[星の名は?]貧しき人々[幻聴ラヂヲ]
例によってどこかヨソの星から聞えてきた怪電波だが、底辺にとっては耳の痛い話だった。
話していたのは努力して成功した人。ただ芸能関係、客商売なので庶民のことは常に考えている。ディスりつつも相手のことを思う気持ちが強いから人気者なのだろう。仮に、某さんとしておく。
ファンが某さんに、こうコメントした。
「○○というパフォーマンスが登場したのをご存知ですか? 某さんにもぜひやっていただきたいと思います。釈迦に説法かもしれませんが」
一聴する限り不自然さはない。好意にもとづく情報提供だ。
しかし、某さんにとっては聞き捨てならない内容だった。いわく
・プロに向かってアドバイスするというその自信は何なの?
・こっちはアンテナ張って、これはというものがあれば宇宙中に足を運んでちゃんと見ている。
・「○○というパフォーマンス」は隣の星で十三年前にはじまったもので、本家は昨年、終了したはず。今頃、何云ってるの
・コメントは善意にもとづくものだとか、そういう問題じゃない
・田舎の友達からスマホを勧められたようなもの。今頃、何言ってんの? アナタ大丈夫? という話。
・今のこの星はお金がないから、世界のいいものは入ってこない。テレビだって、お金がないから海外ロケをしない。今のこの星に流れている情報はかなり貧しくなってきている。
・それに輪をかけてひどいのが、嫉妬。ヨソの星のめずらしい話、高級なサービスの話をうっかりしようものなら、自慢ですか? とか嫌悪される。嫌な思いをした人は、場所柄や相手を考えて話題を選ぶようになる。この星の公共空間は中央から遠いムラ社会。
・別に、つつましい生き方が悪いとは云わない。望んでそういう人生を生きたいのなら、とやかく言うつもりはない。
しかし、皆がそうではないということ。それが普通ではないということ。自分がものを知らないということは、自覚しといたほうがいい……。
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底辺暮らしに開き直りつつあった自分には、お灸を据えられるような内容だった。特に、その道のプロにでもアドバイスしたくなる感覚は、身に覚えがあり、痛かった~ 好意を抱いても、買ってあげたり物をプレゼントすることは出来ないので、せめて情報を、と思うわけだが、その情報さえもが「貧し過ぎる」という……。確かに自覚は必要だ。
まてよ、今回は星の名前がわかったかも……
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図 星
見出し画像は hakoyuki さんの作品です。
ありがとうございました。