名画誕生<ラス・メニーナス>~「天・地・人」で読み解く17世紀スペイン絵画事情
舞台は王宮の一室。
白いドレス姿の、ふくふくした頬が可愛らしいマルガリータ王女を中心に、侍女や宮中に仕える小人たち、カンヴァスに向かうベラスケス自身が描かれている。奥の壁にかかる鏡には、王女の両親である国王夫妻の姿が映り込んでいる。
この王一家を含む宮中の人々の姿を描き込んだ集団肖像画<ラス=メニーナス>は、17世紀スペインを代表する巨匠ベラスケスの代表作であり、「絵画の神学」と絶賛された作品でもある。
なぜ、この作品は、そして作者であるベラスケスは、このように存在