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ソーシャルVRのこと(2)概論的な…

VRなんもわからんという人向けの記事です、なんかメタバースでビジネスやってみたいんだよねー、とか、かわいいアバター着たいなあ、いろんな期待があると思います、今回はメタバースってなに?というのと、ソーシャルVRでなにやってるの?について書いてみます。

トップの画像は懐かしい…はじめてワールドを作った時のものです。白い平面に、巨大な文字を浮かべて、ミラーと木とQVペンを置いただけ…それだけでもヘッドマウントディスプレイをつけて没入できたときは感動でした。
5月で、ちょうどPCVRになって1年がたちます、ようやくこんな記事を書いてもいいのかも、と思えるようになりました。

というわけで今回は、次のようなお話し書いてみようかなと思います。

・メタバースってそもそもなんだっけ(文字多め)
・ソーシャルVRでなにやってるの
(画像多め)

メタバースってそもそもなんだっけ

”メタバース”という言葉が、目立って出てきたのは、2021年頃でしょうか、当時のfacebook社が、これからは”仮想空間”でのコミュニケーションに力を入れる、と言い出した時です。このときに、”仮想空間”をメタバースと呼んだので、一気に一般化した記憶があります。

さて、このメタバースって言葉、原典があります。
それは、1992年のSF小説”スノウ・クラッシュ”という米国のニール・スティーヴンスン氏の著作です、このSF小説の中で提供されているオンライン上の仮想空間が”メタバース”です。メタ=超越した、ユニバース=世界
つまりメタバースとは”超世界”みたいなニュアンスなんでしょうか…

メタバースは一気にビックワード化しました。諸説ありますが、メタバースは仮想空間だけでなく、NFTや暗号通貨など、ブロックチェーン技術を使ったプラットフォームや、オンラインゲーム、仮想空間上の区画売買といった投資ビジネスなども含めて総称したものになっているようです。
これらは一見バラバラなのですが、仮想空間のなかにこれらが統合されると、なんとなく現実世界の対比としてまとまるのかな?みたいなもやっとしたものだと理解しておいてよいのではないでしょうか。

メタバースの全体イメージ(抜け漏れはあるかもしれない…)

仮想世界と呼ばれているのは、オレンジのボックスのところといえるかもしれません、今はバラバラですが、いつかつながる日が来るかもしれません。ただ、これは私個人の見解という事を先に伝えておきますが、仮想世界は現実世界の経済(例えば法定通貨に基づく取引)を持ち込まない方がいいだろうな、と思っています。もちろん仮想世界の外では、今も経済は回っています。例えば、3Dデータを販売する。アバターを販売する、B2Bビジネスでいえば、見本市用のブースやワールド制作などがそれです。しかし、いまのところソーシャルVRの中ではまわっていないのです。しかしそれゆえの現実世界とは異なる価値観がユーザー達に回っている、という事が出来ます。

ん?メタバースを最初に掲げたMETAは?とお思いになった方もいるかもしれません、そうなんです、METAは私の中では仮想空間というよりは、ZOOMなどの遠隔コミュニケーションに仮想空間を活用した物ととらえています。つまり、現実世界の延長のツールやコミュニケーションプラットフォームを作ろうとしていると見ています。これはこれで大事な事ですし、実はとてもユニークな立ち位置を作っています。実名SNSのFacebookらしい考え方だなと思っていますし、現実世界と重ね合わせた情報提供を行うARとは相性がいいでしょう。そして、現実世界を拡張するような表現や情報提供をするMRは、現実の人と仮想空間の人があたかも同じ空間でコミュニケーションをとっているかのようなことが出来る可能性があると思います。

ソーシャルVRでなにやってるの?

現在、日本国内で利用できるソーシャルVRは、この4つあたりかなと思います。この記事におけるソーシャルVRとは、ヘッドマウントディスプレイで360度ビューで仮想空間に入ることが出来て、複数の人とコミュニケーションができるプラットフォームという意味でこの言葉を使っています。

VRChat / Cluster / NeosVR / ChilloutVR

私はこのうちの、左側3つのアカウントを持っていて、実際に入っています。しかし、メインになっているのは、VRChatとNeosVRです。さすがに3つのプラットフォームをまわるのは大変ですから、どこかに重みが出てしまいます、2022年4月にVRChat、5月にCluster、7月にNeosVRにアカウントを作って入り始めました。

どのプラットフォームも、できる事は同じでありながら、結構違います。
まずは同じことをいうならば…

・仮想空間で複数の人とワールドの中でコミュニケーションができる。
・アバターをユーザーが導入して使うことが出来る。
・ワールドをユーザーが制作して公開できる。

…という点です。まあ、当たり前だろ、っていう話ですが。まだやったことがない人に伝えるべきは、ソーシャルVRはとりあえずこういう機能がある、ということでしょうか。

アバターとは、仮想空間の中でユーザーが存在するためのボディです。
サンスクリット語の、化身を表す言葉が”アバター”
ユーザーが自らの化身に、魂を入れて仮想空間に存在するイメージですね。

ヒューマノイド(人型)、人外(動物などの生物)、ロボットなどがよく見るタイプですが、幽霊や車のような変わったアバターも存在しています

さまざまなアバターが使われています。

ワールドとは、アバターで行くことが出来る様々な仮想空間の事です。
 ユーザーはこの中で、お話をしたり、ゲームをプレイしたり、冒険をしたり、睡眠を取ったり、のんびりしたり、まあ、思い思いの事をしています。

 それらに適したワールドが日々ユーザーでもあるワールドクリエイターの手によって生まれていて、居心地の良いお部屋、大自然、宇宙空間、美術館やカフェ、都市空間、ホラーゲーム、幻想空間、集会場、見本市会場、酒場、などがあります。それらはさまざまな趣向が凝らされています。

お部屋ワールドの例
フォトグラメトリによる建築物のアーカイブワールド
コンテナを積み上げて遊ぶワールド
有名な建築のワールド
絵画の中に入り込んだようなワールド
お祭りのワールド

 また、集会と呼ばれる、人が集まるイベントが多数あります。
 集会は、学術的なディスカッションや同じアバターが集合するもの、ワールドを巡るツアー、誰かの誕生日、DJイベント、ラジオ体操などがよくあるイベントかもしれませんが、それらを行う場所もワールドです。

ラジオ体操(VRChat)
ラジオ体操(NeosVR)


アバター集会
飲み会も行われています

 そして、規模の大小はありますが、見本市イベントも開催されており、気に入ったものはソーシャルVRの外で購入して、ユーザーが自分の手で導入していきます。

VKet2022Winterの様子(パラリアル名古屋)
見本市のブース内の様子1
見本市のブース内の様子2
見本市のブースの様子3


VKet2022Winterの出展企業…多くの企業がすでに出展しています

ソーシャルVRでの過ごし方は人それぞれです
それぞれにあった、プラットフォームを使うのがよいでしょう。
そして、そのプラットフォームの違いについても、ちょっと書きます。

ソーシャルVR、各プラットフォーム別の特徴

最初に書いたように、日本国内で気軽にアカウントを作って入ることが出来るのは、VRChat / Cluster / NeosVR / ChilloutVR の4つです。
この4つはすべて、ヘッドマウントディスプレイで空間に没入して、複数の人がコミュニケーションできるプラットフォームです。ただ誤解のないように伝えなければいけないのは、ヘッドマウントディスプレイが無くても、画面上でネットゲームをプレイするように、中に入ってコミュニケーションをとる事も可能ですので、ヘッドマウントディスプレイを持っていなくとも、これらのプラットフォームに入る事が可能です。

VRChat
米国企業が運営しています、ユーザー数は世界的にも、日本国内的にも、同時接続数が最多のプラットフォーム。ユーザー数が多いので、たくさんの人と会いたいときはこちらのプラットフォームをお勧めします。
コミュニケーションは会話がベースとなりますが、ペンを使った筆談によるコミュニケーションもよく使われています。最近はチャットボックスの表示が可能になったので、文字を表示させてコミュニケーションをとる事も可能になりました。人が多いので、集会やワールドの多彩さ、見本市の開催なども多く行われており、それらを楽しむにはお勧めかもしれません。海外のユーザーも多く、これまでは日本人メインだった場所でも、語学が堪能な海外の方々が日本語でコミュニケーションを取ってくれることが増えました。

多彩でクオリティの高いワールドや、さまざまな人が魅力のVRChat


Cluster
日本企業が運営しています、スマートフォンからアクセスできることも特徴です。当然のことながら日本人が多く、そういう最も安心して入ることが出来ます。
コミュニケーションは、チャットや絵文字を空間に浮かせて気持ちを表現するという方法がよく使われています。これはスマートフォンなどで屋外からアクセスする人が多いのもあると思います。もちろん会話する事も可能です。大きな特徴は、最大で500人の観客を動員するイベントなどに強いプラットフォームとして作られている事です、これは他にない特徴かもしれません。この特徴を活用して大規模の音楽イベントやカンファレンスなどを行ったりするのに向いています。運営者との距離が近いのが魅力という人もいます。

複数人でパーツを組みわせてつくるワールドやスマホアクセスなど、気軽さを重視するCluster


NeosVR
チェコの企業が運営しています、最も技術的な自由度が高いプラットフォームで、いつも誰かがかにかを作って楽しんでいます。コミュニケーションは会話がベースとなりますが、チャットボックスによるコミュニケーションや同時翻訳の仕組みなどもユーザーが作って広めています。ユーザーによる共創が盛んで、そうしたイベントが多いのも特徴です。他のプラットフォームと圧倒的に異なるのは、アバターやワールド制作、プログラム開発などの作業、アイテムなどの授受を仮想空間の中で行えることです。また、空を飛ぶことができるのも特徴です。これは気持ちいいです。
そして、ユニークなところは、NeosVRにはNCRというイーサリアムと連動する暗号通貨があることです。しかしこれはいろいろな事情があって、今は非常に低水準で価格が推移しています。仮想空間内で暗号通貨といえば、それは投資目的ではなく、流通を目指したものだったはずです、こうしたものが今後活きる方法があるのか、その辺もウォッチしていきたいところです。

仮想空間内でアバター導入したりワールド制作できる、仮想空間の活動が格段に多いNeosVR

ChilloutVR
このプラットフォームについては、私はアカウントを持っていないので、一般論のみとさせていただきます。
米国企業が運営。写真の授受などは仮想空間内で可能。
NSFWが明確なルールの上、公認されている。
※NSFWとは(Not Safe For Work)の略称、職場で見るとまずいもの、という意味で、具体的には性的な表現などを指す。

次回はソーシャルVRの中で起きている文化について

つぎは、ソーシャルVRの中で起きている文化などについて書いていきます
アカウントの作り方などは、様々インターネット上に記事があります。
例えば、”VRChat アカウント作り方”などと検索すればたくさん出てきますのでそちらを見ていただければと思います。
また、アバターの導入の方法なども、詳細な手順などが記された記事が存在しますし、アカウントを作って、中に入ってしまえばDiscordなどで非常に詳しい人の助言を受ける事も可能です。
お砂糖文化などについては、すでに多くの記事が存在していますし、ユーザーの意識調査なども行われていますので、その話はそちらにお任せして、こちらでは違う話をしてみたいと思います。たとえば、始めたら、まずはなにをするのか、とか、どういうコミュニケーションを取って、どんなお話ししてるのか、とか、気になりませんか?

また、アバターの導入やワールドの制作のしかたなどもプラットフォームによって違いますので、その辺も書いていきましょう。初心者に開発プラットフォームを使わせるというのもすごいのですが、そんなに難しいわけではありません。とはいえ、こんなことをみんなしてるのね、っていうのも知っておいてもよいかもです。

ゆくゆくは、ワールド制作時に気をつける事、3Dデータ販売の事、知的財産の考え方。などについても触れていきたいと思います。みんな興味あるのだろうか…気になったらいいね頂けると嬉しいです

ではでは、またこんど!



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