短編小説その21「雪に埋もれる少女」
雪に埋もれる少女
雪は降り続けていて蒲団を被るように暖かさを感じる、少女は雪に埋もれて眠っている。どうしようもないのではない、きっと安らいでいる。といって何もの疑念が払拭したわけではない。向こうのすぐ傍の山小屋にたどり着こうとしていた。それが小屋のすぐ目の前で雪に埋もれてなぜ眠っていなければならないのか、安らいでいてはいけない。立ち上がって歩かなければならない。二人きりの晩餐会を開く予定があるのである。確かにひどい吹雪であった。風が吹いて雪が纏わり付いて目の前が