日本に来る欧州留学生のビジネス戦闘力は低いのか?
率直に言いますよ?日本に来る欧州留学生のビジネス戦闘力...低くないですか?
私、未だに年に1-2回、日本に来たばかりの彼らから相談を受けるんです。
こんな質問を欧州の20代の若手からもらうんですが、こういう人に紹介できる仕事が本当にないんですよね。しかもキャリア開発って視点がない人が多いので30代に近づけば近づくほど、アドバイスできない状況になっていきます。
率直に言えば、彼らには仕事がないです。文字通り。
つまり、日本のサブカルには興味あるけど、日本で働くための戦略や計画がこういう人材にはないんですよね。なので1年のワーホリか語学留学が過ぎると合法的に滞在できなくなって帰国します。
しかし、20代にもなってキャリアプランについて考えないことがあるんでしょうか?日本の書店には最近ビジネス書しか並ばないし、学生だって「就活!就活!」って叫んでます。
いくらヨーロッパは新卒就活文化じゃないからって、日本よりキャリアについて考える人が少ないなんてことあり得るんでしょうか?
しかし、欧州人の若者がみんな、遅いというとそうでもないんですね。
例えば、私はミラノの銀行マンの家にホームステイしてたのですが、そこの旦那さんはいつも、
「いやー大学時代はマジでなんの仕事するか計画しながら授業取ってたね。インターンシップできるコネが教授からもらえることもあるからさ!」みたいな話をしてたんです。
確かに友人のスペイン人も卒業後のインターンシップ獲得のために企業に電話掛けまくっていたし、自分のキャリアに危機感持ってる若者は確かにいるんですよね。
じゃあやっぱり学生時代から就活やビジネスに敏感な欧州の若者はいるのか...
そのため、ますます日本に来る留学生はビジネス感覚が薄い人材が多いんじゃないかって気がして来ます。
そこで今日はその確信が一つ増したエピソードがあるのでご紹介します。なんと、友人曰く「日本語学科の学生は就職のこと考えて生きてないよ」って言うんです。
日本語学科の学生は働く気がない?
その友人はフランスの大学で日本語を専門に学んでいました。今は日本で結婚して看護師の奥さんのヒモ(専業主夫)をしています。
とはいっても、彼は非常に頭がよく、日本に留学して来た学生の中で最も早く日本語検定1級を取得した人でした。
しかし...なんとも浮世離れしてるところがあるんですよね。
そんな彼に率直に私の疑問をぶつけてみました。「欧州の学生で日本に留学したがる層ってビジネスしようとか稼いでやろうとか思う人少なくない??」
すると答えはこう。
あっ、やっぱそうだったか...
とりあえず日本に住みたい
飄々と自らの経験を語る彼は話を続けます。
やっぱり彼は賢い。日本が高齢化社会で労働者を求めているという情報まではフランスにいる時から集めていたようだ。
しかし、肝心なことに気がついているのです。それは不足している工場労働や建設業などは一般の就労ビザでは働く許可がおりないこと。これが本国で技術者でもしていれば別の種類の就労ビザで働けるかもしれないのですが、実務経験がない新卒外国人には選べない選択肢なのです。
つまり仕事はあるけど、日本語学科に行った新卒の彼らには選べないということ...
ということでさらに聞いてみました。
「普通に考えたら、職務経験あった方が日本で働くにしても有利だとは思うじゃん?フランスで働いてみようと思わなかったの?」
すると彼はニヤッと笑って一言。「日本語学科選んだ時点でそんな道あらしませんよ」
就職フェアも大学に来てるが行かない
「ん?じゃあ日本語学科はどうなるの?」そんなこと言われると気になるので聞いてみたところ彼の返事はこう。
「じゃ、じゃあさもしかしてフランスの大学にも就活セミナーとかくるの?でも、日本語学科の学生は行かないということ?」
みちばただいがく...?なんじゃそれは。そして聞いてみると学科選択に合わせてどうやらフランスには学閥もあるようです。
大学のあだ名は「道端大学=Fラン」
つまりフランスの「道端大学」は若干意味が異なるものの日本のFランに近いんでしょうか。私の大学に留学してきてた学生はみんなこの学校の出身だったようです。
「でもさ、エリートの人だって日本語興味ある人いるはずだよね?彼らの中で日本に来る人も居ると思ってよくない?」
ご名答。全く同じ動きをしているフランス人のエリート家系の人がいたので思わず彼の言葉に納得してしまった。しかし、だいぶフランス社会も閉塞感漂う雰囲気じゃないですか。
結局ヒモ高等遊民の彼とは別れ私はエリートのフランス人にも裏取りをする事にした。彼らは一体どこを目指すのか...?
ヨーロッパ人エリート、大抵日本に興味なし
ということで、学歴社会の日本も真っ青な階級社会なんじゃと思うフランスですが、さっきの彼の意見の裏取りをすべく、日本にいるエリートフランス人の友人にヒアリングして参りました。
彼はちなみに日本で1000万以上稼いでいるバケモン20代です。
「ぶっちゃけどうなんでしょう?本当に日本語学科の人ってビジネス感覚ない人多いんでしょうか?」
アニメ:いまだに堂々と趣味にはできない
「でも、ほらアニメとか最近は普通の趣味になって来たんじゃない?日本に来る外国人なんてみんなアニメ好きじゃん」
え〜...まじか。意外とアニメ文化まだ市民権ないんですね...
「でも経済的な観点では日本も経済的に大きいし興味持ってる人が留学して来てもおかしくないのでは?」
経済:「終わった国」扱いの記事がブーム
うわ〜知ってたけど聞きたくなかったぁ...
これは事実です。実際スペイン語でも「日本 経済」と検索してみると出てくる記事は大体こんな感じ。
「どうやって日本は270%もの借金に耐えてるか!」
そのほか、「日本は再生の道を進めるか?」とか「日本企業が失ったものは何か?」とか暗いテーマが続きます。うーん...これだと確かに「衰退国家の分析しよう!」みたいな変人じゃないと留学してこないよね...
結論:優秀な奴はやっぱり勝てるフィールドで戦う
結局これで分かったことが、優秀な人材は自分が勝てるフィールドで戦ってるってことです。欧州の優秀な層は自分が一番輝けるEU圏内で戦って、成果をもぎ取ることに集中してるわけですね。
普通に「人がいません。日本人と同じ給料で日本語使って働いてくれませんか?」とか言って働いてもらえるはずがないのです。
ところで、海外に行くなら絶対にキャリアプランは考えた方がいいと思いますよ?周りの外国人達でなんの経験も積めないまま日本で30歳になっちゃって、帰っても仕事ないおじさんとか結構いますからね。
実家が極太か最初の友人みたいにヒモだったりしない限り移住前にぜひ考えてほしいと思う次第です。
それではまたえげつない話をするときはお会いしましょう。それでは。