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「多重人格の補足」お酒自体に罪はなく、あるのは量と飲み方です

↑の記事にあるように、人間のあらゆる判断はブリーフシステムによってなされますが、多重人格は人格それぞれに個別のブリーフシステムを持っていることがあります。

人格によってブリーフシステムが異なれば、判断や経験、記憶にも違いができ、それぞれの人格に明確な差異が表れるのです。

しかし、「お酒が入ると性格が急変する」というタイプの人は、多重人格(解離性同一症)ではありません。

これは、お酒によって前頭前野の働きが下がり、大脳辺縁系の働きが活性化するからです。

前頭前野は、ワーキングメモリー、反応抑制、行動の切り替え、プラニング、推論などの認知・実行機能を司っています。

大脳辺縁系は、情動、記憶、本能行動、動機付けなどを担っているのです。

ですから、お酒を飲んで酔うと、性格が急変して喜怒哀楽が激しくなったり、本能的な行動をしてしまうというわけです。

古代ギリシャ人の飲み方

古代のギリシャ人は、ワインを水割りで飲んでいたそうです。なぜなら、お酒によって理性を失うことを愚かな事と考えていたからです。

お酒で酔っ払った人がさらにお酒を飲み続けると小脳が麻痺します。

小脳の主な役割は運動の制御で、視覚や触覚などの感覚情報と筋肉への運動指令を統合する部位です。

小脳が麻痺すれば、歩行が困難となり、ろれつが回らなくなります。

そこからさらにお酒を飲むと、海馬が麻痺して「記憶がなくなる」ということになります。

そこからまたさらにお酒を飲むと、延髄まで麻痺します。

延髄は、血液循環、呼吸、嘔吐、嚥下、消化など、生命維持に不可欠な機能を司っていますので、それが麻痺すれば最悪の場合、この世からバイバイすることになります。

これを読んでいる方は、そこまでお酒を飲まないかと思われますが、くれぐれも飲み過ぎには注意しましょう。

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鈴木一弘
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