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INTERVIEW インタビュー

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東京ビエンナーレのインタビュー記事をまとめています。
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#TOKYOBIENNALE

INTERVIEW:Hogalee

東京ビエンナーレ2020/2021において、最初に誕生した作品がHogaleeによる「Landmark Art Girl」だ。Hogaleeは学生時代より描いていたマンガを絵画的な表現にするため、2003年頃より女性のモチーフで絵を描き始める。Hogaleeが描く「オンナノコ」は、イラストレーション的な表現でありながら、その時代の女性像を色濃く反映させる。彼が考えるカタカナの「オンナノコ」とはどういう存在なのか、話をうかがった。(聞き手:上條桂子) Hogaleeの作品ペー

INTERVIEW: 村山修二郎

愛犬家が犬を散歩するように、自ら育てている植物の鉢を移動させ、様々な人とのコミュニケーションを誘発する。東京の都市部で植物の鉢を引っ張りながら歩き、お互いの植物を愛であう人々の姿は想像するだけでほほ笑ましい。これはアーティスト村山修二郎が目論む「動く鉢」というプロジェクトだ。村山は、常に自然と人との関係を探りながら作品づくりを行う作家で、植物や花を画材として直接紙にこすりつけて絵を描く「緑画(りょくが)」という絵画の制作も行う。村山の活動と東京ビエンナーレにかける思いを伺った

INTERVIEW: リー智子

土の中や水の中、空気中にいる「見えないもの」。アーティストのリー智子は、畑を耕し、玉川上水近辺で虫や木々などの生き物観察会や講座を企画する「ちいさな虫や草や生き物たちを支える会」=「ちむくい」を主宰している。自身も「シンプルな暮らし」を実現すべく生活の中で様々な取り組みをしている。東京ビエンナーレでは、「玉川上水46億年を歩く」と題し、玉川上水の起点である羽村市から皇居までの46kmを歩くプロジェクトを開催予定。リー智子が考える、地球環境へのまなざし、そしてアートへの思いを伺

INTERVIEW: 遠藤 薫

89年生まれのアーティスト遠藤薫。沖縄で染織を学び、その後染織家志村ふくみさんのスタジオで経験を積んだ後独立。昨年資生堂ギャラリーの新進作家プログラム『shiseido art egg』に入賞し「重力と虹霓(こうげい)」展を開催、グランプリのart egg賞受賞、VOCA展では佳作受賞などといった活躍ぶりだ。彼女が東京ビエンナーレに提案したプロジェクトは、日本全国47都道府県の“銀座”を訪ね歩き、そこで得たストーリーに関連するオブジェクトを東京銀座にある47軒のギャラリーに展

INTERVIEW: 藤 浩志

藤浩志さんは美術家であり、秋田公立美術大学教授、NPO法人アーツセンターあきた理事長、NPO法人プラスアーツ副理事長をされている。京都の大学では染織を専攻し、在学中は演劇などの空間をつくっていた。卒業後は青年海外協力隊でパプアニューギニアに行き、現地の芸術学校で教育に携わる。その際、「原生林で「野豚を追うヤセ犬」と出会い、「社会的に価値を認められていない存在にエネルギーを注ぎ、圧倒的に感動的な状態に変化させる技術としての芸術」を着想する。」(藤浩志さんのウェブサイトより) こ

INTERVIEW: アリーナ+ジェフ・ブリゥミス

「夫婦でもある2人組のアーティストが、家族の晩ご飯への招待と引き換えに絵画をプレゼントします。詳細はメールか電話でお問い合わせください」と地域の住民に声をかけ、一般家庭の夕食へとアーティストが赴き、ご飯を食べて絵画を渡し、写真を撮影するというプロジェクト《家族の晩ご飯へ贈られる絵画 東京編》を東京ビエンナーレで準備しているアリーナ・ブリゥミス+ジェフ・ブリゥミス。彼らはニューヨークを拠点に、コミュニケーションとコミュニティにまつわる様々なプロジェクトを行っている。アリーナ+ジ

Interview with Alina + Jeff Bliumis

Your projects, such as “Casual Conversations project”, “CULTURAL TIPS FOR NEW AMERICANS,” “PAINTING FOR A FAMILY DINNER”, it seems that many of your projects inspire people to consider a community different from their own birth. What is the

INTERVIEW: 柳井信乃

ロンドンをベースにパフォーマンスや映像作品を発表する柳井信乃。彼女はもともと音楽、日本画、映像や写真について専門的に学んでおり、現在は社会学的なリサーチを元に、様々な素材を複合的に組み合わせたインスタレーション作品を発表している。今回東京ビエンナーレでは、「ナショナリズム」「身体行動と社会」「訓練」をキーワードにしたパフォーマンス作品を予定している。「今を生きるアーティストとして、世界で起きている様々なことに反応していきたい」と柳井。コロナ禍のロンドンに住む柳井に、現在の状況

INTERVIEW: フィオナ・アムンセン

アオテアロア ニュージーランド在住(※編注:アオテアロアはマオリ語でニュージーランドのこと。現在国名呼称について論争があり以下、作家の表記に従う)の作家フィオナ・アムンセン。彼女は戦争などのドキュメンタリー映像や写真のイメージというものが、いかに歴史的経験に基づいた現在と繋がっているかを探り、能動的なケア(思いやり)の関係を可能にするかを探求するアーティストだ。今回東京ビエンナーレで予定しているプラン「引き継がれる息遣い」では、「落語」、「映画制作」、合気道の「残心」という一

Interview with Fiona Amundsen

Many of your artworks seem to treat the Second World War as a part of human history, how did you decide to deepen your research on it? I am very interested in how WWII, particularly the Asia-Pacific battles, has defined the contemporary ge

INTERVIEW: ペドロ・カルネイロ・シルヴァ+アーダラン・アラム

街に置いてある椅子に、知らない人と向かい合わせで座る。そこにあるヘッドホンをかけると、ミュージシャンが即興で演奏を始める。ペドロ・カルネイロ・シルヴァ+アーダラン・アラムの「フリーシート」というプロジェクトだ。いつ、どこで演奏が行われるかということは告知しない。彼らが出没する場所に偶然居合わせ、そこに参加してみようと思った人だけが体験できる作品である。見知らぬ人と一緒に世界で一つ、一回しかない音楽を共有するのはどういう気分なのだろう、その時、東京のまちはどう見えるのだろうか。

INTERVIEW: ホズィーリス・ガヒード

空中アクロバットのパフォーマーとしてシルク・ド・ソレイユやフィリップ・ドゥクフレ・カンパニーで経験を積んだホズィーリス・ガヒード。サーカスやダンスといった身体表現と社会問題を繋ぎ合わせた表現活動を行っている。東京ビエンナーレでテーマにするのは「孤独死」だ。孤独死にまつわるリサーチを重ね、東京のまちのどこかで何かに「ぶらさがる」というパフォーマンスを行う予定だ。ガリードが考える、心の琴線に触れるアートとは。 インタビュー・文:上條桂子 協力:花岡美緒 ホズィーリス・ガヒード