マガジンのカバー画像

INTERVIEW インタビュー

17
東京ビエンナーレのインタビュー記事をまとめています。
運営しているクリエイター

記事一覧

INTERVIEW: Slow Art Collective(スローアートコレクティブ)加藤チャコ

2022年11月14日から12月2日まで東京・大手町のサンケイビルで開催の「Slow Art Collective Tokyo(スローアートコレクティブトーキョー)」。来年の「東京ビエンナーレ2023 」に先行する「東京ビエンナーレ2023 はじまり展」の一環で実現しました。 このプロジェクトは、オーストラリアの芸術集団「Slow Art Collective(スローアートコレクティブ)」が東京・大手町に滞在し、市民や子供たち、学生、このエリアで働く人々と共にインスターレシ

INTERVIEW:長谷川逸子「音のきづき」

「音のきづき」 長谷川逸子(建築家) 日本がバブルだった1990年にイタリア半島を横断する旅行をした。その頃日本人の集団旅行者をたくさん見た。確かバチカンの美術館だった。入り口のドアの横に日本人の団体入館お断りの紙が貼られていてびっくりしたことを思い出す。集団の会話は声が高く大きくなる。そのことをたくさんのアジアの人々が日本に旅行に来ている頃、ホテルのロビーなどで耳を塞いだことを思い出す。 日本の建築材料は室内で吸音率が高いが、外部は金属やガラスで反射音が強い。イタリアな

INTERVIEW:Hogalee

東京ビエンナーレ2020/2021において、最初に誕生した作品がHogaleeによる「Landmark Art Girl」だ。Hogaleeは学生時代より描いていたマンガを絵画的な表現にするため、2003年頃より女性のモチーフで絵を描き始める。Hogaleeが描く「オンナノコ」は、イラストレーション的な表現でありながら、その時代の女性像を色濃く反映させる。彼が考えるカタカナの「オンナノコ」とはどういう存在なのか、話をうかがった。(聞き手:上條桂子) Hogaleeの作品ペー

INTERVIEW: 村山修二郎

愛犬家が犬を散歩するように、自ら育てている植物の鉢を移動させ、様々な人とのコミュニケーションを誘発する。東京の都市部で植物の鉢を引っ張りながら歩き、お互いの植物を愛であう人々の姿は想像するだけでほほ笑ましい。これはアーティスト村山修二郎が目論む「動く鉢」というプロジェクトだ。村山は、常に自然と人との関係を探りながら作品づくりを行う作家で、植物や花を画材として直接紙にこすりつけて絵を描く「緑画(りょくが)」という絵画の制作も行う。村山の活動と東京ビエンナーレにかける思いを伺った

INTERVIEW: リー智子

土の中や水の中、空気中にいる「見えないもの」。アーティストのリー智子は、畑を耕し、玉川上水近辺で虫や木々などの生き物観察会や講座を企画する「ちいさな虫や草や生き物たちを支える会」=「ちむくい」を主宰している。自身も「シンプルな暮らし」を実現すべく生活の中で様々な取り組みをしている。東京ビエンナーレでは、「玉川上水46億年を歩く」と題し、玉川上水の起点である羽村市から皇居までの46kmを歩くプロジェクトを開催予定。リー智子が考える、地球環境へのまなざし、そしてアートへの思いを伺

INTERVIEW: 遠藤 薫

89年生まれのアーティスト遠藤薫。沖縄で染織を学び、その後染織家志村ふくみさんのスタジオで経験を積んだ後独立。昨年資生堂ギャラリーの新進作家プログラム『shiseido art egg』に入賞し「重力と虹霓(こうげい)」展を開催、グランプリのart egg賞受賞、VOCA展では佳作受賞などといった活躍ぶりだ。彼女が東京ビエンナーレに提案したプロジェクトは、日本全国47都道府県の“銀座”を訪ね歩き、そこで得たストーリーに関連するオブジェクトを東京銀座にある47軒のギャラリーに展

INTERVIEW: 藤 浩志

藤浩志さんは美術家であり、秋田公立美術大学教授、NPO法人アーツセンターあきた理事長、NPO法人プラスアーツ副理事長をされている。京都の大学では染織を専攻し、在学中は演劇などの空間をつくっていた。卒業後は青年海外協力隊でパプアニューギニアに行き、現地の芸術学校で教育に携わる。その際、「原生林で「野豚を追うヤセ犬」と出会い、「社会的に価値を認められていない存在にエネルギーを注ぎ、圧倒的に感動的な状態に変化させる技術としての芸術」を着想する。」(藤浩志さんのウェブサイトより) こ

INTERVIEW: アリーナ+ジェフ・ブリゥミス

「夫婦でもある2人組のアーティストが、家族の晩ご飯への招待と引き換えに絵画をプレゼントします。詳細はメールか電話でお問い合わせください」と地域の住民に声をかけ、一般家庭の夕食へとアーティストが赴き、ご飯を食べて絵画を渡し、写真を撮影するというプロジェクト《家族の晩ご飯へ贈られる絵画 東京編》を東京ビエンナーレで準備しているアリーナ・ブリゥミス+ジェフ・ブリゥミス。彼らはニューヨークを拠点に、コミュニケーションとコミュニティにまつわる様々なプロジェクトを行っている。アリーナ+ジ

Interview with Alina + Jeff Bliumis

Your projects, such as “Casual Conversations project”, “CULTURAL TIPS FOR NEW AMERICANS,” “PAINTING FOR A FAMILY DINNER”, it seems that many of your projects inspire people to consider a community different from their own birth. What is the

INTERVIEW: 柳井信乃

ロンドンをベースにパフォーマンスや映像作品を発表する柳井信乃。彼女はもともと音楽、日本画、映像や写真について専門的に学んでおり、現在は社会学的なリサーチを元に、様々な素材を複合的に組み合わせたインスタレーション作品を発表している。今回東京ビエンナーレでは、「ナショナリズム」「身体行動と社会」「訓練」をキーワードにしたパフォーマンス作品を予定している。「今を生きるアーティストとして、世界で起きている様々なことに反応していきたい」と柳井。コロナ禍のロンドンに住む柳井に、現在の状況

INTERVIEW: フィオナ・アムンセン

アオテアロア ニュージーランド在住(※編注:アオテアロアはマオリ語でニュージーランドのこと。現在国名呼称について論争があり以下、作家の表記に従う)の作家フィオナ・アムンセン。彼女は戦争などのドキュメンタリー映像や写真のイメージというものが、いかに歴史的経験に基づいた現在と繋がっているかを探り、能動的なケア(思いやり)の関係を可能にするかを探求するアーティストだ。今回東京ビエンナーレで予定しているプラン「引き継がれる息遣い」では、「落語」、「映画制作」、合気道の「残心」という一

Interview with Fiona Amundsen

Many of your artworks seem to treat the Second World War as a part of human history, how did you decide to deepen your research on it? I am very interested in how WWII, particularly the Asia-Pacific battles, has defined the contemporary ge

INTERVIEW: 川村亘平斎+宮本武典

不思議な響きが幻想的な光景を描き出す楽器ガムランの演奏家であり、インドネシア伝統の影絵芝居(ワヤン・クリット)を行うアーティストの川村亘平斎さんは、アートディレクターの宮本武典さんと東北各地で地域に根ざしたアートプロジェクトや、東日本大震災の復興支援プログラムなどを多数企画・実施してきた。2人で取り組むプロジェクト「東京影絵」は、東京に暮らす19カ国/60名の外国にルーツを持つ人々に聞いた話から立ち上がる、新しい東京の物語である。そもそも何故東京出身の川村さんがインドネシアの

INTERVIEW: ティンティン・チェン

ロンドンをベースに活動をする台湾出身のアーティスト、ティンティン・チェン。彼女は移民のアイデンティティやナショナリズム、ディアスポラなどをテーマに、近年は、何らかの音声に導かれながら場所と物語を体験するツアー形式のパフォーマンスを制作している。東京ビエンナーレでは、千代田区を舞台に第二次大戦で亡くなった幽霊たちの声を聴きながらまちを歩くツアーパフォーマンスを予定している。この作品の構想、そして普段考えていることについて。 インタビュー&文:上條桂子 協力:宮内芽依、花岡美緒