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子供の教育にインターを選ぶ理由
我が家の娘の教育方針について散々悩んだ末、インターナショナルスクール(インター)への進学を決め、無事に老舗インターに合格しました。
私自身、老舗インターを卒業しているため、この決断には多くの葛藤がありました。まずインターを卒業して実感したのは、学校に通うだけではネイティブレベルのバイリンガルにはなれないということです。私は小中とインターに通ってましたが、インターの中学からアメリカの高校に進学した際、英語ネイティブについていくのに苦戦し、得意だった文章力を向上させるために必死に努力しました。また、私の周囲には日本語が十分に話せないインターの友人も多く、公文や塾に通っていた子たちが今でも流暢に日本語を話せることを考えると、言語習得には学校以外のサポートも重要だと感じました。
さらに、特に数学に関しては日本の教育と比べると遅れを感じます。実際、私も周りのインターの友達もMBA受験時にGMATの数学で苦戦した経験があります。一方で、夫を含む周囲の日本人は左程勉強せずに数学は高いスコアをとれていたことから、アメリカ式の教育では数学の基礎が弱くなりがちだと実感しました。
これらの要因を踏まえ、夫婦で何度も話し合いを重ねた結果、最終的にインターを選択しました。
インターを選んだ理由
① 多様性
日英バイリンガルに育てるだけであれば、日本の教育を受けながら英語を学ぶ方法もあります。しかし、今後ますます進むグローバル化に対応し、多様な文化を理解し、柔軟に適応できる人間になってほしいという思いがあり、インターを選びました。実際、私がMBAに留学した際、英語は堪能でも外国人の前での発言や、多国籍メンバーとのグループワークが苦手な日本人を多く見てきました。彼らは留学経験がなく、英語力はあっても多様な価値観を持つ人々との関わりに苦手意識を持っていたのです。娘には幼少期からそうした環境に慣れ、自然に多文化の中で成長してほしいと考えました。
② 自由な教育環境
インターでは、個々の個性や意見を尊重する教育が行われています。多くのインターで採用されているInquiry-Based Learning(探究型学習)は、生徒が自らの好奇心をもとに情報を集め、問題解決に取り組むことを推奨しています。娘が自分の考えを持ち、それを表現できる力を身につけることが重要だと考えています。画一的な教育ではなく、自分で考え、選択し、行動できる力を養うことができる点も、インターを選んだ大きな理由の一つです。
③受験のプレッシャーからの解放
日本の教育を選んだ場合、エスカレーター式の学校でない限り、厳しい受験を経験することを想定していました。娘には勉強だけに追われるのではなく、のびのびとスポーツや趣味を続けてほしいと考えました。私自身、海外の大学を卒業しましたが、受験勉強と並行してスポーツや音楽にも取り組み、バランスの取れた学生生活を送ることができました。娘にも子供のころは思いっきり好きなことに没頭して欲しいという思いから、受験の負担が比較的少ない選択肢を選びました。
子供の教育に絶対的な正解はありません。しかし、我が家は娘が多様な文化を当たり前のように受け入れ、自由な環境の中で自ら考え、成長できることが何より大切だと思いました。これらの理由から、インターへの進学を決断しました。今後インター受験について少しずつシェアできればと思います。