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ウォーズ五段あれば奨励会に入れるか
こんにちは。とまとです。「ウォーズ五段あれば奨励会試験合格出来ますか?」という質問をよくされます。あまりにもよくある質問なので、毎回答える手間を省くために記事を書こうと思います笑
結論からいうと、分かりません笑
どのくらい分からないかというと、「喧嘩強いのでボクシング始めても成功しますか?」とか「参考書3周すれば覚えられますか?」とか聞かれるくらい分かりません。
必要条件ではあると思います。十分条件ではない。奨励会受かる子は少なくとも五段はあると思います。早指しが苦手で五段の子もいると思いますが、五段で受かる可能性は低い。
ウォーズ四段では厳しいでしょう。持ち時間にもよります。3切れですと六段、七段は欲しいところです。10切れだと五段、10秒だと五段、六段でしょうか。
何が言いたいかというとあまりイコールで考えないで欲しいって事です。将棋ウォーズ七段=奨励会入会レベルとか、将棋倶楽部24で2500点=県代表レベルとかこういう表現をよく目にしますがそうじゃないと。たしかに将棋ウォーズの段級位のシステムとか、将棋倶楽部24のレーティングシステムとかは自分の棋力を定量的に測るには分かりやすいです。ただもちろんですが正確な棋力は判定できません。測れるのはあくまで統計的な強さですし、特に将棋ウォーズのような持ち時間の短い将棋だと測れる部分が極めて少ないです。正直、反射神経とか直観力とかってそんなに差がつかないんですよね。将棋で1番差がつく部分は、読みの深さと正確性です。持ち時間が増えれば増えるほどこの能力は差が広がっていきます。将棋ウォーズってこの部分が測れないんですよ。そこが致命的な欠点で、例えば将棋ウォーズで七段あってもリアルの大会では全然強くなかったりする人って結構いたりします。奨励会試験の話に戻すと、奨励会試験ってたしか持ち時間60分の60秒じゃないですか。60分の60秒の棋力と3分切れ負けの棋力って全然違うはずですよね。
例えば大学入試で、共通テストの数学が高点数だからといって2次試験の数学が解けますか?って話です。バスケの1体1が強いからといって試合で活躍出来ますか?TOEIC高得点だからといって英語話せますか?スピーチ得意な人はディベート強いですか?いつも手早く料理を作れる人は創作料理も得意ですか?リフティング上手いからサッカー選手になれますか?みたいな。
もちろん目安にするのは良いと思いますよ。ある程度定量的に棋力を測れるのはモチベーション維持にも良いですし。「将棋ウォーズ五、六段あれば奨励会狙えるよね」とか、「将棋倶楽部24で2500点いけるようになったら奨励会試験考えてみようかな」とか目安にするのは良いです。
ただあまりにも性質が違うゲームなので、それが自分の正しい棋力だと思わないで欲しいってだけです。将棋ウォーズ八段でも、将棋倶楽部24でレーティング2600あっても落ちる子は落ちます。実際何人も知ってます。逆に早指しが苦手で将棋ウォーズ五段の子とか、レーティング2200くらいしかない子でも受かる子は受かります。しっかり時間を使って読みをまとめる力が備わってる子ですね。
あと奨励会試験を受けるのであれば奨励会試験の同じ持ち時間で練習すべきです。狂ったように将棋ウォーズ指しまくってても意味ないです笑
奨励会試験に限らずですね。将棋大会でもそうです。出場する大会の持ち時間と同じ持ち時間で練習する。もしくは少し長めです。10分の30秒なら20分の30秒で練習するとか。これ意外に思われるかもしれないんですけど、将棋強くなるには少し長めでやるのが良いんです。本番よりも長い持ち時間で練習する。勉強だと違ったりしますよね。制限時間短めにして負荷を掛けて模試解いたりしますよね。1.5倍で英語のリスニング聞いたり。スポーツでも高地トレーニングとかありますよね。将棋って意外とこれはないんです。短めの持ち時間で練習するってまあ無いですね。本番で手が見えるようにしたいのであれば、ひたすら詰将棋解きまくってた方がマシです。