薪を焚いても部屋が温かくならない理由
先日、薪ストーブを設置した友人から連絡がありました。
「薪ストーブを焚いても部屋が温かくならないんです…」
「どうやったら温かくなりますか?」
「薪ストーブってこんなものですか…?」
友人の家は平屋で、20畳のリビングダイニングに薪ストーブを設置しています。
ストーブのサイズは購入したストーブ屋さんで、十分な能力のあるものを選んでもらったそうです。それなのに思ったより部屋が暖かくならず、最終的には薪ストーブを諦めてエアコンをつける事があるそうです。
なぜ暖かくならないのか、とても興味があったので、家に行って実際に使っている所を見せてもらいながら話を聞くと、原因がわかりました。
1.薪の乾燥状態が悪い
普段使っている薪で、薪ストーブを使用してもらいました。
投入口を開けて、薪の木口をみると水が出てきて「シューシュー」と音を立てていました。薪が十分に乾燥していません。
薪に含まれた水分は周りの熱を奪います。(気化熱)
熱の滞留時間が短くなるために、炎が見えても温かくならないのです。
また、水分を多量に含んだ薪は不完全燃焼によって、ススやタールが多く付着し良くありません。
2.空気量を絞りすぎている
火つけの際には全開にしていた空気の調節弁を、ある程度の炎が回ると、8割くらい絞っていました。十分な量の薪がなく、節約の為になるべくゆっくり燃えるようにいつも限界まで空気の量を絞っているそうです。
十分に部屋が温まった後であれば、問題ありません。ですが、部屋が全く温まっていない状態で、空気をそこまで絞ってしまうといつまでたっても室温が上がらないのも仕方ないと思います。
ゆらゆら揺れる炎を見るだけなら問題ないですが…
ちなみに、私の家では空気量は常に全開です。
ストーブ屋さんから、常に全開でも耐久性に問題はありませんと話があったのと、下手に空気量を絞ってしまい不完全燃焼になる(一酸化炭素の発生)方が怖いという理由です。
3.薪の投入量が少ない
火入れの際にはそれなりの量の薪を組み、着火してました。しかし、組んだ薪が燃えた後、追加投入の際には1本ずつしか薪を入れていませんでした。
追加投入する際には2本(もしくは3本)の薪が必要です。薪のサイズにもよると思いますが、基本的に1本だけでは燃焼のエネルギーが足りず、炉内の温度が保てないのです。
また、1本投入、すぐ燃えてまた投入…と扉の開け閉めを繰り返すことで炉内の温度もそのたびに下がってしまいます。
結論
十分に乾燥出来ていない薪を、適切とは言えない空気量の元で、少量づつしか使用していなかったために、部屋が温かくならなかった。
さらに、いつも仕事が終わって帰宅した夜にストーブに火入れをしていたため、十分な時間がなかった事も原因だと思います。
考えられる3つの原因を対策した結果…後日、友人から連絡がありました。
「薪ストーブってやっぱり、最高ですね!」
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