"ブレインハッキング" の初歩、カチッサー効果とカチッサートレーニング
カチッサー効果
カチッサー効果とは、他者にお願い事をするときに理由付けをすることによって、相手に承認されやすくなるという心理効果のことを言います。
自分の要求の前にどんなものでも構わないので理由を付け足した方が、要求を受けた側は承諾してくれる可能性が高くなります。
もちろん、クレーム、データ、ワラントのようなディベーティングを学ぶ方が、より効果的かつ論理的なのは言うまでもありません。
カチッサー効果は、心理学者のエレン・ランガーが効果を立証したテクニックで、「お願い事」であれば肯定否定を問わず、どのようなものにでも適用できる部分が優れているところです。
また、使い方が簡単なので、心理学的、認知科学的な話術の初歩として学ぶにはうってつけです。頭の体操みたいなものと思って頂ければ良いと思います。
脳は接続詞に弱い
人間の脳は「だから」「さらに」という接続詞に強く反応するようにできています。
脳は経験を積むほど処理をシンプルにしていき、バイアスと呼ばれる短縮経路(近道)を発達させます。
その結果、「だから」「さらに」という理由付けに使われる接続詞を聞いただけで、理由の内容に関わらず、「相手を手助けしたほうが良い」と判断してしまうのです。
接続詞の種類の一部
順接:だから、そこで、すると
逆説:しかし、でも、ところが
並列:また、および、かつ
添加:そして、それから、さらに
カチッサートレーニング
良くない例として「やれない理由を付ける」のは、以前お伝えしたクリエイティブアヴォイダンスですが、このトレーニングは、「やれる理由を付ける」というものです。
例えば何か目標やゴールを設定して、それに対して現在「すぐにやれること」を考えます。
「すぐにやれること」が例えば「勉強をすること」であれば、
「いま20分時間があるから勉強ができる」
「今日は早く仕事を終えたから勉強ができる」
「自分の夢のために勉強ができる」
「いま誰もいないから勉強ができる」
「日本は平和だから勉強ができる」
というように、目標やゴール達成のためにすぐにやれることに対して、どんなものでも構わないので理由付けをしていきます。
これは経験上にはなるのですが、カチッサー効果は自分自身に対しても効果を発揮します。
ただ単に「勉強しよう」と意識をするよりも「○○のために」とか「○○だから」と理由が付いていた方がなぜかやる気が起きるものです。
もちろん、人にお願いをする時の会話の練習にもなりますので、是非お試しください。
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