富裕税のモデリング
ポール・グレアム(Paul Graham)が執筆したエッセー「Modeling a Wealth Tax」の日本語訳になります。
2020年8月
一部の政治家が、所得税に加えて富裕税を導入することを提案している。その影響が実際にスタートアップの創業者にとってどんなものなのかを見るために、富裕税の様々なレベルでの影響をモデリングしてみよう。
あなたが20代で成功したスタートアップを始め、その後さらに60年間生きると仮定する。富裕税はあなたの株式をどのくらい消費するのか?
富裕税が1%だと仮定する。これはあなたが毎年99%の株式を保持するようになるということである。つまり、60年後にあなたが残した株式の割合は 99^60、つまり54.7%となる。なので、1%の富裕税は、政府があなたの一生を通じて45%の株式を受け取ることを意味する。
これは、政府が富裕税の様々なレベルで60年後に受け取る株式の量である。
富裕税 | 政府が受け取る株式
0.1% 6%
0.5% 26%
1.0% 45%
2.0% 70%
3.0% 84%
4.0% 91%
5.0% 95%
このような一見したところ小さな税率がこれほど劇的な影響をもたらすのは、最初は驚くべきことのように思えるかもしれない。2%の富裕税は、あなたが20代で成功した会社を始める場合、政府があなたの一生を通じて3分の2の株式を受け取ることを意味する。そして、5%を超えると、あなたにはわずかしか残されていないので、その結果は計算する価値がない。
富裕税がこれほど劇的な影響をもたらす理由は、富裕税が何度も繰り返して同じお金に適用されるからである。所得税は毎年発生するが、その年の所得に対してのみである。一方で、あなたがある資産を取得してから60年間生きる場合、富裕税は同じ資産に60回課税されるだろう。富裕税は複利で支払うのだ。
0.5%の富裕税でさえ、その富裕税を課す州や国から創業者を遠ざけるだろう。これはあなたの株式の4分の1以上である。
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