インボイス制度以上に問題な電子帳票保存法の改正
東京のカフェで朝活!
本日は1名で朝活-NEWSシェア会を実施しました!
NEWSシェア会は、各自持ち寄った記事を10分間読み込み、その後、シェアする会。
記事がないという方も大丈夫なように、過去1週間分の日経新聞記事を私は持ってきています。
さて、本日は仕事柄関わる事になる「インボイス制度と電子帳票保存法」について書きたいと思います。
インボイス制度とは
インボイス制度とは、消費税の仕入税額控除を受ける為に、正しい消費税を記載した請求書(インボイス)を発行する必要があるという制度です。2023年10月から全面的に適用される予定です。
とりあえず『請求書の様式を変更する必要がある』と認識していれば問題ありません。
なお、登録番号は税務署に申請して発行してもらわなければいけません。
消費税の仕入税額控除とは
消費税の仕入税額控除は、基本的には一般消費者に関係ないです。
企業や個人事業主のみに関係する内容です。
まず、仕入税額控除とは、消費税を計算するときに、売上にかかる消費税から仕入れにかかる消費税を引くことです。
これによって、消費税の二重課税を防ぐことができます。
例えば、商品を売って300円の消費税を受け取ったとします。
その商品の仕入れには100円の消費税がかかっていました。
この場合、仕入税額控除を使うと、300円から100円を引いた200円が納税すべき消費税額になります。
この説明で分かりますかね?(汗
私たち消費者が買い物をすると、レシートに消費税が書かれていますが、私たち自身が直接消費税を納めるのではなく、購入したスーパー等が変わりに消費税を納めてくれています。
スーパーも、別の業者(例えば農家)から商品を買っていて、その時にも消費税がかかっています。
「農家(消費税100円) ⇒ スーパー(消費税300円) ⇒ 消費者」
上記の例だと、最中的、商品に対しての消費税は300円になる訳ですが、農家が100円、スーパーが300円の消費税を納めると、納めすぎになってしまう為、スーパーが納める消費税は200円で良いというのが、消費税の仕入税額控除です。
しかし、正しい請求書(インボイス)を発行しないと、仕入税額控除できません。
というのが、今回の改正内容です。
免税事業者に打撃
正しい請求書を発行すれば問題ないのですが、ここで問題になるのが免税事業者です。
消費税には、免税事業者の制度があります。消費税では、その課税期間の「基準期間における課税売上高」が1000万円以下の事業者は、その課税期間における売り上げについて、消費税の納税が免除されています。
個人事業主やスタートアップ企業は消費税の納税が免除されてるんですね。
先ほどの例をあげれば、農家は消費税を支払っていなかった。
にも関わらず、仕入税額控除が受けられていた ⇒ 税収が減る。
なら、免税事業者から商品を買った場合は、仕入税額控除を受けられないようにしよう。
これが、インボイス制度の目的です。
免税事業者は登録番号を申請しても承認されない為、免税事業者のままでいるか、課税事業者になるか、選択を迫られています。
課税事業者になれば、消費税を払う必要が出てきます。
一方、免税事業者のままであれば、買い手は仕入税額控除を受けられないので、最悪、取引を停止される可能性があります。
他にもペンネームで活動していた人達の実名がさらされるなど、諸々の問題はありますが、今回は割愛させて頂きます。
2024年1月から電子帳票保存法が改正
思いのほか、長くなってしまいましたが、2024年1月から電子帳票保存法が改正されます。
個人的にはこちらの方がやばいです。
電子帳票保存法は、国税関係の帳票や書類を電子的に保存することを義務付ける法律です。
これまでは重要書類は「紙」で保存するよう義務付けられていましたが、2022年1月から改正された電子帳簿保存法が施行され、紙で受け取った書類や作成した書類をスキャンして画像データとして保存する場合の要件が緩和されました。
電子化へ一歩前進です。
ところが、2024年1月からは、電子取引での書類は電子的保存のみが有効とされます。
紙の保存や、印刷した後にスキャンして保存するような方法も認められなくなります。
一歩前進して、行き過ぎてしまったようです。
なお、紙で取引したものは、紙・電子どちらの保存形式でも良い事になっています。
「紙か電子か?」迫られる選択
企業の立場からすれば、取引によって保存方法を分けるのは煩雑でなりません。
どちらかに揃えたいのが本音です。
これまで紙で保存してきたところは紙一択でしょうし、併用していたところは、どちらかに揃える事になるでしょう。
しかし、取引といっても様々な種類があります。
社員が売店で買ってきたレシートも1枚1枚スキャンして保存するの?
それは逆に面倒だなぁ、それなら全部紙の方が手間が少ないと判断する企業もあるかと思います。
問題なのは、企業ごとに「紙」か「電子」か判断が異なる事です。
また、農家を例に出してしまいますが、生産者である農家は様々な企業に請求書を送ります。
A社はメールでくれ、B社はこのシステムを介して請求してくれ、C社は紙でくれ。
何てことになったら、手間が膨大に増えます。
「とても対応できない」となるでしょう。
年末には、この話題が紙面を踊る気がしています。
有意義な時間になりました。
ありがとうございます。