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真昼のリビングデッド
窓の外でゾンビがタイプライターを叩いている。モノクロの庭園に言葉を撒き散らしている。ジョージ・A・ロメロは部屋の中でそれを撮影していた。
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とりあえずコーヒーでも飲もうかと思ったがインスタントコーヒーを切らしていた。冷蔵庫を見ても賞味期限の切れたミルクしか入っていない。仕方なくそれを飲んだ。腐っていた。ゾンビはタイプライターを強く叩きすぎたせいで左手の人差し指が飛んでいった。それでもタイプライターを打ち続けていた。週末ということもあって、庭園には家族連れが多かった。撒き散らされた言葉を読むとみんなゾンビになっていたが、誰もそれに気が付かなかった。毎日保存料の入った食事ばかり食べているので、ゾンビ化してもなかなか身体が腐らなかった。
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ルチオ・フルチはカラフルな庭園を歩いていると次の映画の構想を思いついた。庭園にはストリートタイプライターが設置されていた。そこで次のゾンビ映画のアイディアを書き留めていると、庭園の端にある廃墟から視線を感じた。誰かがカメラでこちらを撮っているような視線だった。窓辺に誰かが立っていた。よく見ると体が半透明でゆらゆらと揺れてまるで紙のようにペラペラだった。それは幽霊だった。
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