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革命のはじめ方【レッスン21】勇について『武士道』新渡戸稲造著

新渡戸の生きていた1900年当時でさえ武士道はすでに日本から消え去っていた。その残り香が日本人の奥底に香っている程度だった。現代はさらに薄められ、本質を西洋の科学思想が覆ってしまっている。
日本人の頭の中を西洋思想が覆い、西洋式システムの西洋式歯車として個人は存在することになった。個人は西洋式の個人主義に染まっていた。
『義』は言葉の濫用によって堕落し、『義務』や『義理』として汚されていた。こういった新渡戸の洞察力に感服する。100年以上前から新渡戸はグローバリズムに対する警戒をしていたのであろう。グローバリズムに侵された結果、日本は精神的な支柱を失ってしまうと予言していた。そして、予言は的中したようです。新渡戸先生なら現在の日本を見てどう思うだろうか。
では今日は『勇』について。

『勇』とは、義しきことを為すことなり。為す力である。
たとえ『義』があっても、それを為すことが出来なければ何にもならない。敢為堅忍、やる時はやる。死すべき時に死し、討つべき時に討つ。
道理に任せて、なぁなぁにするような心を排す。また道理に任せて。犬死するようなことがあってはならない。だから、この為す力が無くては、いくら才能や学問があったとしても世に立てないのである。

では、為す力『勇』はどのように鍛えるのか。
普段、自分のやるべきことをやるのは当たり前である。『義』を実践するのも当たり前である。しかし、義を実践するのが困難な状況の時、貴方は出来るだろうか。
カギは胆力である。胆力を錬磨することで、いかなる時においても為すべきことを為す。その心を作るのである。
獅子はその児を千仞の谷に落とす。食物を与えず、寒気に曝す。それは忍耐を学ばせるため。今、これは体罰やパワハラと呼ばれる。しかし『武士道』においては日常生活をするために過酷な所業をさせるのではない。いざという時、義を実践できるようにする為だ。もしかして、その機会は一生来ないかもしれない。でも常に『勇』の為に胆力を錬磨する。

『勇』の兄弟に『勇気』がある。勇気とは、いかなる時も平静でいること。
苦境においても、いつもと変わらぬ状態で正しいことを為す。

いま我々は為すべき時に為すだろうか。道理に任せてなぁなぁにしてしまわないか。いや、指示がなければ何もできない奴がどれだけ多いことか。対価がなければ何もしない奴が多いことか。すでに我々の武士道が消えたために権力者は好き放題だ。
大きなシステムや組織が間違っていたら、それを正すことができるのか。批判ばかりで行動するのか。そのうち批判すらしなくなってしまうんだ。いまの日本人はどうだろうか。我々は為すべき時に為すことが出来ないのではないだろうか。

◇◇東京ハバナの理屈の想定外のコーナー◇◇
あらゆることを過去の人間の叡智はとっくのとうに知っている。
でも現代人は歴史を顧みることもなく、いつも知ってるつもり。知ってるつもりっていいよね。ラクだし、辛くないし、自分を表面的に防御するには手っ取り早いから。コスパがいいんだよ。さぁ、そんな現代人と決別しようではないか。
コロナで気分へのダメージが酷い。週末は本屋へGO。今夜は大河ドラマを見て、どうやってグローバリズムが日本を侵食していったのか確認しよう。
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