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コマ撮りアニメをつくってみた🍎

みなさんはコマ撮りアニメをご存知ですか?ストップモーション・アニメーションとも言ったりします。

人形をちょっとずつ動かしながら写真を撮って、それを連続することで動いているように見えるパラパラ漫画の実写版のようなイメージでしょうか。

実はおよそ2年くらいかけてコマ撮りアニメをつくりました。しかも尺はたったの8分18秒。短編です。

え?そんなにつくるのに時間かかるの?!

もちろん、これだけをやっていればもっと短期間でできたかもしれません。でも仕事の合間をぬいながらいろんな人の協力を得ながら作ったので、時間がかかりました。そして完成した作品がこちらです!

この作品がどのようにして生まれたのか。今日はそんなお話です。


1.物語の出発点

まずはどんな物語にも出発点が必要です。

ある日、新宿の喫茶店でコーヒーを飲んでいたら、ふと「おかしなりんごの木」というタイトルが思い浮かびました。僕はおもむろにメモ帳にキャラクターを描きました。

画力は小学一年生から変わっていません。「逆に味があるよね」という便利な言葉で自分を肯定します。そして思いつくままに物語を書いてみます。

童話のイメージは幼い頃から変わっていません。「浦島太郎の話をして」と寝る前、母親によくおねだりした覚えがあります。「むかし むかし あるところに」という一文が聞きたいのです。その後に何が続いても、何でも嬉しいのです。

2.コマ撮りアニメのつくりかた

ここから脚本家の永妻優一さんが僕の走り書きをもとに脚本を仕上げてくれて、香取徹監督が演出コンテをつくってくれました。

そして監督自ら人形を1つ1つつくっていきました。

人形の顔や手足は粘土でつくり、服は靴下などを切って縫っていました。東急ハンズで売っている模型ワイヤみたいなものに、服を着せて顔をつけていきます。

あとは少しずつ人形を動かしながら、写真を撮ることを繰り返していきます。参考までにその様子をとらえたメイキング映像もシェアします。

そして音楽も作曲家の未音制作所さんにオリジナルのものをつくっていただきました。エンディング曲も収録。

ムラヤマアヤノさんにデザインいただいたタイトルはデザインの本にも掲載されました。

(書籍『3つのアイデア[もじ・カタチ・色]で考える ロゴデザインの引き出し』より)

そして声優キャスト陣の声も収録。

ほとんど監督の地道で孤独な作業によってつくられますが、この時ばかりは、たくさんの人に会えるのでとても嬉しいです。仲間とつくってる実感はかけがえのない宝物になります。

そしてMAという音をつける作業。キツツキが羽ばたく音は、コーヒー豆が入っている袋をパタパタ広げて音をつくったそうです。もはや職人技ですね。

3.クラファンもやってみた

これだけ多くのスタッフやキャストの皆さんに協力いただく以上は、どうしてもお金が必要になります。制作資金を集めるために僕らはクラファンをやってみました。

これについては以前書いたので、もしご興味あればご覧ください。

そしていろんなクラファンリターンをやってみました。たとえば声優チャレンジ体験をやってみたり、

(保護者の許可を得て掲載しております)

コマ撮りのワークショップもやってみたりしました。

(保護者の許可を得て掲載しております)

参加した小学生の作品にスタッフ一同、感動しました。将来が楽しみです。(下記、掲載許可を得ております)

さらにはアニメではなく目が不自由なお子さんにも楽しんでもらえるように、またかつて僕が母におねだりしたように、読み聞かせ版もつくってみました。(現在編集中)

さらには上映会イベントをやってみました。

作品にちなんで、ケータリングでお世話になってるまりえ先生手づくりのアップルパイも振舞われました。

時には「直筆サイン本プレゼント」という企画を考えて、無駄にサインの練習なんかもしました笑。

結果あまり売れないというスベリも経験しました(苦笑)でもいいのです。やってみたかったことを仲間たちと一緒にやれた嬉しさの方が勝りました。

もともとこのプロジェクトは「小さなお子さんや育児を頑張るパパママに少しでも育児を楽しんでほしい」という思いをもった1人の女性スタッフからすべては始まりました。

たった1人の熱狂から始まる。

そんな言葉をふと思い出しました。最初はなんでも他人に理解されるものではありません。でも、やり続けていれば、いつか何かのきっかけで、たくさんの人の心を動かすことができる。彼女がそれを体現してくれたのが自分のことのように嬉しく思います。

4.なぜ「りんご」だったのか

物語にはやっぱりエピローグがつきものです。
最後に、なぜ「りんご」だったのかを、お話しましょう。

実は数年前、過労で体調を崩してしまい、別府の実家で静養している時期がありました。

別府の実家から見える夜明けの風景

その時、毎朝、僕の父親がりんごを絞って、りんごジュースをつくってくれました。

親に心配をかけて申し訳ないなと思う気持ちと同時に、毎朝出てくる、このリンゴジュースがとても嬉しかったことを覚えています。

もちろん母もいつものように美味しいご飯をつくってくれました。

ここには自分が何かを成し遂げなくても、自分を認めてくれる人がいる。

そう思ったのです。ありのままでいい、自分はただ人生を楽しめばいい。そして1ヶ月ほどで体調は回復していきました。

僕自身がりんごに救われたことがずっと頭の中にありました。だからこそ、僕もまたりんごの力で誰かをハッピーにできたらいいなという気持ちが生まれていたのかもしれません。

作品にもそんな思いを込めたつもりです。たくさんの人の支援や素晴らしいスタッフ、キャストのおかげでできたこの作品が僕は大好きです。

1人でも多くの子供たち、そして大人の皆さんの心にも、この作品が届いてくれたら嬉しいなと思います。

最後に。

この作品の制作に長く携わってくれた、香取徹監督をはじめ、プロデュースチームのそんみちゃん、みやけさん、小塚さん、脚本家の永妻さん、MAのうちださん、音楽家のしんちゃん、タイトルデザインのムラヤマさん、ピアノ演奏家の若狭英雄さん、料理研究家のまりえさん他スタッフの皆さん、キャストの島田桃子さん、サトウヒロキさん、紫藤楽歩ちゃん、仁山貴恵さん、馬場としのりさん、くつみがき君、太田さん、朗読版の篠原さん、クラファンで応援してくれたたくさんの人たち、そしてナチュパラのスタッフみんなに改めて心から感謝申し上げます。

ありがとうございました!

まだこのプロジェクトは作品が公開されたばかりで始まったばかりなので、今すぐに総括することはできませんが、いつか、また東京夜時で良い報告ができることを願って。

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