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手首痛(スマホ腱鞘炎、ドケルバン病、リウマチ性関節炎)の鍼灸治療

疫学:腱鞘内部滑膜の炎症、腱鞘繊維性壁の肥厚性炎症、化膿菌や結核菌による感染。

原因:物理的刺激、細菌感染など。

一般的な治療法:ステロイド剤の局所注入、消炎鎮痛剤の塗布など薬物療法、手術療法(切開術)など。

当院の治療法:腱鞘炎は著名な鍼灸院でも、病院でも中々完治させることが難しいようです。当院では治療成績の良い病態の1つで、軽症であれば3~5回程度の刺鍼で完治します。どこに行っても痛みが取れなかった患者はかなり驚きます。しかし、職業上、前腕や手を常に酷使しているようなケースにおいては、10~15回程度の施術で痛みが消えても、しばらく経つと徐々に痛みが戻ってくるとか、僅かな痛みが残ってしまう、というケースが稀にあります。基本的に腱鞘炎も他の指の病態も、その多くは前腕筋群の使い過ぎによるものです。つまり、前腕筋群が慢性的に異常収縮し続けると、筋肉が短くなったままで指を使わざるを得ないわけで、腱鞘部分で引っ張り合いが起こって摩擦係数が上がり、結果的に腱鞘部分の炎症、肥厚が見られるようになります。人間は親指、人指、中指をメインに使いますから、ドケルバン病のように長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の狭窄性腱鞘炎を起こしたり、ばね指のように親指、人指、中指に異常が出でたり、手根管症候群で母指球筋が萎縮したり、ガングリオンが手首に好発するのは、物理的な要因が大きく影響していると推察されます。リウマチ性腱鞘炎にも鍼治療は有効で、関節部に変形が見られない病態であれば、定期的に刺鍼することで朝晩の手のこわばりは減少するようです。施術当日は鍼の刺激によって、一時的に手を動かしにくくなりますから、仕事のある日の施術は避け、施術後に手をゆっくり休めるようにするのがベストです。

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