革命のはじめ方【レッスン14】『悪童日記』アゴタ・クリストフ著
アゴタ・クリストフの『悪童日記』3部作を読んだ。『悪童日記』ではシステムから外れた双子の兄弟の姿を描いていたと思う。『ふたりの証拠』ではその後の双子の片方の物語を見た。『第三の嘘』では我々の世界は虚像であることを見た。
私は文学作品を読むとシステムの存在についつい目が行ってしまう。作者は自分なりの表現でシステムの真実を伝えようと四苦八苦しているように思えてならない。この作品の作者アゴタ・クリストフにとっての世界の真実とは何なのであろうか。彼女は世界にどんなシステムを見たのだろうか。物語の中で戦争(革命)があったことが真実なのだろうか。革命なんてものは実体がないし、一市民にとって何の意味があるのであろうか。革命という言語化された概念が風が吹くように通り過ぎるだけで、何も残らないし、町や暮らしが変わるわけでもない。ただ死の嵐が理由もなく吹き荒れただけ。
我々は見たい世界しか見ないし、見たい世界を創り上げる。真実は常に隠されている。世界の仕組みを知っている者たちはシステムを実在として捉えている。彼らにとっては何でも隠したい放題なのだ。
我々市民はいったい何を見せられているのだろうか。我々が支配されていることは事実である。社会を支配している者たちが実在しているのは疑いようのないことだから。陰謀論のようなものかどうかは別として、社会がこうして存在して、ある種の階級構造になっている以上、支配する立場にいる者が存在することは疑いようがない。
コロナは我々に世界のどんな一面を見せるのだろうか。支配者は何を隠そうとするのか。人々は何を見て、何を見ようとしないのか。
世界の大半は見ようと努力しなければ見えない。コロナ禍になり駅の近くでホームレスになってしまった若者の姿を見かけるようになった。彼らの存在にいったいどれほどの人が気付いているだろうか。どれほどの人が気にしているのだろうか。
◇◇東京ハバナの理屈の想定外のコーナー◇◇
アゴタ・クリストフの『悪童日記』『ふたりの証拠』『第3の嘘』を読んだ。この3部作はヤバイ作品だ。システムの外にいる兄弟の物語であったり、世界の嘘だったり、登場人物自体が嘘だったり、この作品の世界観自体が嘘だったり。きっと我々はそんな世界で生きている。その自覚が大切だ。『システムの可視化』が私のテーマです。こんな感じでいいのか、と悩みながら進んでいます。皆さん、宜しくお願いします。
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