スタンフォード式 最高の睡眠[前編]
久しぶりの睡眠回…今回はスタンフォード大学医学部教授の西野精治さんが書かれた、『スタンフォード式 最高の睡眠』から抜粋させていただく。
これまで学んできた内容と重なる部分も多いが、より細やかに書かれていたから参考にしてほしい。
レム睡眠の発見は1953年…70年ほど前だ。
睡眠医学の歴史はまだ新しい。
近年たくさんのことがわかり始めた。
「ただの休息」という概念を越えて、あなたの毎日が少しでも良いほうへ向いたら嬉しい。
前編では「知る/学ぶのインプット」を、後編では「実践/応用のアウトプット」を意識して書いていくからね。
✐☡
01 睡眠負債をつくらない
まず「最高の睡眠」とは、どんな眠りを指すのか?
“量より質”だと思うよね。
食事にしても、持つものにしても、仕事にしても…『量より質』だ。睡眠も例外でない
でも「日中眠たい」「頭がぼーっとする」etc…睡眠ストレスを抱える人の多くは、「もっと眠らなくちゃ」と、量の確保を意識している。
睡眠不足が原因で起こるといわれる“マイクロスリープ”は、夜勤明けの内科医たちの脳波にもあらわれると西野教授はいう。
マイクロスリープは1秒足らずから10秒程度の眠りを指し、瞬間的な居眠りが出るくらい睡眠負債は“脳に悪い”。
びっくりするのは、夜勤明けのこの医師たちが「勤務時間中」だったこと。
そしてやっかいなのは…マイクロスリープは本人や周囲も気がつかないということ。
睡眠負債によるマイクロスリープには予兆もなく、薬を飲むといった対策もとられない。
でも運転中に起きたら?取引先との商談中に起きたら?…睡眠負債を抱えている人は、この「たら?」が現実になるかもしれない。
また寝不足や短時間睡眠は肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病に直結したり…うつ病、不安障害、アルコール依存、薬物依存の発症率が高くなる。
02 いつも夢をみている
意外に過去の睡眠回であつかわなかった“夢”、「レム睡眠のときに見ている」と思っている人も多いだろう。
レム睡眠のときも見るが、ノンレム睡眠中もかなり夢を見ていることが実験でわかっている。
夜、私たちは常に夢の世界にいるのだ。
起きたとき覚えている夢は、通常目が覚める直前に見ていた夢だそうだ。
普通浅いレム睡眠を繰り返しながら目覚めるため、「レム睡眠=夢を見る」となっていた。でも深いノンレム睡眠中に起こすと、その際も夢を見ていたことがわかった。
夢の内容を記述してもらうと、レム睡眠はストーリーがあって実体験に近い夢、ノンレム睡眠は抽象的で辻褄が合わない夢が多いことがわかった。
また「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」が入れ替わるたびに、夢も切り替わっていることもわかっている(すごいね)。だから夢を見た回数が多いほど、レム睡眠とノンレム睡眠のスリープサイクルを回せていることになる。
ちなみに… “見たい夢”は見られると思う?
答えは「No」だ。
また明け方見る夢には、「起きる準備」という役割があると考えられている。
これは「なぜ夢を見るのか?」ということにもつながり…寝ぼけを回避するために、定期的にレム睡眠で大脳を活性化させて交感神経を優位にし、「目覚め」とそこから続く「覚醒活動」の準備を担っているため。こう考えると、明け方に近づくほど「合理的な夢を見る」レム睡眠が長くなるのも理にかなっている。と西野教授は語る
03 最初の90分をしっかり深く
これまでの睡眠回では、「90分単位のスパンで」と時間をアナウンスしてきた。でも西野教授は『最初のノンレム睡眠をいかに深くするか』が重要だという。
ここで深く眠れれば、その後の睡眠リズムも整うし、自律神経やホルモンの働きも良くなり、翌日のパフォーマンスも上がるようだ。
長く起きていると眠りたい欲求「睡眠圧」が溜まり、眠るとこの圧が放出される。この睡眠圧の放出が第1周期(最初のノンレム睡眠)でもっとも強くなる。
だから何時間寝ようが…最初の90分が崩れれば、残りも総崩れになってしまう。
また、よく「睡眠時間は90分単位が良い」といわれるのは、スリープサイクル(睡眠周期)が根拠となる。
だがスリープサイクルにはかなり個人差があり、実際の1周期(最初のノンレム睡眠)はおよそ90-120分と幅があるようだ。だから起きるタイミングも個人の睡眠周期によって異なる。
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