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金色の浦島太郎はどこへいく【Day2: ナミュール、ディナン】

昨日のWBC、日本vsオーストラリア戦。1回表でいきなり大谷翔平が3ランホームランを打って試合を決める。1番のクライマックスが1番最初にきてしまったパターン。そういうことは人生にだって当然のようにある。

僕もまたDay1でグラン=プラスの広場で姪っ子と再会し、夕食を食べたタイミングで、いきなり旅のクライマックスを迎えたような気分になっていた。「あぁ、これで旅の一番の目的は果たせたな」という高揚感と安堵感。これはまさに「初回の大谷3ラン決着パターン」である。(今後そう名付けようと思う)

おまけにDay2の空は曇天。なんなら旅の後半はずっと雨予報。初めての旅行先だからといって、空はいつも青色を用意はしていない。

朝から姪っ子に勧められたベルギーの南方、ナミュール、ディナンの街へ。

KIOSKみたいなところで売っている生搾りオレンジジュース機で生搾りオレンジジュースをゲットする。

せめてもの朝の楽しみ。ナチュラルな味わいが不安な心を癒す。そして街並みが最高に美しいとされる「ナミュール、ディナン」へ。

景色が綺麗だというディナンのお城へ向かう。
途中からみえる景色。

ラスボスが控えるお城に向かうような空気感。
せめて写真の露出を上げて彩度を上げてみようと試みる。

いや、これは正直、偽物だ。ファンタジーだ。本当はもっと陰鬱だった。なんだか無理して背伸びして着飾ってる人みたいな気持ちになる。本人が一番惨めになるパターンだ。やめよう。

でも、たぶん晴れていたら、とてつもなく良かったに違いない。自分の想像力を試される。やがて城の頂上付近に突如として金の亀が現れる。

なんだこれは。昔から母親が読み聞かせてくれた「浦島太郎」を思い出す。おっさん目隠ししてどこへいこうというのか。何の説明もないし、ネットで調べても何もでてこない。みながみな「謎の金の亀・・・」という曖昧な投稿をしている。

次の場所「ディナン」へ移る。
見たことのない景観。思わず、おぉと感嘆する。
しかし、やはり写真にすると鬱蒼とした感じが目立つ。

せめてほんの少しだけ色補正して雰囲気を出して見る。

だめだ、自分が惨めになるパターンを2度繰り返すことほど惨めなことはない。Adobe Stockで「ディナン」の街を探して見たらこんな写真がたくさん出てきた。

AdobeStockで購入したディナンの街並みの写真

なんだこれは。水面に街並みが反射する圧倒的美観。プロの写真家が印税目的で撮った写真であることを差し引いても美しい。たぶん姪っ子が見て僕におすすめしてくれたはずのディナンはこれに近い。思わずこれを記事のサムネに使いたくなる。だが、3度目はさすがにない。大丈夫、現実はそんなにあなたが思うほど美しくない。

大谷が3ラン打った後に、一度くらい逆転されたほうが本当は盛り上がるが、そのままいくことだってある。負けたわけではないのだからいいじゃないか。

そして、写真手前にあるマース川の対岸にあったカフェに入る。キッシュがうまい。ワッフルがうまい。カプチーノがうまい。料理は人を幸せにする。人を陰鬱さから解き放ち、陽の世界へ導く。

ブッリュセルに戻り家の近くの広場で写真を撮る。

鳩がうまい具合に飛び込んでくれて、気持ちのいい1枚が撮れる。
今日はこの1枚が撮れたからいいや。

(Day3につづく)

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