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永劫流刑惑星[幻聴ラヂヲ]
今日聞こえてきた怪電波は、上空の猛烈な寒気のせいか、
受信状態が悪く、いつにも増してよくわからない話だった。
が、スルーするには惜しい点もあったのでメモしておく。
◇
この惑星は永久流刑地だそうだ。他の星の重罪人がこの星に送り込まれるのだという。ここまでなら、昔からあるトンデモ話のようだが
囚人に対して、どうしてそんなコストをかけるの?
理由はいつくかあるようだが、もっとも基本的なことは
魂が不滅だから
極刑… 死刑にしても魂は不滅で、何度でも再生するから。魂も抜け出ることの出来ない特別な監獄に閉じ込める必要があるそうだ。この星にはそのための特殊な仕掛けがあるらしい。
そんな話を聞いていて連想されたのが輪廻転生だ。仏陀は輪廻からの解脱を説いたそうだが、もしかしたら、永久監獄の秘密に気づいていたのか…。
また、極悪残虐な人間、欲望を我慢できない享楽的な人間がいる一方で、思索に耽る人間、革命に燃える人間、聖人のような人が混在している理由も、ここが監獄だと思えば、わかる気がする。刑務所の中には、思想犯や政治犯、弱者を救うために罪を犯した人もいるからだ。
では、平凡な一般大衆は、どのような理由でこの星に送り込まれたのか?
さしづめ口減らしといったところか。人口が過剰になれば、凡庸な者には価値が無いから、まとめて追い払われたのかもしれない。
ともかく、この星には特別な仕掛けがあるので、何度、生まれ変わってもここからは出られず、延々と同じことを繰り返すらしい。努力して成長しても、ある程度まで登ると何かをやらかして転落。またやり直す…… その繰り返しだそうだ。もちろん、記憶はその都度消されるので自覚できない。
ここで、トンデモ通の人は、こう思うかもしれない。
クラウド記憶は外部にあるから、
ローカルな記憶を消されてもそこにアクセスすれば?
どうやら、そこに突破口があるようだ。そればかりは、我々を隔離した者たちにも防ぐことは出来ないらしい。
だから、死んだら終わりとか、魂など存在しないとか、目の前の現象がすべてであるかのように教え込んだり、欲望と恐怖と、いわばアメとムチの情報を溢れさせ「気づき」を妨げているのだ。
座禅、瞑想などは、攪乱情報を遮断して、この惑星の秘密に気づくためのとっておきの方法であり、悟り、覚醒は「監獄の真相」に気づくこと……
◇
以上、オカシナヒト・シールが漏れなく貰えそうな話だが、世間のオカシナヒトたちは、皆、こういう怪電波を耳にしてるのだろうか。
病院へ行った方が良い?
それとも、もうすぐUFOのお迎えが来る?
何しろ、風の時代だから、この世界にいても激動は避けられない。イチかバチかならUFOに乗ってみたい気もする。
そうそう、ここにきて、仮面氏が宇宙人とつながってる、というウワサが聞こえてきた。そっちは怪電波ではなく、普通に怪しい話だ。
この星が監獄でなければ夢のある話だが、もし監獄なら、仮面氏は新任の所長だったりするのだろうか… そういえば那智のジェスチャーしたというのも話題になってたしなあ。火星への移住計画なんていうのも吊り?
いくら条件がよくてもそれだけは辞めときマース~ とかいったりして