２０２５共テ・ドイツ語解説
どうもとまーてん（X：O_U_F_S）による即席の解説です。今年は問題形式が変更され、混乱した受験生も多かったのではないでしょうか。
第1問
問1
メールの空所補充問題です。
1：sich für et4 bewerben のため④mich
2：予定なので分離動詞の vorhaben「予定である」、②vor
3：2格支配の前置詞は während のみであるため⑦während
4：過去分詞が当てはまるため①との2択になるが、試験なので⑤bestanden「合格した」
5：jm. et4 mitteilen で人称代名詞3格に絞られ、「知らせていただけないか？」という内容のため⑨mir
6：jm. et4 schicken のため人称代名詞の3格で、履歴書は相手に送られるため③Ihnen
7：über et4 freuen「4を嬉しく思う」のため⑥freuen
問2
不定冠詞類や形容詞の格変化が問われました。
8：mit mein④em Bachelorstudium 3格中性（不定冠詞）
9：seit mein②er Schulzeit 3格女性（不定冠詞）
10：für ein①e Bewerbung 4格女性（不定冠詞）
11：zu einem persönlich⑤en Gespräch 3格中性（混合変化）
第2問
以前（2024年まで）の第3問と同じです。ただ小問数が3つに減っています。
問1
メディアが今日至る所でデジタル化されているとしても、印刷された本は今後も読まれ続けると私は確信しています。
Ich bin mir ④sicher, ①dass gedruckte Bücher weiterhin gelesen werden, ③auch wenn ②man Medien heutzutage überall ⑥digitalisiert.
不要選択肢⑤bestimmt
Ich bin mir sicher, dass … は定番の構文なので覚えておきましょう。auch wenn は「仮に〜であっても」と副文を導きます。
問2
院内にいる間はマスクの着用をお願いします。
Wir ③bitten Sie ④darum, eine Maske zu ②tragen, solange ⑥Sie im Krankenhaus ①bleiben.
不要選択肢⑤danach
um et4 bitten は共通テストドイツ語必出の単語です。今回は zu 不定詞句をとるために darum になっています。また solange は従属接続詞のため15には動詞の①bleiben が入ります。
問3
政府の様々な具体的対策にもかかわらず、その国の人口は今もなお急激に減少している。
⑥Trotz verschiedener konkreter Maßnahmen ②der Regierung ⑤geht die Bevölkerung des Landes immer noch drastisch ①zurück.
不要選択肢④obwohl
2格支配の前置詞が欲しいので16には⑥trotz が入ります。使われている動詞は分離動詞の zurückgehen「減少する」で、分離前綴りの①zurück が17に入ります。
第3問
昨年までの第4問に近しい構成です。
シュナイダー家に届けられた宝くじ当選を知らせる手紙。狂喜乱舞するシュナイダー家の会話です。
問1
当てはまる反応を選ぶ問題です。
母：Was? Du willst nicht mehr arbeiten?
何？これ以上働きたくないですって？
父：【18】? Im Büro habe ich immer nur Stress.
【18】？職場ではストレスしか溜まんないし。
父親は働きたくないのに母親が否定的な反応をしてきたので、それについて言い返します。そのため正解は①Warum nicht（なんでダメなんだい）になります。
問2
意図されている内容を選ぶ問題です。
19：Was ist denn mit euch los?
あなたたちには一体何が起こっているの？
その直前に Moritz が「ならこれ以上学校には行きたくないよ！」と発言し、それを母親はたしなめようとしています。続けてキャリアを進めるとあるので、母親はその発言を理解できません。②Ich verstehe euch nicht!（あなたたちを理解できないわ！）になります。
問3
それぞれの望みを一致させるものです。出典は9ページです。
母親：下から7行目、Urlaub
Lisa：上から3行目、Pferd
父親：下から11行目、Zeit für meine Hobbys＝Freizeit
Moritz：上から8行目、Auto
よって正解は②
問4
Moritz が人工知能アプリで当選時何をすればいいのかを尋ね、それに関する会話です。
意図されている内容を選ぶ問題です。
21：Das kommt nicht in Frage!
それについては考慮の余地がないわ！
続けて母親は「最終学年は必ず続けなさい」と発言しているので、適しているのは④Das erlaube ich nicht.（許すわけないじゃない）です。
問5
会話に出てきた人工知能アプリの提案を選択する問題です。
1つ目：上から1行目、仕事はやめない方が良い＝5
2つ目：上から5行目、他人を助けるべき＝3
3つ目：上から8行目、他人に当選を教えるな＝1
4つ目：下から2行目、小さな願いを叶える＝7
よって正解は③になります。
問6
賞金の使い道についてです。
①：正解
②：最初に欲しいといったものの購入に至っていないので不適
③：子どもたちの欲しいものも変更されたため不適
④：祖母の希望は文章中にないため不適
問7
内容一致問題です。
①：母親は、父親が仕事を辞めることに反対している。正解。
②：父親は会社を辞め、漁師になる。→釣りをしたいとはあるが、漁師ではない。不適。
③：Lisaが馬を手に入れたので、家族は田舎に引っ越さなければならない。→引っ越しはしないことになった。不適。
④：祖母がキャンピングカーで南フランスに行きたがっている。→提案者は母親である。不適。
⑤：Moritz は免許証を持っていないが、車を欲しがっている。正解。
⑥：家族は馬を引き連れて南フランスへと引っ越す。→あくまで旅行先であるし、馬は現地で見る。不適。
第4問
博士の発言内容とそれに基づいたメモを用いた問題である。
問1
メモの空欄に一致する選択肢を選ぶ問題である
ア：16ページ、上から14行目、100キロカロリー。
イ：16ページ、上から15行目、0.5リットル。
ウ：16ページ、下から3行目、12世紀
よって正解は③である。
問2
Hendel 博士が体液について述べていたことを確認する問題である。
① ：体液は飲食物を消費する。
②：体液は栄養素を含む。→上から8行目「体液は飲食物からの栄養を体内で運搬する」ということは、体液内に栄養が含まれているということである。
③：体液は飲食物を運搬する。
④：体液は栄養素を作る。
問3
空欄に最も当てはまる選択肢を選ぶ問題。
Wasser zu trinken ist【28】!
16ページ12行目：Es (das Trinken von Wasser) kann also ein Heilverfahren sein. 水を飲むことはまた治療法の一つでもあるだろう。そのため一致するのは④Heilmethode（治療法）。言い換えである。
問4
一致する選択肢を選ぶ問題である。
【29】ローマ人は……16ページ下から8行目、水治療法をしていた。③
【30】アラブ人は……16ページ下から5行目、冷水を使用していた。⑤
【31】薬 剤 師は……17ページ上から3行目、鉱泉を発見していた。⑥
問5
会話の内容と一致するものを選ぶ問題。
①湯治場ができて以降、ドイツでは水治療法が人気となった。
→17ページ上から2行目に一致
②この公演のテーマは「今日のドイツにおける冷水文化」である。
→一致しない
③古代においては様々な治療薬が肝臓病に治療に用いられた。
→一致しない
④ダイエットのためには毎食前に水を摂るべきだが、必ずしも冷たい水である必要はない。
→16ページ下から12行目に一致
⑤多くの湯治場ではかつて薬剤師がすでにミネラルウォーターを売っていた。
→一致しない
⑥ドイツでは痩せるために毎日冷たいお風呂に入る。
→一致しない
第5問
ドイツらしい環境関連の話題である。特にラベルを選択させる問題は、慶応SFCのドイツ語入試に似た傾向を感じた。
問1
要約問題である。
Viele Deutsche zeigen Interesse dafür, dass Lebensmittel【34】
ドイツ人の多くが、食料品が〜ことに関心を示している。
①とても安く、国際的に製造されている
②特に新鮮で鮮やかに見える
③特に美味しく長持ちする
④とても環境に優しく製造されている→資料の左下（79%）に一致。
問2
本文に関連する選択肢を選ぶ問題である。
Sie wünschen sich mehr Transparenz beim Einkauf.
顧客は買い物において更なる透明性を求めている。
顧客は【35】。
一致するのは②もっと製品について知るために、企業の透明性の高い情報を求めている、である。
問3
資料の情報に一致する選択肢を選ぶ問題である。
資料1によると、74%のドイツ人が食料品の包装に書かれている情報のうち、遺伝子組み換えでないことを重要視しているので、一致するのは②である。
問4
ドイツの食糧政策についての問題である。
20ページ下から9〜10行目「環境に配慮した地域の食料品の割合を幼稚園や学校、企業で上げたい」に一致するのが①である。
問5
本文で話題になっているラベルについて選択する問題である。
【38】20ページ下から7行目：Tierwohl（動物の幸福）を表すために、飼育状況の品質を示すラベルがある→⑤が一致。
【39】20ページ下から4行目：栄養価について等級で表されているカラフルなラベルがある→③が一致。
問6
文章のタイトルとして最も適しているのは④「ドイツにおける環境志向の消費行動」である。
第6問
色の受け止め方の違いに関する文章である。
問1
「白と黒という色は【41】であった。」という空欄に当てはまる選択肢を選ぶ問題である。本文24ページ上から3〜5行目では「白と黒は反対を表すために使われ、その結果として、両色は対比的な意味を持つようになった。」とあるので正解は②「その性格をその対比を通じて備えるようになった色」である。
問2
①→24ページ下から12行目に一致
②→チェスの色が当初は黒と赤であっただけである
③→本文に記載がない
④→中世カトリックの介入以降のため、古代ではない。
⑤→24ページ下から9行目に一致
⑥→黒と白の対比である
問3
「迷信深い人々は黒猫を恐れていた。というのも黒猫は【44】からである」という空欄に当てはまる選択肢を選ぶ問題である。正解は25ページ上から10〜11行目「悪魔の色である黒色への恐怖」に一致する③「悪魔と同じ色であった」である。
問4
下線部45の内容を問われている。「これについては明確な答えがない」
前文で「黒は同じ文化圏においても脈絡次第で異なった解釈がされうるが、これはなぜなのか？」とあるため②が正解となる。
問5
本文に一致する選択肢を選ぶ問題である。
①
②→24ページ下から6行目以降に一致
③
④
⑤→25ページ下から11行目以降に一致
⑥
問6
本文のタイトルに相応しいものを選ぶ問題である。選択肢③「黒と白の歴史：色の意味が我々の思考にどのように影響するのか」が最適であろう。
最後までお読みいただきありがとうございました。ドイツ語受験界隈やドイツ語界隈の発展に寄与できれば幸いです。