』2005年1月号より)



●時系列で見る反共組織網作り15「洗脳🧠教育基本法改正は憲法改正の前哨戦」

●「教育基本法改正は憲法改正の前哨戦」

安倍が訴えたように、日本会議を筆頭とする右派にとって、「愛国心
などを教育基本法に明記することは譲れない一線
であった。
だから以後も波状的な集会開催などが続けられ、2006年4月13日に自民、公明🍘の与党案が固まるとさらに活動は活発化する。

この2日前の4月11日には日本会議などが主催して
「教育基本法の今国会改正実現をめざす国民大会」が憲政記念館
で、
4月25日にはやはり日本会議などの主催で「教育基本法改正の実現をめざす緊急集会」が自民党本部で、次々に開かれた

後者の集会には島村宜伸、萩生田光一、稲田朋美ら日本会議国会議員懇談会⛩のメンバーも多数詰めかけている。見逃せないのは、日本会議⛩がこの
教育基本法の改正運動を本質的にどう位置づけていたのか、という問題である。

元最高裁長官で、当時は日本会議⛩の会長だった三好達は2005年4月29日、
日本協議会⛩の結成式典で来賓として祝辞を述べ、次のように語っている。

青木理氏「日本会議の正体」より
「憲法改正のためには、それに先立ってどうしても早急にしなければならないことがある。
それは、申すまでもなく教育基本法の改正であります。
伝統・文化の尊重、愛国心の涵養、道徳性の育成などを織り込んだ基本法とし、
その下でのまともな教育により、
『日本の誇り』を持った国民を増やさなければ、我が国の歴史、
文化、伝統に基礎をおく憲法改正は到底できない。
その意味で、教育基本法改正にそ憲法改正の前哨戦であり、
早急にこれを勝ち取らなければなりません」(『祖国と青年』2005年6月号より、傍点筆者)
 
後述するが、「憲法改正の前哨戦」としての教育基本法改正は、日本会議の”ヒーロー的存在”
となった安倍晋三政権下で見事に成し遂げられることになる。


●時系列で見る反共組織網作り16「安倍政権で”阻止・反対の運動”から洗脳🧠支配への転換」

●「阻止・反対の運動」からの転換
▼第1次安倍政権の誕生と改正教育基本法などの成立————2006年〜

美しい国づくり」、そして「戦後レジームからの脱却」といった
スローガンを掲げて2006年9月、安倍晋三を首班とする内閣が発足したことは、
日本会議を筆頭とする戦後右派にとって、
「考えうる限りで理想的な政権の誕生」
と捉えられた。
日本会議⛩の実務部隊である日本青年協議会・日本協議会⛩の機関誌
『祖国と青年』にも、
安倍政権、戦後レジームとの戦い
といった安倍政権を称揚する大特集が立て続けに掲載され、日本会議事務総長⛩
の糀島は2007年6月3日、日本会議福岡⛩の総会での講演で、安倍政権の方向性
と日本会議
の運動の同質性、連関性を次のように語っている

青木理氏「日本会議の正体」より
<安倍政権、戦後レジームとの戦い>といった安倍政権を称揚する大特集が
立て続けに掲載され、日本会議事務総長の糀島は2007年6月3日、
日本会議福岡の総会での講演で、安倍政権の方向性と日本会議の運動の同質性、連関性を次のように語っている。

<安倍政権発足後の変化として私が一番感じておりますのは、
日本会議が「阻止の運動」「反対の運動」をする段階から、
価値・方向性を提案する段階へと変化してきたということです。(略)
夫婦別姓の問題、外国人参政権の問題、国立追悼施設の問題、皇室典範に関する有識者会議の提案、
いずれも日本会議は「反対」「阻止」の運動を進め、エネルギーの大半を費やして参りました。

しかしどうでしょう。
この一年間、教育基本法改正の運動、憲法改正の国民投票法成立の運動と
日本の根幹をなす大事な問題に建設的エネルギーを注ぐことができました。
(略)安倍政権になり国家の基本問題に関するマイナス事項が
抑止されている時代になったということを、政権がもたらした大きな作用として
認識しなければならないと思います>(2007年7月号より、傍点引用者)

椛島が絶賛したように、「憲法改正の前哨戦」として日本会議が総力を挙げて
実現をめざした教育基本法の改正案
は、安倍政権下の2006年12月に成立した。
以前から改正への動きは進んでいたものだったし、日本会議⛩などが完全に
満足する内容とはいえない面もあったが、

第2条<教育の目標>には
<伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する>

という文言が入り、戦後右派の悲願がまたひとつ、ついに達成されたのである。

青木理氏「日本会議の正体」より

これも糀島の言う「憲法改正の国民投票法成立」もそうだった。
2007年5月に成立した「日本国憲法の改正手続に関する法律=国民投票法」は、
文字どおり憲法改正のための手続きを定めた法律であり、改憲を目指すと
標榜する安倍政権にとっても、同じ方向を見つめる日本会議
にとっても、
改憲に向けた必須の一歩として評価されるもの
であった。

第1次安倍政権下で実現した防衛庁の「省」への昇格や、
国家安全保障会議(日本版NSC)の創設に向けた取り組みなども同様だった。
周知のように、日本会議⛩が期待をかけた第1次安倍政権は、安倍自身が
体調問題などで政権を投げ出し発足からわずか1年で幕を下ろした

しかし、福田康夫、麻生太郎という2代の自民党政権3代の民主党政権を経て、
ふたたび安倍が執権して現在に至っている
すでに通算の在任期間は戦後5位の長期政権となっており、第2次政権以降にも、
集団的自衛権の行使容認に舵を切った安保関連法制の成立など、
日本会議や戦後右派が渇望した政策をいくつも成し遂げている

阻止・反対の運動」から「価値・方向性を提案する」政権への期待は、
この程度にとどまるものではないだろう。

青木理氏「日本会議の正体」より



●時系列で見る反共組織網作り17「カルトの洗脳🧠支配へ推移まとめ」

●戦後体制の元凶の打破へ

さて、ここまで1970年代から第1次安倍政権が発足した2006年ごろまでの間、
日本会議⛩とその前身の右派組織が具体的にどのような運動に取り組み、
どのような成果をあげてきたか?、時系列に沿って駆け足で振り返ってきた。

お読みいただいたら分かるとおり、日本会議⛩とその前身の右派組織が
何を最も重視し、どのような運動に熱をあげるのか
————言い換えるなら、何が彼らの”最も琴線に触れるテ―マ”なのか?
あらためて明瞭に輪郭が浮かんできたと思う。

青木理氏「日本会議の正体」より
なによりもまずは
①天皇、皇室、天皇制の護持とその崇敬、続いては
②現行憲法とそれに象徴される戦後体制の打破、そして、これに付随するものとして
③「愛国的」な教育の推進、
④「伝統的」な家族観の固守、
⑤「自虐的」な歴史観の否定。
ここから派生した別のテーマに取り組むことはあっても、
やはり核心的な運動対象は以上の5点に集約されるといってもいいだろう。

その運動のノウハウも浮かびあがったと思う。
本章の冒頭で記したとおり、元号法制化運動などでの”成功体験”に学んだ手法
————それをひたすら反復し、進化・発展させてきたともいえる。
大がかりな運動テーマになると、神社本庁や神社界、新興宗教団体
(新興カルト)といった動員力
👴👴👵👵、資金力💰💰のある組織の
バックアップを受けつつ、全国各地に”キャラバン隊
などと称する
オルグ部隊を次々に送り込み”草の根の運動”で大量の署名集め
地方組織づくり、または地方議会での決議や意見書の採択を推し進めて
”世論”を醸成していく


と同時に、中央でも関連団体、宗教団体などが連携して「国民会議」といった
名称の組織を立ち上げ、大規模な集会などを波状的に開催して耳目を集めつつ、

全国でかき集めた署名や地方議会の決議、意見書を積みあげて中央政界を
突きあげていく

一方、意を同じくする国会議員らもこれに呼応して議員連盟や議員の会を結成し、
与党や政策決定者に働きかけて運動目標の実現を迫っていく


そのための土台として日本会議はこれまで国会議員懇談会
地方議員連盟
の充実を目指し、加盟議員数を着実に増やしつづけてきた

青木理氏「日本会議の正体」より

そうして日本会議⛩とその前身の右派組織はこの数十年間、
主に5点のテーマに集約される「国民運動」を一貫して繰り広げ
時には執拗なほど反復し彼らが目指す国家像、社会像を実現しよう
と試みてきた。

結果、相当な成果をあげてきたといってもいい。
たとえば元号の法制化
あるいは建国記念日の祝日化
そして「愛国的」な歴史教科書の編纂
国旗国歌法の制定、
皇室尊崇意識の涵養、

憲法改正の前哨戦」としての教育基本法改正
それらは別に日本会議⛩とその前身の右派組織の運動がすべての原動力に
なったわけではないし、彼らの視座に立ってみれば不十分極まりない面もある
のだろうが、日本会議とその前身の右派組織の活動が大きな役割を果たした
のもまた否定できない。

こうしてみると、なるほど、見事なものだと感心する。
すさまじいほどの執念というか、執拗さというか、
粘り強い継続的な運動の取り組みには、感服すら覚える。

このような運動自体がけしからぬものだ、などというつもりはもちろん、豪もない。

ただ、日本会議⛩の中枢にいる人びとを知る関係者は、
その執念や粘り強さの背後には「宗投心」があると指摘した。
新興宗教団体・生長の家
に出自を持つがゆえの「宗教心」

また、日本会議そのものが神社本庁を筆頭とする神社界などの
手厚いバックアップ
💰💰👴👴👵👵を受けているため、
その「宗教心」に裏打ちされた運動や主張は、時に近代民主主義の大原則を
容易に逸脱し、踏み越え、踏みにじる。


天皇中心主義の賛美と国民主権の否定。
祭政一致への限りない憧憬と政教分離の否定。
日本は世界にも稀な伝統を持つ国家であり、
国民主権や政教分離などという思想は国柄に合わない

―――そんな主張を、たとえば日本会議⛩の実務を取り仕切る糀島は、
平気の平左で口にしてきた。

それは同時に、日本会議⛩の運動と同質性、連関性を有する安倍政権の危うさ
も浮き彫りにする。そんな安倍政権と日本会議がいま、総力を注ぎ込んでいる
最大の目標はなにか?
これもあらためて記すまでもないだろう。

憎むべき戦後体制の象徴であり、核心であり、元凶であるものの打破
————そう、現行憲法の改正である

青木理氏「日本会議の正体」より


●[番外編]2023年広島市の平和教育副教材から漫画「はだしのゲン」が削除された問題

2023年、広島市の平和教育副教材から漫画「はだしのゲン」が削除され波紋が広がりました。原爆が投下された広島で、戦中戦後の苦難な時代を生き抜こうとする少年を描いた同作は、累計発行部数1,000万以上。世界各国で読み継がれてきました。そんな「はだしのゲン」が、なぜ削除されたのか?
背景には、NHKでは「保守系の団体」と誤魔化してたり、教育委員会などが嘘を
ついていますが、「保守系の団体=日本会議⛩」だと言うことが知られています。

因みにこちらの記事では割と明示してあります。

日本会議広島と住所を同じくする「平和と安全を求める被爆者たちの会」なる団体が削除の要望書を出していたことが分かり、教育の場で紹介される書籍をコントロールしようする動きが日本にも起きているのかとため息をついた。


因みに、広島市の松井一実市長は「日本会議⛩」の疑いあり。

因みに、平和教育の資料から「はだしのゲン」を削除した広島市では、
広島市の職員研修で松井一実市長が「教育勅語」の一部を職員研修資料に使用していることが明らかになって話題になりました。

さらに、2024年8月6日の平和式典に、ガザ🇵🇸で大量虐殺をしてて、
戦争犯罪国家だと認識されているイスラエル🇮🇱を式典に招待して話題にもなりました。後日、長崎市長が長崎の平和式典にイスラエル🇮🇱を招待しなかったことで
ますます市長の正体が浮き彫りになりました。

さらに、2024年のノーベル平和賞受賞が決まった広島の「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」だが、2017年に核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が受賞した際は、松井氏と田上富久長崎市長(当時)がともに授賞式に参加していたが、
今年は招待されていないことが明らかになっている。





[参考資料]日本会議広島⛩のポスター一覧(順不同)

日本会議広島⛩のポスター

日本会議広島⛩
日本会議広島⛩のポスター
日本会議広島⛩のポスター
日本会議広島⛩のポスター
日本会議広島⛩のポスター
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民主主義を破壊する反共カルトと戦犯シリーズまとめ(INDEX用)



伊丹万作「騙されることの責任」

もちろん、「騙す方が100%悪い」のは紛れもない事実である。
その上で更に「騙されることの責任」を考えよう。

伊丹万作「騙されることの責任」

もう一つ別の見方から考えると、いくら騙す者がいても誰1人騙される者がなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。
つまり、騙す者だけでは戦争は起らない。騙す者と騙される者とがそろわなければ戦争は起らない。一度騙されたら、二度と騙されまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。騙されたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘違いしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。
伊丹万作「戦争責任者の問題」より












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