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[AI絵本]えがお さきわうところ 2/x

↑ からの つづき

 果たして疑似体験で、観光地じゃないところをブラブラと探検することが出来るのか?

 少し前までなら、不可能だったと思う。オレの云ってるのは空想旅行ではないから。「旅」というからには、最低限、自分の世界から外に出たい。空想だと、どこまで行っても自分の中だ。
 その点、誰かの旅行記を読むというのは、自分の知らないことなので疑似体験になる。が、さっきも云ったように、オレがやりたいのは、その時の気分でブラブラすることで、その自由が一番の優先事項なのだ。

 仮想現実世界、メタバースのサービスがはじまると聞いた時には、大いに期待した。自分のアバターを使って、まさに気ままな旅をすることが出来そうに思えた。

 が、どうも現在、建設されているメタバースは、テーマパークのようなものらしい。エンターテイメント施設、ショッピングモール等々の魅力が競われている。多くの人を集めてなんぼの世界なのだ。技術的には、限界集落や里山や河原といった場所を作ることは可能だと思うが、少なくとも民間のメタバースでは、実現されそうにない。

 リゾート・ゾーンならありそうだ。プライベート・ビーチのような感覚で、自分たちだけで独占できるスペース。プレミアム料金が払える人たちならさぞ快適な場所だろう。

 と、思わず、ネガティヴなことを云ってしまったが、悲観してもはじまらない。旅は糸口を探すところから、はじまる……。

つづく

つづく


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