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宙わたる教室 感想メモ
放送中はリアタイできていなかったけど、実家の両親がとても良いとおすすめしてくれたのでプライムで一気見しました。
予備知識なし、1周目の感想です!ネタバレ注意です。
大阪府のとある定時制高校・科学部。年齢も抱える事情もさまざまな生徒たちが、2017年、科学研究の発表会「日本地球惑星科学連合大会・高校生の部」で優秀賞を受賞。彼らの実験装置は意外な人物の目に留まり、「はやぶさ2」の基礎実験に科学部として参加する想定外の事態も――。この実話に着想を得て生まれた感動小説「宙わたる教室」を、窪田正孝さんを主演に迎えてドラマ化する!
あらすじ:
東京・新宿にある定時制高校。そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。負のスパイラルから抜け出せない不良の柳田岳人(小林虎之介)。授業についていくことを諦めかけた、フィリピン人の母と日本人の父を持つ越川アンジェラ(ガウ)。起立性調節障害を抱え、保健室登校を続ける名取佳純(伊東蒼)。青年時代、高校に通えず働くしかなかった長嶺省造(イッセー尾形)。年齢もバックグラウンドもバラバラな彼らの元に、謎めいた理科教師の藤竹(窪田正孝)が赴任してくる。藤竹の導きにより、彼らは教室に「火星のクレーター」を再現する実験で学会発表を目指すが、自身が抱える障害、家庭内の問題、断ち切れない人間関係など様々な困難が立ちはだかり・・・
窪田正孝さん演じる藤竹先生の、生徒との距離感がとても好き。
私が知っている教育ドラマは、GTO・ごくせん・ドラゴン桜。
どれもやんちゃな生徒に熱い教師がガンガン関わって、生徒の成長をぐいぐい引っ張るイメージがある。
でも、この藤竹先生は違う。
熱く生徒に語りかけたり、説得したり、喧嘩したり…なんてことはしない。
こうすべき、みたいな方向を指し示したり、引っ張ろうとするわけではない。
ただ、場を作り、きっかけになりそうなものを用意し、見守る。
例えば、学習能力に困難がある生徒につきっきりで専門外の教科を教えたりはしない。
保健室登校の生徒が教室に通えるように何かサポートするでもない。
藤竹先生は、淡々と(しているように見える)担当科目の授業をし、科学部という場を用意する。
なんとなくだけど、藤竹先生のセリフは「…」みたいな沈黙というか、余白が多い気がする。
その.…間にきっと藤竹先生は相手の反応を窺っている。
この生徒の本心は、本当は何をしたいのか。
目の前の生徒が本質的に何を求めているのか冷静に捉えている。
そして科学部という場を作る。
場を作り、あとはその生徒がしたいことをそっと支える。
そして、生徒の小さな変化も先生は見逃さない。
その、まず冷静に見守る姿勢ってなかなかできないと思う。
私なら苦しそうな生徒を前にして、心を軽くしたくて咄嗟に何かを言ってしまう気がする。大丈夫だよ、なんとかなるよって。
でもこんな無責任な大丈夫は、本当に相手を思って放つ言葉ではないのかもしれない。
自分の罪悪感や無力感を誤魔化すための、少し漂って消えるだけの言葉。
藤竹先生の「…」の姿勢は、人によっては物足りないかもしれない。
でも先生が作った場で、成長や変化のきっかけを掴んだのは生徒たち自身。
自分で掴んだということが、この後の人生においてもずっと糧となり強みになる。
藤竹先生と生徒たちの距離感がとても心地良かった。
くっつきすぎず、でも確かに絆が育っていく感じ。
このご時世、通信教育や便利な教育ツールはきっとたくさんある。
効率だけで考えれば、もちろんその手段も有効だ。
でも、多種多様な人が1つの目的で同じ教室に集まる意味も、きっとあると感じた。
何歳になっても何かを学ぶことはできる。
まずは手を動かす、というセリフがあった。
仕事をしながら、学習能力障害を克服するために講座に通い、授業を受け、科学実験に没頭する柳田岳人の姿に、私も学びのやる気が湧いてきた。
全体的に青みがかったような映像で、
藤竹先生がいつも青いシャツを着ていて、映像の雰囲気もとても好きでした。
もう1周したい。