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MH3 がホロウワンに与えた影響と、それを取り巻く環境の変化について

MTGモダンプレイヤーの皆様こんにちは

ホロウワン学会、四国支部のとーまと申します。


2023年末に公開したホロウワン記事から時は経ち、MTGモダン環境を揺るがす出来事が起きました。


そう、皆様ご存じモダンホライゾン3の発売です。

今まで環境を支配していた「ラクドス想起」「ドメインズー」等は影を落とし、ナドゥコンボを筆頭にマルドゥエネルギー、黒単ネクロ、ルビーストームなどモダホラ3で追加されたカードを中心とした新規デッキが次々と頭角を現し、トップtierを塗り替えていったのです。


しかしながらその間も、我々ホロウワン学会(在籍1名)は環境の変化を注意深く観察してきました。


そんな中、日課のデッキリスト検索をおこなっていたところ・・・



更新日ベース2か月の入賞リスト


ん??
検索期間を間違えたか?

いや合ってるな。

ホロウワンの入賞リストが10件超え!!!?!?!??!



とにかく、なんらかの異常事態が起きていることは確認できたので
その謎を解明すべく、隊員はアマゾンの奥地へ向かった……





革新的な構築


入賞リストにあるデッキ構築を見直したところ、モダンホライゾン3(以下MH3)の新規カードの採用、それに伴う新環境への順応が見えてきました。


ここからはMH3がホロウワンにもたらした影響と新たな構築の誕生、現モダン環境における立ち位置について解説を交えて紐解いていきます。




基礎となる暫定デッキリスト



上記がMH3発売以降の基礎となっている、一番癖が少ないリストです。


ここからは、この記事を見てくれているホロウワン新規に向けて、各種採用カードの役割と使い方を解説していきます。


既に使用したことある、対戦経験のある方については、デッキに対する理解と対策の糧になれば幸いです。



1マナ帯


○ネザーゴイフ/Nethergoyf

MH3で追加された期待の新人。
自分の墓地を参照してサイズが大きくなるので、一度に墓地が4枚増える燃え立つ調査と相性抜群。1t目着地、2t目5/6も夢じゃないサイズ感です。
墓地からの脱出も見落としがちですが、リソースが枯れた後半戦で沁みる性能をしています。脱出条件は黒含む3マナと異なるカードタイプ4種追放のため、虚ろな者と探偵のフェニックスは1枚で2種カウントとなる事を覚えておきましょう。


○炎刃の達人/Flameblade Adept

このデッキを支える屋台骨的存在の1マナクリーチャー。
1/2とオークに撃たれないサイズ感と威迫の回避能力を持ち、燃え立つ調査やゴブリンの知識等のカードを捨てるたびに誘発する+1/0修正のお陰で1マナとは思えない活躍をしてくれます。
欠点を挙げるとすれば、タフネスは上がらないので稲妻などの2点以上の除去耐性は無く、後半の後引きで腐る場面もあります。
しかしながら、ホロウワンといえばコイツと言える程の名脇役です。


○燃え立つ調査/Burning Inquiry

さあさあお立ち合い、張った張ったの半丁勝負!!
1枚のハンドアドバンテージを代償にお互いに3枚ドローした後手札をランダムに3枚捨てる唯一無二のカード性能。
その本質はホロウワンの踏み倒しや炎刃の達人等ディスカードシナジー、墓地へのカード供給、オークの弓使いとのコンボ、相手のプレイプランの破壊等多岐にわたります。
相手目線ではハンドにホロウワンがあればとりあえず使うと思われがちですが、想像以上に使いどころが大切なカードです。ただ、どれだけ頭を捻っても結果は全てランダムなので手札の土地が全部落ちても泣かないようにしましょう。


○稲妻/Lightning Bolt

言わずと知れた赤の最強カード。
最早説明不要、文句なしの4枚採用ですが、最近は超能力カエル黙示録シェオルドレッド等マスト除去なクリーチャーも多いため致命的な一押しにも一部軍配が上がります。
とは言え強力なカードです。可能な限り本体への火力として温存して、早期決着orキルターンをずらす為に使えると理想的です。


2マナ帯


○オークの弓使い/Orcish Bowmasters

2023年末に公開した記事では親の仇の様に敵視していましたが、ここにきて仲間になる激熱展開が発生。
現モダン環境では指輪の採用率が著しく高いため、またオセロットや猛竜等ハイスペックなタフネス1クリーチャーへの対抗策として圧をかけるためにもメインから4枚投入がマストとなっています。1枚12000円は高いて...…
また、燃え立つ調査は互いに3枚引いて3枚捨てさせるため、2t目オーク、3t目燃え立つ調査と動くことで、相手に3枚引いたと言いがかりをつけるコンボが安定して達成できます。しかしながら、それは相手目線でも同じ所なので、黒を含むデッキ相手に燃え立つ調査を打つ場合は常にオークのケアを考えてプレイしましょう。
オークミラーでは基本的に後出し後出し有利となる為、マナが余ったら出すのではなく、出来るだけ引き付けて使用したい札です。

ちなみに、価格的な問題でオーク無しのリストも検討していましたが、空いた枠にドラゴンの怒りの媒介者を入れ、炎刃の達人、ゴブリンの知識、インティ、探偵のフェニックス等を減量してミシュラのガラクタを採用すればある程度戦えるようになると思います。
ただ、この1枚が担う存在があまりに大きすぎる為、最高出力のデッキを回したい場合、腹括って4枚投入する事をお勧めします。


○太陽の執事長、インティ/Inti, Seneschal of the Sun

直近のイクサランから追加された、比較的新顔のクリーチャー。
テキストがややこしいですが、攻撃時に手札を捨てる事で攻撃中のクリーチャーへ+1/1カウンターとトランプルの付与、手札を捨てたことによる誘発で次の自分の終了ステップまで使える衝動的ドローの2つに分けられます。
手札を度々投げ捨てるこのデッキにはうってつけの能力で、他カードとのシナジーも多い為重宝する場面が多々あります。
効果処理として覚えておきたいポイントが2点あり、まず1点目がインティがいる状態で燃え立つ調査ゴブリンの知識を使うと、誘発条件は手札を1枚"以上"捨てるたびなので、衝動的ドローは1枚のみの処理となります。
そして2点目は衝動的ドローは次の自分の終了ステップまでなので、相手のターンに手札を捨てた場合は次の自分のターン終了時まで使用することができます。細かい部分ですが役に立つ場面もあるので覚えておいてください。


○ゴブリンの知識/Goblin Lore

燃え立つ調査の亜種的存在。
自分のみ4枚ドローした後手札をランダムに3枚捨てるため、ハンドアドバンテージを失うことなく手札入れ替えができます。
そのかわり2マナと比較的取り回しの悪いので、単なる手札入れ替えではなく出来れば手札に虚ろな者があるか、場にネザーゴイフ炎刃の達人等シナジーを活かせる生物がいる状態で使いたい所。
燃え立つ調査にも言える事だが、ドローが絡むスペルは常にオークの弓使いをケアして動く必要があります。


3マナ帯


○探偵のフェニックス/Detective's Phoenix

MH3で追加された期待の新人その2。
基本スペックは3マナ2/2飛行速攻と物足りない内容ですが、こいつの本質は速攻と+2/2修正を付与する授与効果にあります。
授与は手札、墓地どちらからでも使用する事が出来るため、ランダムディスカード等で墓地に落ちた際にも腐らず有効活用が可能な所がとにかく強いです。
授与の追加コストとして証拠収集6が必要ですが、サイクリングした通りの悪霊や燃え立つ調査などで墓地に行ってしまった虚ろな者など、種となる札は案外多く見た目以上に上手くかみ合っています。
授与でクリーチャーに付いた後、授与したクリーチャーが除去された場合、探偵のフェニックスは元の2/2飛行速攻クリーチャーに戻り場に残るため、場待ちも良い所も評価高いです。


5マナ帯


虚ろな者/Hollow One

当デッキの主役たる存在。
最近格好いいプロモ版が出て若干認知度が上がりました。
基本的にはこのカードを手札に抱えた状態で燃え立つ調査ゴブリンの知識を使い、手札を捨てたことによるコスト軽減で無料キャストすることが目的となりますが、他とのシナジーも増えたためその辺を少し深堀します。

まずは上記したネザーゴイフとのシナジー。ネザーゴイフは自分の墓地にあるカードのカ-ドタイプ種類を参照してサイズが変動します。
この虚ろな者は"アーティファクト/クリーチャー"のタイプを持つため、1枚で2タイプ分のサイズ補正がはいります。この事を活かし、攻撃時ブロック指定後にインスタントタイミングでサイクリングすることでサイズを上げる事も出来るので、小テクとして頭の片隅に入れておいて下さい。

次は探偵のフェニックスとのシナジー。これは単純明快で、虚ろな者を早期に無料キャストした時、探偵のフェニックスを授与することができれば最速2t目から6/6飛行で攻め込む事が出来ます。異次元のクロックスピードを体感しよう!!


通りの悪霊/Street Wraith

合言葉は「ペイ2、1ドロー」
2点ライフを支払ってサイクリングする事で1ドローとやってることは自傷行為でしかないですが、コスト無しにデッキ圧縮と墓地肥やし、カードを捨てるという3つの行動を同時にこなすことができる唯一無二の札です。
他採用カードとのシナジーを詳しく説明すると、ネザーゴイフのタイプ参照、炎刃の達人のパンプアップ、太陽の執事長、インティの衝動的ドロー、探偵のフェニックスの授与コスト、虚ろな者のコスト軽減、アゴナスの雄牛の脱出コストが挙げられます。こいつ仕事しすぎじゃねえか?
とは言えバーンやアグロの対面では2点ダメージが痛すぎるので、サイドアウトする事もしばしば。
稀によくあるパターンとして、お互いにリソースが切れトップの捲り合いになった時のマナフラ受け、沼渡りが染みる場面もあります。
このデッキにおける縁の下の力持ち的存在です。


○アゴナスの雄牛/Ox of Agonas

誰が呼んだか通称「アンリコビーフ」
基本的な運用としてはハンドリソースが切れてくる中盤~後半にかけて、墓地から脱出コストを支払い出す事を想定して採用しています。
ただ、脱出コストの8枚追放がネザーゴイフ探偵のフェニックスとかみ合わせが悪いため、墓地に余裕がない場合は”最後の手段”としての考慮が必要です。
とは言え脱出して着地さえできれば3枚ドローと5/3の強力なカードですので、基礎となるデッキ構築では2枚のみ採用しています。



土地


3マナぐらいであれば必要な動きはほとんどできるので、土地はギリギリまで削った18枚の構築となってます。
その割り振りについては諸説ありますが、実戦で回してみた感じ下記の内容で安定していたので参考までにご覧ください。



基本土地 山、沼 各1枚


血染めの月、海メイガスこと海の先駆け用に最低限の基本土地を採用。
土地はギリギリまで削りたいので、色を変えない限りはこの基盤がベースとなる予定です。


各種フェッチランド 10枚

土地基盤を安定させ、ネザーゴイフのタイプ参照、アゴナスの雄牛の脱出コストにも活用できるため多めに採用。その分ライフの消費が多くなるので、対バーン、アグロの対面では持ってくる土地は慎重に選びましょう。

大音声の劇場/Raucous Theater(赤黒諜報ランド) 1枚

トップ1枚弾くだけで戦況が大きく変わる場面もあるので、お守り用にもあると嬉しい1枚。ここ最近実戦で回した結果、後半で欲しくなる場面が多かったので、ショックランド減らして2枚に増やそうか迷ってます。

血の墓所/Blood Crypt(赤黒ショックランド) 4枚

アグロデッキなので基本的にはフェッチからのショックイン!
3マナぐらいで止まるのが理想な構築なので、マナ基盤的にもよっぽどの理由がない限り文句なしの4枚採用です。ただ、最近は諜報ランドに揺らいでます。

栄光の闘技場/Arena of Glory 1枚

MH3から登場した速攻を付与する土地。これが出るまではハンウィアーの要塞を採用して色が出ないと泣いていたのでかなりありがたい新カードです。
1枚あるだけでもお守りとして染みる場面が多々ありました。




サイドカード


サイドカードについては店舗メタもあると思うので、相性が良いものや自分が採用しているものについてザックリ解説していきます。
環境の変化や新たな発見があれば適当に追記していく予定です。


○外科的摘出
環境に多いフレージや御霊シュート向け。不意のコンボにも対応できるので取り回しが良い。エルドラージトロン相手にも燃え立つ調査でトロン土地を落とした後に指定することで一部対策が可能。可能性は無限大。

○思考囲い
対ディミーアマークダイド、ジェスカイエネルギー用。
コントロールが苦手なので多めにとることが多い。外科的摘出とも相性良し。指輪は見たら抜いてください。

○紅蓮地獄
対マルドゥエネルギー用
オセロットや色めき立つ猛竜、アジャニ等といった1枚で2枚分の横並び性能を持つカードが多いので、その対策全体火力をは2枚ぐらいあったほうが良いと思ってます。無難に紅蓮地獄をチョイスしていますが、アーティファクト対策も兼用できる兄弟仲の終焉も検討できます。しかしこちらは3マナとやや重いのでその辺は店舗メタや好みで決めてみてください。

○血糊の雨
対ボロスエネルギーやライフリンク対策。魂の導き手+オセロットでアホみたいに回復されると攻撃で削り切れなくなる場合が多々あるので、あったほうが良いと思う。

○魔道士封じのトカゲ
対ルビーストーム、果敢ビート、ボロスバーン用。ルビーはこれ1枚でほぼ止まります。稲妻に焼かれないタフネス4が偉すぎる。

○減衰球
対トロン、アミュレットタイタン、ルビーストーム、果敢ビート用。
見れるデッキが多いので再度採用率が高いです。ただ、最近のトロンはコジレックの命令等小回りが利く札が多いので過信は禁物。

○黒曜石の焦がし口
対トロン、ウルザの物語用。
コストがやや重めですが、土地破壊とクロック両方を兼ね備えているのでやっぱり強いです。飛行とサイズも中々優秀。

○致命的な一押し
上記した稲妻の解説でも触れましたが、最近はマスト除去なクリーチャーが多いのでこっちが欲しくなる事もあります。
サイドに余裕があればお守り用に2枚ぐらいあると嬉しい。

○血染めの月
やっぱり強いぜブラッドムーン。
マルドゥエネルギーを筆頭に3色以上の構築は多いので。トロンも多くなってきているので、無難に強いです。
ただ使ってみるとわかると思いますが、3マナが中々重い。2枚ぐらいの採用がちょうどいいと思います。

○未認可霊柩車、トーモッドの墓所、魂標ランタン
軽めの墓地対策カード。今の環境的に虚空の力線が必要なほどガッツリ墓地対策しないといけないデッキは少ないので、軽めのものをどれかしら採用。

○ダウスィーの虚空歩き
対墓地リソースを使用するデッキやヨーグモス医院用。
黒黒の要求コストがネックだが、クロックとしても優秀。燃え立つ調査で不意に落ちたデカ物をキャストできる場面もあるので、対トロンでも活用できる。

嘲笑+負傷
対指輪用最終兵器。
イクサランの分割カードで3マナとやや重めだが、効果はダメージ倍化+軽減不可能力という対指輪用に最高な性能を持つ。墓地に落ちた後も余波で唱えたり、探偵のフェニックスの授与コストとして活用可能。
指輪に泣かさせてきた人にオススメの一品。




採用が検討されるカード


ここからは採用が検討されるカードについてザックリ解説していきます。
こちらも環境の変化や新たな発見があれば都度追加する予定です。


○致命的な一押し
自分がよく利用する店舗でカエルが増えてきたのでメインから入れた方がいいのではないかと思い、最近自分が回しているリストではインティとゴブリンの知識を減量して採用。今のところ邪魔になることもなく、使用感は良い。

○ドラゴンの怒りの媒介者→ミシュラのガラクタ(セット)
炎刃の達人とインティを抜き上記2種を採用した、より攻撃的なデッキの入賞記録が確認されています。

実際、諜報によるトップの安定感や火力面では基礎構築より軍配があがりますが、より墓地に依存するリストとなるため、虚空の力線やヴェクの聖別者、ダウスィーの虚空歩きなどといった強力な墓地対策カードに弱くなる傾向にあります。
その辺は一長一短ですが、使ってみない事には何とも言えないので、基礎構築を十分に回した後はこちらの構築も試してみる予定です。


○超能力カエル→不可思議(セット)
色々なデッキで試されている超能力カエル君ですが、当デッキともかなりシナジーがあるので、タッチ青をしてでも採用したいカードです。
まずインスタントタイミングで好きな枚数手札を選んで捨てる事が出来る、野生の雑種犬を思わせる起動能力を持っているので、燃え立つ調査より安定して虚ろな者を踏み倒す事が出来ます。また、インティの衝動的ドローも捨てるたびに誘発するので、かみ合わせが非常に良いです。
セットと表示されいてる不可思議は墓地に落ちている状態で島をコントロールしている場合、クリーチャー全員に飛行を付与するカードです。1枚差しでも活躍する場面があるので、青をタッチするなら採用することをお勧めします。
青をタッチすることでサイドから打消しを入れることが出来るので、構築の幅が広がります。詳しくは以下のリストを参照ください。


○永劫のこだま
このカードはかなり諸説あるので、今回は軽く紹介するだけにしておきます。MH3発売直後、衝撃的なリストがXにて公開されました。

ヤバすぎるだろ。絶対なんらか法に触れてるって。
オークが盤面にいる状態で永劫のこだまを唱えると、墓地と手札をデッキに戻しお互い7枚引くためオークが弓が7回誘発します。世も末だろ。
墓地もデッキに戻すため、若干復習蔦の取り回しが悪そうに見えますが、なかなかどうしてよく考えられたリストです。
あいにく永劫のこだまとカエルの手持ちがないため、実戦で使ったことは無いリストですが、余裕があればプロキシで使用感を試してみたいです。


○立身/出世
パイオニアのラクドス果敢で採用され話題のカードですが、当デッキでもメインから無理なく採用できると思っています。
除去されやすいオークやネザーゴイフを低コストでリアニメイトできる立身と、墓地から唱えることができ+2/0修正と速攻を付与して最後の押し込みにも活用できる出世。どちらも明確な使用場面がありマナフラ受け、探偵フェニックスの授与コスト3マナ分としても期待できます。恐らく2枚ぐらいの採用がバランス的にも良いと思います。




現在のモダン環境とホロウワンの立ち位置


最後になりますが、なぜ今ホロウワンという太古のアーキタイプが再燃しているのか、現在のモダン環境とその立ち位置について自分なりに考えをまとめておきます。


1.墓地対策へのガード

以前までのモダン環境ではリビングエンド、ラクドス想起という強力な墓地利用デッキが一定層存在しており、その分サイド、もしくはメインから墓地対策カードを多く採用しているデッキが散見されました。
ホロウワンも復讐蔦ドラゴンの怒りの媒介者等を採用する事で程々に墓地リソースを活用した構築が多く、墓地対策カードの巻き添えを食らっていたのです。

しかし時は流れ、続唱を持つカード悲嘆の禁止により、墓地リソースを活用したデッキの存在感が薄れ、次第に墓地対策に割く枚数が減ったことでガードが下がってきました。

上記したMH3以降のマルドゥエネルギー、黒単ネクロ、ディミーアマークタイドなどは一部カードが墓地を活用するが、ガチガチに対策するよりはそのカードをピンで狙って対策する方に軍配が上がっています(主にフレージ君の事です)。

これにより、ネザーゴイフや探偵のフェニックスなどの墓地リソースに依存する新規カードのスペックを最大限引き出すことができ、空いた隙間に収まる高速アグロコンボデッキとしての地位が確立されました。

2.除去札の変化


環境の高速化が進み、低マナ域のカードが多くなっていることもあり、除去カードにも変化が起こっています。
以前までは赤黒を含むデッキでは終止や溶鉄の崩壊、邪悪な熱気、白を含む多色デッキでは力線の束縛といった多少取り回しが悪くても確定で除去できるカードの採用が多く見受けられました。
しかし、ラクドス想起やトライバルズーといったアーキタイプの使用率減少に伴い、多少制限があるものの低マナで安定して除去できる稲妻や致命的な一押しの採用がほとんどとなりました。

そこで名乗りを上げてくるのが我らが虚ろな者です。
4/4の優秀なサイズ感と5マナの為、稲妻の3点火力と紛争を達成した致命的な一押し両方から逃れる事ができ、相手からすればかなり処理し辛いカードと言えます。
サイド後のピン除去やアーティファクト対策には成すすべ無いですが、メイン戦では持ち前の速度感も相まって圧倒的な火力を発揮することができます。

3.主要デッキの偏り

MH3以降、大会に参加して右を向いても左を向いてもエネルギーばかり、そんな経験皆様ありませんか?
かと言う自分もMH3発売直後はボロス/マルドゥのエネルギーデッキを握っていましたが、ミラー戦になるとフレージの投げ合いになって長引き、先に引いた者勝ちとなる場面が多々ありました。

そんな状況で他のデッキも回してみたいなー、何か面白いデッキ無いかなーという人にうってつけなのがこのホロウワンです!!!

ランダム要素が多く、最初から最後まで理詰めでの勝負がしたい人には進め辛いですが、ある程度の上振れ下振れがあり、運要素も笑って許容できる人には最高なデッキだと思っています。



最後に


新環境の構築についてちょこっとまとめるつもりが、気が付いたら8000文字超えてました。
相変わらずの駄文、長文となりましたが、最後まで読んでくださった方々この場を借りてお礼申し上げます。

この記事が現構築のホロウワンの使い方や対策の糧になれば幸いです。
またこの記事を読んで、ホロウワンというデッキに興味を持って頂けましたら幸甚に存じます。


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