革命のはじめ方【レッスン22】仁について『武士道』新渡戸稲造著
私は会社員である。常に考えているのがこの上司の下で自分が働くべきか否か。上司の価値を考えている。
上司は私を如何に命令に従うようにするか、ということしか考えていないようだが、部下である私はこの上司の下で働くべきか、働かざるべきか、を常に天秤にかけている。上司は部下を値踏みするだけでなく、上司自身も部下から値踏みされているということを忘れないで欲しい。当然、一宿一飯の恩もあるし、こんな私を雇ってくれていることにも感謝している。生活の状況や会社の状況、社会の状況などいろいろ天秤にかけているんだ。
前振りはここまでにして今日のテーマは『仁』です。
人の上に立つ者にしっかりと聞いて欲しい。『仁』とはまさに徳のことである。人を治むる者の最高の必要条件。最高の必要条件とはまさに言い得て妙である。
『仁』の徳とは具体的に何かというと、愛、寛容、同情、憐憫などのことである。まさに生殺与奪の権力を有する者なら尚更もっていただかなくてはいけない。上に立つ者とは武士の情けを持ち、柔和なる君子である。
君子は仕事、金、領地、民、徳を有する。これらは同列ではないし、別々のものでもない。君子にとって徳は本なり、利は末なり。
『徳』 ⇔ 『民』 ⇔ 『領地』 ⇔ 『金』 ⇔ 『仕事』
上に立つ者は『仁』の徳によって仕事、金、領地、民を治めるのである。
逆にいうと『仁』の徳なき者が治めると、全てが悲劇の社会となる。仕事、金、領地、民は別々に語られることになる。
現代はグローバリズム勢力により、カネを儲けたものが偉く、効率化とかコストパフォーマンスとか、そんな戯言が社会に蔓延している。
『仁』の徳なき者が治める組織がどうなるか。国家、自治体、会社、あらゆる組織で確認してみてください。まず、何を変えなけりゃいけないのか。
【封建制の組織は、武断主義に堕落しやすく、専制政治になり、独裁が横行することになる。】
封建制が悪いわけではない。封建制は専制政治にもなるし、父権政治にもなる。全員に競争させ続けるグローバリズムの下では、父権政治は徹底的に愚弄された。『仁』の徳が貶められた。
【専制政治】臣下はいやいや服従。支配者は租税公課を無限に負わす。
【父権政治】誇りをもって帰順。品位を保てる従順。隷従の中にありながらも高き自由の精神の生きる心を持つ。
最悪の種類の専制から我々を救うのは『仁』である。弱者、劣者、敗者に対する『仁』は特に武士に適した徳として称賛された。生殺与奪の権力を持つ武士だからこそ、その刀に『仁』を込めるのである。
最期に、なぜ武士は詩歌をするのか。『仁』の優美なる感情を内に涵養するため。戦場の露と消えし後も兜もしくは鎧の内側から詠歌が取り出されることも稀ではない。それは今では文学や音楽になった。『仁』の心に満ちた皆も自分の内を詠もうではないか。
◇◇東京ハバナの理屈の想定外のコーナー◇◇
政府の実施するコロナ対策を観察すると『仁』の欠片もない。今度、今までの政策をまとめてみようと思います。なぜか怒りが止まらない。
忘れるなかれ『桜を見る会』『森友学園問題』の虚偽答弁や『アベノマスク』の頃からずっといい加減な虚言(二枚舌)で国民をあしらっている。彼らには『仁』がないのだろう。きっと自分とその取り巻きだけ得することだけ考えており、国民なんて植民地の奴隷のように思っているんだろう。本当に悔しい。グローバリズムの奴隷教育によって、今の日本人はそういった物事に気付く力もなくなってしまったのかッ。
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