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「活動拠点」を見つけよう。|アートプロジェクトの運営をひらく、〇〇のことば。

アートプロジェクトの運営にまつわる「ことば」を取り上げ、現場の運営を支えるために必要な視点を紹介する動画シリーズ「アートプロジェクトの運営をひらく、○○のことば。」から、「活動拠点」を公開しました!

この動画では、東京アートポイント計画で、アートプロジェクトの中間支援に携わる専門スタッフ(プログラムオフィサー)が、『東京アートポイント計画が、アートプロジェクトを運営する「事務局」と話すときのことば。の本 <増補版>』(略して「ことば本」)から「ことば」を選んで、紹介しています。

今回取り上げた「活動拠点」について、ことば本では以下のように書かれています。

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活動拠点ーー拠点となる場をみつけよう

まちなかでのアートプロジェクトでは、拠点を構えることが効果的だ。「事務局」の事務所として機能し、事務作業やミーティングのための場所として活用することに限らず、プロジェクトを展開する地域のなかで、アーティストやボランティアスタッフ、地域の関係者が集まり、ともにまちにプロジェクトを仕掛ける計画を練り、作業を重ね、活動を発信していく場所となる。

日々、そこでざわざわと活動していることが、地域との顔のみえる関係づくりにも有効に働くだろう。また、活動拠点は、さまざまな情報がストックされていく場でもある。部室のように、人が変わっても活動の歴史が蓄積されていく。 その環境が、新しく加わってくるメンバーの育成の助けになるだろう。

『東京アートポイント計画が、アートプロジェクトを運営する「事務局」と話すときのことば。の本<増補版>』アーツカウンシル東京、2020年、48頁より。本書は、以下のリンク先よりPDFダウンロード、もしくは郵送(送料のみ/着払い)にてお読みいただけます。

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「拠点」という言葉から、まっさきに思い浮かぶ風景は何でしょうか。仕事のためのオフィスや、作業場と行き来しやすいカフェだったり、あるいは自宅周辺のことだったり、遠出の際には観光案内所がその役割を担うかもしれません。

ここでは、アートプロジェクトにおける「活動拠点」の考え方について紹介します。まず重要なことが、単発でイベントをひらく貸しスペースや、特定の機能を設えた店舗を指すものではない、ということです。

アートプロジェクトでは、地域住民や企画参加者をはじめ、ひとびとが豊かに生きていくための関係づくりや創造的な活動が生まれる仕組みづくりを大切にしています。活動拠点となる場をひらくことによって、さまざまなひとびとが顔を合わせる機会が生まれたり、企画が終わった後にも訪れることのできる居場所になったり、そこで出会った人同士で新たな企画が生まれたりすることもあります。

具体的な事例については、こちらの記事でも紹介しています。↓↓

さまざまな手法で「活動拠点」をつくる

拠点そのものではなく、拠点をひらくプロセスや、ひらくための仕組み自体をプロジェクトにすることも。制約の多い新築物件ではなく、使い古された空きテナントや遊休地を「ひらきなおす」ために、多くのひとびとを巻き込んでゆく。言い換えるなら、拠点形成が最終的な「目的」ではなく、あくまで途上にある「手法」として捉えてみるということです。

活動をひろげるために、あえて「建物」がない場所を選ぶプロジェクトも。まっさらな場所の上に、参加者と一緒にオブジェをつくったり、作品を描いたりしてみる。さまざまな関わりしろが重なりながら、地域に関わるひとびとが行き交う風景をつくりました。

国内のみならず、東南アジア9カ国 83カ所のインディペンデントなアートスペースをリサーチ、収録した資料を見渡してみてもいいかもしれません。

『これからの文化を「10年単位」で語るためにー東京アートポイント計画 2009-2018ー』(26頁〜)でも、プログラムオフィサーの知見から「拠点づくり」の要件をまとめているので、ぜひご覧になってください。

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日々、さまざまなひとびとの関わりによって活動拠点は表情を変えてゆきます。このまちにどんな風景をつくりたいのか、思いを巡らせながら拠点となる場を見つけてみてください。

櫻井駿介

▼ Tokyo Art Research Lab「アートプロジェクトの運営をひらく、○○のことば」の再生リストは、以下のリンク先からご覧いただけます。