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十人十色の変態

別府の街の特徴の1つとして挙げられるのはなんと言っても「多様性」だろう。多国籍な人々が住み、どんな境遇や趣向にも寛容で、様々な文化が混ざり合う。夜の街も勿論例外ではない。

今回モデルになってくれた10人のマスターが経営するバーもカクテル、ダイニング、ワイン、アニソン、ソーシャル、燗酒、サワーなどなど形態も様々。84歳から32歳までと店主の世代も幅広く、個性溢れる店が多い。

撮影したのは2020年の2月。TVでコロナの報道が始まった時期だった。その頃は仕事がリモートになったり、マスクを着ける生活が当たり前になるなんて想像もしていなかった。時代も暮らしも僕らの意思とは関係のない所で変わっていく。コロナによる影響は別府の街にももちろん影を落としていて、閉店する店も少なくない。インバウンドに支えられてきた別府の観光業も様々な方向転換を求められている。

今まで以上にリアルな場所や時間が貴重なものになり、飲食店でいえば、提供するサービスはもちろんのこと、その店で働く人の人柄や熱量がより大切になって来る。街の魅力は人だ。特に縁の街別府ではそのことをまざまざと見せつけられる。

撮影後、84歳で現役のバーテンダー赤峰さんにインタビューした。別府北浜にある「峰シティパブリック」で美味しいカクテルを飲みながら貴重なお話を沢山聞くことが出来た。脱線を繰り返して話すことなんと3時間。濃すぎて使えない話も沢山あり、泣く泣くカットした。

全てのお店がオススメなので、是非別府に遊びに来る際は癖の強い変態マスター達に会いに行ってみてほしい。赤峰さん、そして朝早くから撮影に協力してくれたマスターの皆様、本当にありがとうございました。

2020.10.22 東京神父
駅前高等温泉「BEPPU BEST BAR BRILLIANT BIBLE」

東京神父 写真家。1978年4月20日生まれ。 別府出身、自由が丘在住。