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有料特急と痛勤の話

湘南ライナーの話


昔、川崎から通勤してたときの話。
10分間だけだけど、どうしても朝の京浜東北線を回避することができなくて、やむなく乗車率120%の水色の電車でいわゆる「痛勤」をしていた。
そんなある日、京浜東北線が湘南ライナーと並走していることに気がついた。
なんでこんな時間に満席の185系が来るんだろうと不思議に思っていた。
しかも乗ってる人たちはほとんどスーツのおっさんだ。
これが全席着席の湘南ライナーであることは、あとから調べてわかった。

湘南ライナーに乗っている人たちは、全員ぐったりしていた。
乗客がここまで全員ぐったりしている電車は後にも先にも見たことがない。
トラベルミステリーばりに何人か死んでるんじゃないかと思うくらい、それはもうぐったりしていた。
しかも、朝の7時半だ。
決して夜の0時ではない。
ぐったりした乗客を、185系は無慈悲に品川とか東京まで運んでいくのだろう。
京浜東北線は蒲田とか大森のあたりで湘南ライナーに追い越されていく。

小田原とか大船とかから湘南ライナーで通勤してる人たちは、帰りも湘南ライナーを使うのだろうか。
朝からこんなぐったりしてたら、帰りはいったいどれだけ疲弊しているのか。
並走する水色の電車でそんなことを考察していた。
全席着席で満員電車は回避できるのだろうけど、こういう記事を見るとどうしてもあのぐったりしている人たちを思い出さずにはいられない。


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