お寺とSDGsは相性がいい! 大切なのは発信し、受け入れること
お寺の広報代行をする会社、株式会社唯の池谷です。
先日、山梨県曹洞宗の研修会に参加してきました。その翌日が#言葉の企画最終講義だったので甲府でゆっくりすることなく帰ってきました(>_<)
研修会では曹洞禅の系譜や各時代の考え方と、曹洞宗でのSDGsの取り組みをお聞きましたが、今回は「なぜ寺院としてSDGsに取り組むのか」の講義について書きたいと思います。
ちなみに先ほど述べた「言葉の企画」最終講義では受講生がこれまで受けた講義について思ったこと、感じたことを発表してましたが「これから自分はこうありたい」と発信することはSDGsの活動と共通することがあり後述いたします。
SDGsって何?
SDGs(エスディージーズ:Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)とは{中略}2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です(引用:SDGs総研)
・・・何だか難しそうな感じがしますね。
世界規模の課題を解決するために目標を設定しみんなで取り組もうという社会活動ですが、今回はSDGs全般の活動内容ではなく、なぜ寺院がこの活動に取り組むのかを僧侶目線でお伝えします。
活動するのって大変じゃないの?
研修会では前・全日本仏教青年会理事長の倉島さんがオンラインで登壇されました。
彼が最初にSDGsを知ったのは理事長に就任した頃。SDGsに詳しい仲間のお坊さんから「これから日本国内に向けて活動を発信してほしい」と言われたそうです。
倉島さんがSDGsとは一体何をするのかを聞いたところ、「お寺の活動をそのままやること」とそのお坊さんが言ったそうです。
活動内容のひとつを平たく言うと「みんな平等に、シンプルな生活をすること」が挙げられます。
たとえば、お寺でお坊さんが檀家さんに仏教の教えを伝える教化活動のひとつにお汁講というのがあり、お寺に集まってみんなでいただく食事会があります。
また、一汁一菜の精進料理も、みんなと一緒に同じものをゆっくり味わって食べることで「足るを知る」という教化活動のコンテンツと言えます。
お寺が普段からやっている活動なので、社会のために無理なくできる活動のひとつだと思います。
【重要】実施した活動を発信すること、発信してもらうこと!
今回の講義で倉島さんがわかりやすく説明してくれたのは、発信することの重要性です。
倉島さんから「発信することで、行政や企業など外部から協力をしてもらえる」と聞かせてもらい、これまで倉島さん自ら全国の寺院に足を運び、伝えてきた結果、いろんな人に支援をしてもらったと聞かせてもらいました。
事例として、山梨の耕雲院が地元の大学生と協業した子ども食堂事業を紹介していました。
手作りチラシで、地域のこどもと家族がお寺で一緒に食事をする事業ですが、事前告知だけでなく事後レポートを大学生から都度発信することで、子どもが次回に参加しやすい導線作りをしていました。
お寺の活動はみんなで一緒に取り組むと、各自の負担が少ないだけでなく、長く続けられるメリットがあります。
SDGs活動のポイントとして、何をするかだけでなく、誰とやるかを決めること。そして、その活動仲間からも活動内容をしっかり発信してもらうことを最初に決めるのが重要です。
#言葉の企画で学んだぞ
どんな人を助けたいか
SDGsの活動で難しいのは、困っている人とは具体的に誰なのかをイメージすることだと思います。
今回の講義で倉島さんが挙げてくれた「ジェンダー平等をなくそう」の課題例として、寺院業界に女性が少なく、意思決定に女性の意見が反映されない課題を聞かせてもらいました。
そこで倉島さんが取ったアクションとして、曹洞宗青年会で映画を作り、映画の重要なシーンに尼僧を起用したことでした。
お坊さん=男性の価値観を変えたシーンで、カンヌ国際映画祭出展の影響もありインパクトのある発信だったと思います。
(倉島さんがカンヌへ出発する直前に取材した当社の記事を紹介します)
倉島さんが明確だったのは映画製作の構想段階から、誰を助けたいかを明確に持っていたことです。お坊さんとしてあるべき姿を全国のお坊さんに示してくれた一例だと思います。
お寺に来た人に「お寺でやってみたい」ことを聞いてみる
助けたい人が見当たらない場合は、お寺に来る檀家さんや地域の人に「お寺でやってみたいことは何?」と聞いてみるといいです。
純粋想起で回答してくれ無い場合、「たとえば精進料理を食べてみたい?」と助成想起して質問してあげると答えやすいです。
たとえば、お坊さんと一緒に作る一汁一菜の食事とは何かをお寺でやってみる。ゆっくり食べると少ない量で満腹感が得られることを、修行で経験したお坊さんだから出来ることですね。
これ、ファミレスや定食屋でやっても効果はなく、お寺の活動だから価値があるんです。
また、静かな庭園や客殿で坐禅や瞑想をするのも価値があります。
お寺は敷居が高そうだとお寺に来たことがない人によく言われます。
しかし、声をかけてあげるとお寺は誰でもはいりやすく「敷居を高くするのは、品位を保つためなんだ」と気づいてくれるはず。
これ、図書館で瞑想しても効果ないと思います。
お寺だからできることは普通にお寺でやっていることばかり。
いまの時代は誰もが発信者になれるので、人を巻き込んでお寺のSDGsに取り組みましょう。
お寺から発信し、来てくれた人を受け入れる
お寺から発信することで、見てくれた人が反応し、お寺に来てくれます。
お寺に来てくれた人に話しかけ、受け容れるのはお坊さんの得意分野なので、お寺のプラットフォームを使って社会のためにできる活動=SDGsは相性がいいと思います。
人の悩みを聞いてあげるという姿勢ではなく、私はこんな人を助けてあげたいと発信する。たとえば、子ども食堂も告知活動だけでなく、レポート活動も実践し、お寺に来てくれた人を誰一人取り残さないよと宣言することで、お寺の価値は再構築されると思います。
発信し、つながり、受け容れる。
これからお寺が求められる活動のひとつだと思います。
株式会社唯 池谷正明 株式会社唯 yuiinc.com
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