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砂かけばばあ

「神父さん、砂かけばばあやってる子が知り合いにいるんですけど、紹介しましょうか?」別府にある元町バーのマスターゆうたろう君にそんなことを言われたのが2019年の冬だった。

当時は僕も知らなかったのだけれど、別府にある別府海浜砂湯で砂をかける仕事をしている方のことを別府の人は親しみを込めて「砂かけばばあ」そう呼んでいるらしい。

ばばあとはいささか失礼な言い方だけれど、キャッチフレーズに言葉遊びを入れたがる地方ならではのネーミングだなと思った。なぜばばあと呼ばれるようになったかなど、働いている人の目線で語られる砂湯はなかなかに面白いので、是非インタビューを読んでもらいたい。

もちろん、ゆうたろう君は僕が企画撮影している「別府温泉ルートハチハチ」のことを知っていて、砂湯でバイトしている子を撮影したら面白いんじゃないですか?という意味で勧めてくれたのだ。ナイスアイデアを本当にありがとう。僕は早速紹介して欲しいとお願いをした。

別府の砂湯は別府に住んでいる方ならほとんどが知っている地獄巡りと同じ観光名所だ。逆を言えば、地元の方はあまり利用する機会はなく、僕も実際には体験したことがなかった。砂かけばばあをやっている千佳子ちゃんを紹介してもらい、本人と砂湯に撮影の許可をもらい、働いている姿と実際に砂湯を体験している所を撮影させてもらった。

砂湯に入りたいという友人が何人かいたので、どうせならみんなで入っている所を撮ろうと同じ日に集まってもらった。撮影の様子もインタビューと一緒に掲載している。撮影終了後、僕も1人で砂湯を体験させてもらったのだけれど、実際に体験してみて一番驚いたのはとにかく砂が重いということ。
温泉に入る、というよりも何かアトラクションを体験したような気分だった。是非皆さんも別府に来た際にはアトラクションを体験する気分で砂湯を体験してみてもらいたい。

2020.6.20 東京神父
別府海浜砂湯「別府砂かけ嬢」


東京神父 写真家。1978年4月20日生まれ。 別府出身、自由が丘在住。