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SDSノート_05「ソーシャルダイブ・ラボ1」

こんにちは。ソーシャルダイブ・スタディーズ(以下 SDS)、コーディネーターの工藤大貴です。前回までのSDSについては下記をご覧ください▼
第5回レクチャーとなる6月26日(土)は、インディペンデント・キュレーターの青木彬さんをゲストに迎え、ソーシャルダイブ・ラボの初回をおこないました。

ラボでは、SDSメンバー自身が「東京」をテーマとするアートプロジェクトを企画立案します。青木さんやメンバー同士の対話のもと、1名1企画をSDS修了制作として提出し、ディレクター陣による講評を受けます。(次回のビエンナーレで、SDSメンバーの企画がお目見えするかも!)

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▲青木彬さん(今回はオンライン参加者とも対話をしました)

オフライン会場となったアーツ千代田では、少人数ワークや自己紹介もあったからか、レクチャー終了後にずーっと話しこむメンバーが多かったです。今回も聴講されたメンバーおふたりにその様子をレポートしてもらいます。それではぜひご覧ください▼


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SDSメンバーの森 淳一です。普段は音楽の仕事をしています。今年で55歳になりましたが、年齢を重ねる程、いろいろなことに興味がわいてくるもので、4月から通信大学院での現代アートの学びに飛びこみ、SDSにも音楽×アートで何かできないかという思いで、飛び込んじゃいました。

東京ビエンナーレのことは作家の椿昇さんや中村政人さんの活動に興味があるのでチェックしていましたが、まさかこんな形で参加するとは・・・この歳になれば恥も外聞もないですよね。

自分の子どもくらいの年齢の人たちや様々な職種の方々とコミュケーションを取れるのは正にSDSに飛び込んだからできることだと思います。

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今回の講義は「ソーシャルダイブ・ラボ」の1回目で、メンバーが個々に企画を考える為の準備です。青木さんレクチャーの後、5人組のグループで、話し合いの場を持ちました。

SDSのみなさんとは一期一会の出会いで、この出会いは大切にしなければいけないなという気持ちが、会話が進むたびに大きくなっていきました。話していて楽しかったのです。

一期一会と言えば、私が2年前から習っている「茶道」に通じるものです。茶道では「人との出会いを一生に一度のものと思い、相手に対し最善を尽くす」という精神があります。

コロナ禍で、このメンバーと出会って一緒に活動できるのは奇跡だと思います。ラボで提案する企画は、直線的に茶道の精神を持った「出会いを大切にする」企画なんて、どうかな?と思ってしまいました。

講師の青木先生から企画は「アートであるかどうかではなく、切実な創造力であることが大切」というお話をしていただいたので、今後もたくさんの方のお話を伺い、更に自由に考えを広げていきたいですね。


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SDSメンバーの堀場 絵吏です。玉川大学芸術学部の教員をしております。美大大学院在学時から「まち×アート」を研究テーマとし、3331や各地で開催される芸術祭、文化によるまちづくりに大きな関心を持っていました。

教育者・研究者・実践者の立場から、自分なりの視点で街にダイブし、自発的にアクションしていくための様々な学びを得たいと思い、参加しています。

「この風景を、どうしてもこうしたい」という切実な想像力は、なぜ人の気持ちを動かすのか。

青木さんのトークを拝聴して、タクティカル・アーバニズム(戦術的都市計画)が思い浮かびました。都市を変えるには多くの時間や予算が必要で、そこに住む市民に共感してもらえなければプロジェクトがスタートできないこともあります。しかし、それだけが「まち」にダイブする作法なのでしょうか。

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ある「まち」の課題があったとします。そこに住む市民が個人の力で解決を試みようとすることに違和感はありませんが、それが突然やってきた人の提案・ゲリラ的実践である場合、「なぜそれをやりたいのか」という動機が明かされなければ、その提案に多くの人が共感することは難しい。これは、アートシーンで問われている「わがごと」の話にもつながることです。

青木さんのソーシャルダイブは「ゆるやかな作法」のもと成り立っており、整った状態があるわけではない「まち」のなかに、わがごとの小さな活動を差し込んでいくことで、やがてそれらが共感を呼び、社会(ヒト)と深く交わっていく。自分自身に向き合う視点が持てたとき、はじめてその背後の社会にも迫っていくことができるのだと学びました。

創造的な場づくりでは、「自分たちで語れる主語があるか」という当事者の衝動が求められる。渦中にあるソーシャルディスタンスの世界において、今後SDSメンバーが提案する新たな作法に、アートシーンと異なる専門性を持つ分野の方々にもぜひ刮目してもらいたいです。

今回のレクチャーの記録はここまでです。次回は7/3(土)に高木喜久子さんをお迎えします。それでは、またSDSノートにてお会いしましょう。

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